正月は、勤め人が家に戻り、或いは、郷里に戻るから、街は静かになり、いつもと違った空気が流れる。だからか、何となく改まった気になるが、地方では急に人が増えて、それはそれで、いつもと違った風景となるのだろう。ともかく一つの節目という普通ではない空間と時間が生まれる。
私は確固とした年賀状不要論者ではないが、ただ面倒臭いというのが本音だ。だから、消極的で、おっつけ仕事で、何となく出している。心のどこかで、自然と減ることを祈っている。ところが、今年、本来なら去年来ると思っていた年賀状が一年遅れて送られてきた。「ああ、忘れてなかったんだ」「気にしていてくれたんだ」何となく暖かい気持ちになる。単純なものだ、もう口がだらしなくゆるんでいる。せっせと印刷して返事を出した。