玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

無視という戦術

2014-02-16 20:59:30 | 政治

安倍首相は苛立って言った。「選挙で選ばれた…私が総理大臣で最高責任者なのだから…政府委員に答弁させるのはおかしい!」民主党議員は憲法解釈論を首相ではなく、内閣法制局の政府委員に求めたのを、彼は怒ったのだ。これって、ちょっと前にあったよね。都議会で猪瀬都知事に「あんたには答弁する資格がない!」と言って、彼に答えさせず全て各局長に答弁させた。これらは“無視”という戦術である。この戦術がとられるのは、相手方の無神経な、あるいは傲慢な態度に呆れて、質問者が最初から対論を拒否するという最終兵器だ。そして、相手のプライドが高いほど余計に恥辱を与える戦術でもある。傲慢な権力者も公式の場で弱者からこの戦術を使われると、瞬間的にはかなり慌てるようだが、そこから生まれるものは両者を隔てる壁がさらに厚くなるだけである。その結果は、権力者の増長振りが明らかになるだけで、その後の関係には大した効果はない。もっとも猪瀬氏の場合はあれで終わりだから良かったのだが、民主党も末期的な戦術を使うのは如何なものだろうか。確かに最近の権力者は自分の主張をゴリ押しするだけで、相手との対話をしたがらない。そこには日本古来の調整という和の精神が失われている。近年の日本は偏頗にグローバル化されたのだろうか。

 壁

相手との対話より、力ずくの選挙を求める者もいる。和を求めない、新しい日本人の一種だ。西の王様は出直し選挙という土俵を作っても、誰も土俵に上がらないということになりそうだ。彼は、それを卑怯と言うが、それはどっちなんだろう。最近、自らを客観視できない政治家が多すぎる。安倍さんも最近の行動を見てると、どうもそのようである。

そう云えば、猪瀬氏はかつての横山ノックと末路が重なってしまう。政治家は金と女によるスキャンダルで辞職すると、ほとんど政治的復活は望めないのだろう。


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1 コメント

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Unknown (横浜市磯子区Y)
2014-02-20 16:01:04
近頃思うのは、従来は保守側の政治家にもどこかに考え,行動に限度や自己規制があり、それが戦後の政治の流れを作る一つではなかったのか、ということ。ところが今そうした限度や自己規制が取り払われてしまい、一部の極論(にしか小生には思えませんが)が大手を振ってまかり通るようになってしまったのではないか、ということです。
また以前から言われていたのですが、、若者が変革、革新を支持するというのは、完全に昔話になってしまい、「耳に聞こえの良い」「威勢の良い、分かり易い」訴えに心動かされる傾向が本当に明白な形で世論を形成しているように思います。敵や貶す相手を作り上げ、それによって自分の位置が高い所にあるように錯覚する、こういう人が増えているように思えてなりません。
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