昨日から報道されている、
「18歳少女を10年以上軟禁した母親に罰金10万円」
のお話ね
少女は小さい頃にちょっとだけ保育園に通った以外は、全く外に出ず、
義務教育を受けずに育ってしまったということ。
これは明らかに「ネグレクト」だけど、「食事をきちんと与えていた」事と
「ドリルをやらせていた」事が考慮されて「傷害」のみの罰金刑で終った
(食事を与えてドリルをさせれば
ネグレクトじゃないという考え方がおかしい
と思いますがいかがでしょうか?)
教育委員会も学校も「緊急性や危険性がないので見守った」結果
この少女が「自我」を出して親に反抗し飛び出したことで事件発覚・・
つまり、自発的な「脱出」がなければまだ見つからなかったのです
一般的には
母親の虐待に父親及び姉と兄は気づいていたか。
なぜ少女を外に連れ出そうとしなかったのか。
一ヶ月に1度訪ねて行った行政側は・・何年も続いたら
「これはおかしい」とは思わなかったのか。
というような疑問が出てくるわけですが
報道によりますと、母親は
「娘は難病を患って発達に遅れが生じたので
他人の迷惑になってはいけないと思い、
恥ずかしいと思った」と語っていますね
これ、本音だと思うんですよ・・・・
(昔はこういう親は結構いた筈です。障害者の子供を外に出さずに
世間から隠して育てる親がね。田舎では特に多いかも)
子供を叩いたりしたのも多分「しつけ」のつもりだったと思います。
つまり、この母親(同世代だよ・・・)はそれなりに一人の価値観で
頑張りすぎたということになるでしょうか
どうしてこんな風になったかといえば、まず考えられるのは「夫婦関係」
ですね。
全く表にで出てこない父親ですけど、このお父さん、随分母親を責めたのでは?
つまり「こんな子供になったのはお前のせいだ」とか
「お前のしつけがなってないからおもらしなんかするんだ」とか
そういうこと・・・・・
母親としては、「我が子」に対する評価は自分への評価になります。
だから、夫にそう責められたら何も言い返せないし、それだけの理屈も
持ち合わせていなかったんでしょう
また、公的機関へ頼らなかった理由ですが、やっぱり「偏見」もあると思います。
例えば「子供に発達の遅れがある」などという事が、近所や同世代の親に
知られるのが嫌だった・・・という事も考えられますね。
もし知られたらうわさになるし「何が原因で?」って聞かれるし、
「気の毒に」って言われるし・・・そうなったらますます「自己評価」が
低くなるでしょう?
私達バブル&「均等法」世代の親って、回りの評価を気にします
そして世間は子供のことは何でも「母親の責任」にしたがります。
多分その母親としては「これ以上責められたくない」という
一心だったのではと思います
「恥ずかしいと思った」という言葉の裏には
「発達の遅れがある子供を産んでしまって恥ずかしい」と
いう気持があったのでは・・・?
私も実は、うちの子供達が3人とも首が座るのが遅く、歩くのも遅くて
公園に連れて行くのが嫌でした
「何ヶ月?」って同世代のお母さんに聞かれるのがほんと、嫌で。
さすがにヨンジュナになると、「うちはそういう家系」と思って
割り切りましたけど、でもやっぱり同じ月例でも向うは歩いて
こっちはおすわりがやっと・・・なんていうのは傷つきますよね
一歳児健診などでも「何か言われないか」とひやひやしていたし・・
「親の頑張りが足りない」って言われるのが一番嫌だったんです
(今思えば生まれつきの発達の早い遅いはしょうがないと思いますけど)
この場合、夫が「お前のせいじゃない」と一言言って、
「これから先のことを考えよう」と前向きな姿勢を見せれば
ここまで意固地にはならなかったと思います
また、兄や姉との接触もあまりなかったようで・・・これもまた
「子育ては母親の仕事」という意識が強くて、上の子供達に
頼めなかったのではないかと思います
家の中のピラミッドは、一番上が父親と兄と姉で
母親と二女は末端だった・・・そんな序列が浮かび上がります。
(封建的な場所ではよくある事ですけどね・・・・)
そうなると、どうしても「家族の絆」「兄弟の絆」が薄くなります
(実はこういう家庭も多いと思いますよ・・・)
まあ・・・「自己評価」や「恥ずかしい」よりも、
「この子の将来」をもっと考えれば、恥ずかしさをしのんでも
公的機関の手を借りられたかもしれませんよね・・・・
とはいうものの・・・・あの教育委員会とか児童相談所ではどうだか。
期待出来ませんけど