ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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ふぶきの脚本講座 THE LOST GLORY 4

2014-09-23 07:00:00 | 宝塚コラム

 適当にセリフを書かないこと

13場

ディアナ ; あの人は、どうしてしまったのかしら。私が愛した人は、一体・・・

イヴァーノ ; あなたが見ていたのは、幻だったんですよ。

ディアナ ; 

イヴァーノ ; 移民である劣等感から逃れられず、嫉妬に我を失い。心の弱さに打ちのめされる男。

        それが彼だ。

ディアナ ; ・・・・

イヴァーノ ; あなたのような上流階級の女性を、今まで大勢見て来た。生まれも育ちも

        何一つ欠点のないあなたに、彼が理解できる筈がない。

ディアナ ; あなたの言う通り、私は、彼の本当の姿を見ていなかったかもしれない。

イヴァーノ ; 恋の情熱は、人を盲目にさせる。だが、それは一時の事。恋の幻惑から冷めれば

        見えるのは現実だけ。

ディアナ ; ほんの少し前まで、この愛がこの幸せが永遠に続くと信じていた。

イヴァーノ ; 永遠の愛など子供だましだ。

ディアナ ; そうね。愛が永遠に変わらないなんて言えない。愛の苦さを知ってしまったから。

       この世には、変わらないものなんてないんだわ。何一つ。

       愛は、脆くて、うつろいやすくて、壊れそうなほど苦しくて・・・私は・・・

イヴァーノ ; わかりましたか。彼はあなたの愛を得るにふさわしい男ではない

ディアナ ; それでもあの人なしでは生きて行けない。

        愛している。いえ、わからない。愛が何かさえもう・・・でも信じたいの。

        この愛が、今はうつろな幻でも、少しずつ少しずつ、本物の愛に育てていけると・・・

        信じなければ、すべてが壊れてしまうわ。

イヴァーノ ; 本物の愛?

ディアナ ; ええ。

イヴァーノ ; 私は、何も信じない。社会の全てから裏切られ続けた。信じられるのは、自分だけだ。

ディアナ ; あなたは孤独な人ね・・・悲しい人・・・信じていいのよ。傷つくことを恐れなければ。

 ここのシーンは、全く接点のない柚希&夢咲に会話をさせる為だけのもの。

  それはわかるけど、何が言いたいのかさっぱりわからない

    「愛」を連呼するばかりで 全くもう。こんな意味不明なセリフ、いらないっ

              ↓

 

ディアナ ; まさかあの人があんなに激高するなんて。

イヴァーノ ; しいのは表面的。実は劣等感にさいなまれた初老の男にすぎない。

ディアナ ; イヴァーノ。あなた、私の夫をなんだと思っているの

イヴァーノ ; え?

ディアナ ; あの人は素晴らしい人よ。劣等感なんか持たないわよ。私は彼と一緒に

       一日を過ごすだけで幸せなんだもの。

       彼と一緒にいると・・インスピレーションがわき起こるの。そしてキャンバスに

       向かうのよ。

        イヴァーノ、あなた、オットーの魅力がわからないの?

イヴァーノ ; 知ってますよ。あなたよりずっと長くいるんですから。

ディアナ ; じゃあ、言ってごらんなさいよ。

イヴァーノ ; 建築士としての類まれなる才能、強引ながら相手を引き込む商才・・・それに

ディアナ ; 誰よりも優しいわ。

イヴァーノ ; あなたとは共通点が何一つない。彼は移民の孤児で成り上がり。

        あなたは社交界の華。キャンベル家の娘として蝶よ花よと育てられ、

        その美貌と才能はアメリカ中に愛されている。

ディアナ ; 美しいからなんだっていうの。お金があるから

       なんだっていうの。本当の私は、いつその才能とやらが枯渇するか、美しさとやらが

       消えてしまうか怯えてる。でもオットーは、素顔の私を好きでいてくれる。

       そうね、彼は確かに移民で成り上がりよ。でもだからこそ、私の怯えがよくわかるの。

       あの人が泳いできた人生の海は荒かったわ。人生の山は険しかった。

       その苦労が優しさを生み出しているのよ。

       私は、そんな彼の腕の中にひなのように抱かれているだけ。それが一番好きなの。

       男は若ければいいってもんじゃないわ。そうでしょ?イヴァーノ。

イヴァーノ ; さあね。よく喋る人だ。

ディアナ ; 彼の話なら一晩だって喋ってしまうわよ。

イヴァーノ ; もう沢山だ。

ディアナ ; だからこそ、彼があんな指輪一個で私を疑う筈はない。これはきっと何かあるわ。       

イヴァーノ ; なるほどねえ。オットーは一筋縄ではいかない男・・・・・か。

ディアナ ; イヴァーノ、調べましょう。これは何かのたくらみよ。

イヴァーノ ; ・・・・・どこまでも彼を信じるか。

ディアナ ; 当たり前でしょう。私とオットーは夫婦なのよ。まあいいわ。あなただっていつか

       誰よりも信じられる人と出会うわよ。さあ、早く。

  こんな感じですがいかがでしょうか?

    罠にはめた筈のイヴァーノが、自分のワナの解明を迫られるというシーンになりました。

    ディアナは随分とはっきり喋る娘ですね。夢咲ねねならこれくらいのキャラでないと・・・・

     

コメント (6)
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ふぶきの脚本講座ーTHE LOST GLORY 3

2014-09-23 07:00:00 | 宝塚コラム

 唐突な場面

11場 (B) 

オットー ; こちらは

イヴァーノ ; ロナルド・マーティン。ディアナ・ミュージアムの館長候補に選ばれた男です。

ロナルド ; はじめまして

イヴァーノ ; 履歴書がここに

オットー ; 君たちは

ディアナ ; ええ。彼は、華麗教師として私に美術を教えてくれていたの。

ロナルド ; そして、私達は愛し合った。

ディアナ ; 私がハイスクールの時のことよ

オットー ; つまり、初恋の男と君は。

ロナルド ;私達は、ディアナの良心に無理やりに別れさせられた。だが、彼女を誰より愛しているのは

       私だ。彼女も、

ディアナ : ロナルド!

オットー ; 金の指輪、ディアナのイニシャル。

ロナルド ; ディアナからの贈り物だ。彼女も私を。

ディアナ ; 違う。私が愛しているのは、あなただけ。ええ。彼に恋をしていたわ。私はまだ若くて

        愛のことなど何もわかっていなかった。今は。

オットー ; 金の指輪。なぜ。

ディアナ ; 知らないわ。私は何も。

ロナルド ; 君は私を愛している。君がこんな男を愛する筈がない。

ディアナ ; ロナルド!

ロナルド ; ディアナは私のものだ。

オットー ; 黙れ!

ディアナ ; あなた

オットー ;そんな目で見るな。その美しさが私を惑わせるのだ。

ロナルド ; 私達は愛し合っている。昔も今も。この結婚が過ちだったんだ。

ディアナ ; 誤解よ。彼とは何も。

オットー ; 信じられない。

ディアナ ; 私が愛しているのは。

オットー ; もういい。その口から愛という言葉を二度と聞きたくない。天使とあがめた人の正体が、

       多情な淫売女だったとは。

ディアナ ; あんまりだわ。

オットー ;消え失せろ。私の前から。どす黒い怒りと悲しみが、男を幻惑するその体を

       八つ裂きにする前に。

ディアナ ; (泣き伏す)

ロナルド ; ディアナ

オットー ; その男の胸に抱かれ、どこにでも行くがいい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

イヴァーノ ; 幸福の頂点を極めた者は、落ちていくだけ。

オットー ; 心を覆う憎しみの霧が、私を破滅下と導く。愛と言う名の花は、嫉妬と言うヘビに

       飲み込まれてしまった。

イヴァーノ ; 愛など、愚かな人間が生み出したただの幻

オットー ; 私は、ディアナの事をどれだけわかっていたのだろうか。

イヴァーノ ; 人は、見たいものだけを見、信じたいものだけを信じる。

オットー ; ああ、狂いそうだ。世界よ、この苦しみから流れ出る血の海に飲み込まれてしまうがいい。

イヴァーノ ; 苦しむがいい。もっと、私が流した心の血を、その体からも。

 正直、どこをどう変えたらいいんだ?というような場面で。

  実際に舞台で見ると、あまりにも突然、オットーが豹変してしまうので唖然茫然。

  しかも「淫売女」ときた たかが指輪一個でこれか?と。

  いくら舞台でもありえないだろう・・・・云々

 ロナウドの性格異常っぷりはセリフで見ると、さらに「いっちゃってる」状態がわかりますよね。

  そしてオットーの思い込みの激しさも。

  韓ドラとか中国ドラマなどでは、よく、こういうみえすいた嘘で人を陥れるシーンが出てきます。

   そういう場合は、ディアナが「私は指輪なんかしらない。贈っていない」といえば、オットーが

  「贈っていない証拠を出せ」というのです

  そして指輪のイニシャルが違うとか、宝石商を呼ぶとか、命をかけて「潔白」を証明する。

  そのやりとりやどんでん返しが面白いのですが、このシーンにそんな小細工は必要ないですよね。

 イヴァーノの台詞も脈路がないし、オットーが次のシーンでディアナを殺す妄想にかられる

   というのも、そこまで話は盛り上がっていないと思うんです。

 女心がわからないというのは、それほど愛したディアナに対してオットーが指輪一つで

  「消え失せろ」とまでは言わないだろうし、ディアナにしても、そこまで言われたら

  オットーをぶんなぐるくらいするだろうと。

  入籍までした「夫婦」の絆は10代の恋人同士じゃないんですから、そんなに簡単に破れたり

  しないでしょう。

 だから・・・まあ、変えるとしたら、ロナウドとディアナが親しそうに絵の話をしていて

  芸術がよくわからないオットーが疎外感を持つ・・・それが疑いに発展していく。

  そんな程度だと思うんですけどね。

 イヴァーノの「苦しむがいい」なんてセリフは100年早いわって感じです。

 じゃあ、何でこんなシーンを書いたのか。素人でもやらないような事。

   多分、どこかで盛り上げたかったんでしょうね。感情を爆発させるシーンがないと

   だらだらするし、登場人物を動かさないといけないし。

   だけど、イヴァーノがあそこまで意地悪な感情を持つというのは、親を殺されたとか

   拷問を受けたとか・・・そういう恨みを持った時のみですよね。

   ここは、イヴァーノ以上にオットーが悪人だった・・・というような設定の方が面白いかも。

コメント (2)
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