
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
歌意:まもなく私は死んでしまうでしょう。あの世への思い出として、死ぬ前にもう一度あなたにお逢いしたいものです。
作者: 和泉式部(978?~?)大江雅致の娘。小式部(60番)の母
死が間近に迫ったと自覚された折に男のもとに贈った歌である。
死ぬ前に愛する人に逢いたいという願いを素直に詠みくだしており、この歌には手の込んだ技法はなされていない。
初・二句の「あらざらむこの世のほかの」は、生きていないであろう、この現実世界の外に出ていくであろう、と内容が重複している印象を与えるが、そのくどいまでの言い方が、かえって死期の近づいた緊迫感をよく伝えている。
※参考 文英堂 「原色小倉百人一首」
今回の写真は、金色の雲にしました。 現実世界の外側って、こんな雲の中かもしれません・・・

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