よし坊のあっちこっち

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映画三昧ーかくも長き不在

2006年08月18日 | 映画
遊びに来た娘が突然「オトン、コノ映画知ってる?男と女がダンスをしてて、男の頭に傷があって、最後死ぬねん」。キーワード満載のコノ言葉は我が脳を瞬時に駆け巡り、頭の中で「えっ?何でこの映画知ってんねん」。アレしかないと思いつつ、おもむろに「カフェで歳いった男と女主人がダンスをしている。記憶を呼び戻そうとするが戻らない。男の後頭部に傷を見つけ愕然とする。ソレか?」娘「ソレやソレや」。我が娘もついに観たか、と訳の分からない感激を胸に一人悦に入る。
深夜のテレビで観たらしく、これを放映した局はなんと見識の高い局であろうかと、独断の評価。

コノ映画、「かくも長き不在」原題名Une Aussi Longue Absence(仏)を観たのは高校の時、所は新宿アートシアター。当時アートシアターは東京でも2館位しか無く、掛かるのも大衆受けしない問題作秀作佳作の類、余程映画が好きでなければ行くまい。多感な高校時代のやたらのアートシアター通い、今となれば贅沢の域。

戦争の悲劇傷跡を取り上げた秀作にして、数少ない心に残る作品か。女主人役のアリダ・バリ。あの名作の誉れ高き「第三の男」の窓から見える横顔のハッとするような美しさが我が脳裏に焼き付かねば、この作品との出会いも無し。

もう何年も前からこの作品を今一度観たいと、ビデオDVDを探しているが、インターネットで調べても何も出てこないのはマイナーな故の悲しさか。フランスに行けば手に入ろうが、よし坊フランス語はペケ(X)である。いつの日か、DVD化されんことを唯唯願うのみの今日この頃である。