「国家の罠」以来、久しぶりに佐藤優の本を読んだ。この本には、ソ連が崩壊していく様がビビッドに映し出されている。そして、その生々しさは、やはり、佐藤優という、日本の外交官としては傑出したインテリジェンス能力を備えた外交官が、あの時あの場所に居たことによるものだったと思う。
この本を読んで、つくづく感じるのは、Intelligenceとは何か、国の外交とは何かを思い知らされる。佐藤優の対角に、「外交オンチ」の日本がある。ロシア首脳の北方領土視察計画を全く察知すら出来ず、発覚してから右往左往で、漸くロシア大使を更迭したのはかなり後のことであった。この体たらくは何だろう。日本の在外外交官は、一体仕事をしているのか、という事である。
日本の外交の相手は、突き詰めれば、今も昔も変わらない。中国、ロシア、そしてアメリカだ。外交相手とは、異種の仮想敵国であろう。その認識が無ければ外交なんか出来ゃしない。日本は戦後ボケが入ってしまって、アメリカを親戚だと思っている節がある。とんでもない話で、いつ敵に回るかも知れない、やはり「仮想敵国」なのである。ワシントンに於ける情報収集能力も格段に落ちているというし、今真っ盛りの中国外交は、見るも無残に腰が砕けているのは周知の事。
一体、現在世界中に散らばっている外交官の中で、インテリジェンスに優れたフィールド・エージェントと言える人材が何人居るのだろうか。この仕事には当然リスクが付き物だから、ある種の覚悟がいるはずだが、そこが大方欠落しているのだろう。
それにしても、日本の外交、特にロシア外交の観点から見て、佐藤優を失ったのは大きなロスなのだと思わざるを得ない。プーチンが復帰する今、またまた日本は翻弄されるのは間違いあるまい。
この本を読んで、つくづく感じるのは、Intelligenceとは何か、国の外交とは何かを思い知らされる。佐藤優の対角に、「外交オンチ」の日本がある。ロシア首脳の北方領土視察計画を全く察知すら出来ず、発覚してから右往左往で、漸くロシア大使を更迭したのはかなり後のことであった。この体たらくは何だろう。日本の在外外交官は、一体仕事をしているのか、という事である。
日本の外交の相手は、突き詰めれば、今も昔も変わらない。中国、ロシア、そしてアメリカだ。外交相手とは、異種の仮想敵国であろう。その認識が無ければ外交なんか出来ゃしない。日本は戦後ボケが入ってしまって、アメリカを親戚だと思っている節がある。とんでもない話で、いつ敵に回るかも知れない、やはり「仮想敵国」なのである。ワシントンに於ける情報収集能力も格段に落ちているというし、今真っ盛りの中国外交は、見るも無残に腰が砕けているのは周知の事。
一体、現在世界中に散らばっている外交官の中で、インテリジェンスに優れたフィールド・エージェントと言える人材が何人居るのだろうか。この仕事には当然リスクが付き物だから、ある種の覚悟がいるはずだが、そこが大方欠落しているのだろう。
それにしても、日本の外交、特にロシア外交の観点から見て、佐藤優を失ったのは大きなロスなのだと思わざるを得ない。プーチンが復帰する今、またまた日本は翻弄されるのは間違いあるまい。