よし坊のあっちこっち

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サッカーUSA (1) FIFAの苛立ち

2013年05月19日 | サッカー
サッカーと言えばどうしてもヨーロッパに目がいってしまう。それはやはり強豪ひしめく激戦区だからであろう。もちろん各国リーグには実力の差が少しづつあるが、それでもレベルは他地域より数段高く、リーグ戦のカップだけでなく、ヨーロッパリーグやチャンピオンズリーグでの戦いに目を奪われてしまう。スペインリーグではバルサの陰りとレアルの無冠、チャンピオンズリーグでのドイツ勢の決勝戦、イングランドリーグの弱体化等が話題となる。そして、MLSを離れたベッカムがパリのサンジェルマンに加入し、フランスリーグ悲願の優勝を機に現役引退を発表した。

1994年、アメリカはワールドカップの開催国となった。スポーツ大国であるアメリカでの開催は至極当然のように思えるが、ヨーロッパや中南米に比べると熱狂度はかなり落ちる。それでも2000年代にはMLS(メジャーリーグサッカー)を定着させ、更にベッカムを呼び入れることによって、その後続々とヨーロッパで活躍したビッグネームが馳せ参じた。アンリ、マルケスが続き、最近ではロビー・キーンとティム・ケーヒルだ。又、地元アメリカから欧州に武者修行に出る数も増えた。その主力はドイツリーグ、オランダリーグであるが、やはりその先鞭をつけたのは、イングランドプレミアリーグのフラム(日本ではしばしばフルハムと紹介される)でキャプテンまで務めたブライアン・マックブライドを忘れてはいけない。エバートンでキーパーの定位置を確保しているティム・ハワード、今季惜しくも5位につけたトットナム・ホットスパーのMFクリント・デンプシーはアメリカの牽引車の役割を負っている。

少しづつ支持層を増やしてきたアメリカだが、FIFAからみれば、その発展状況には大いに不満なのである。2013年の新しい年を迎える直前の12月に会長のブラッターはインタビューに答えてこう言った。「FIFAは94年のワールドカップ開催の条件に国内プロリーグ創設を上げ、96年には、MLSがスタートした。その後、再三にわたりリーグ開催期間3月ー10月を国際レベルの8月ー5月に変更するよう要請してきたが、今現在何も変わっていない。これでは成功しない」。そう、アメリカではリーグの開催期間が圧倒的に短いのである。FIFAはアメリカの実力が向上しないのはそこに一因があると見ているのだ。

FIFAから見れば、スポーツ大国の国で、大学前のユース・スポーツとしては圧倒的人気を誇るサッカーが何故定着しないのか。何故国際レベルのスケジュールに合わせようとしないのか、何故強くなりたいと思わないのか。FIFAの苛立ちは頂点に達しているように見える。