よし坊のあっちこっち

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根が深~いアメリカの人種問題

2014年08月22日 | アメリカ通信
約10日ほど前に起こった、セントルイス近郊の小さな町の事件が全米の注目を集めている。無防備の黒人の少年が警官に数発撃たれ死亡後数時間も路上にそのままで放置された事件である。その後騒乱となり鎮圧の為軍隊まで派遣された。発生以来、警察の発表とは別に、目撃者証言が飛び交い、一体何が起こったのかの情報が錯綜する中、混乱を極めている。そして昨日CNNが射殺直前のビデオを入手、全米に流し、漸くどのような状況で少年が撃たれたかが判明した。

人種差別が国の大きな問題であるアメリカではルールが何よりも尊重される。夫々の思い、偏見もルールを守ることでギリギリの我慢をしていると言ってもよい。しかし、そのルールが破られたと見るや、我慢をしてきた思いや偏見が一挙に頭をもたげ、相手への攻撃に転じる。

事件の起こったファーガソンという町は、全米でも屈指の白人黒人分断地区と言われている。セントルイス周辺の町はどこもその傾向が強い。夫々のコミュニティに分かれ、町の行政中枢は警察も含め白人が牛耳っているのが実情らしい。そのような白人優位の場所で何が起こるかは想像がつく。

もし、今回の少年が白人のチンピラだったら白人警官は武器も所持していない少年を撃っただろうか。答えはノーだ。黒人だからいとも簡単に撃たれてしまう。白人に対しては抑制力が働くが、黒人に対しては過剰なくらいアグレシブなアクションをとる。

射殺直前のビデオを観ると、二人の白人警官が銃を構え、黒人少年はあたかも「俺が何か悪いことをしているのか」とアピールしながら「撃てる物なら撃って見ろ」とでも言っているような仕草で2~3歩警官の方に歩き始めたところで射殺されている。

恐らく警察の規定では制止を聞かない場合は発砲してもよいはずだが、それでも無防備な少年に5~6発も銃弾を撃ち込むのは相当過剰な反能としか言い様が無い。やはり日頃から黒人憎しの思いが吹き出るのだろう。因みにこの少年は日頃から問題児であった。機会あらばと目をつけられていた、そういうことだろうと思う。

ルールで生き、ルールで死ぬ。