円月殺法、いわずと知れた、狂四郎の決め手だ。剣法としての型には、上段、中段、下段の構えがあるが、芝錬は、単なる下段の構えだけではなく、円を描かせて切る型を編み出した。雷蔵の狂四郎では、それが見事にビジュアル化されているから、面白い。今までの時代劇で、剣の型を一つの売りにした映画は無いのではないか。
一作目の円月殺法は、何の変哲も無く、凄さもワクワク感も無かったが、雷蔵はそれを変えた。下段の構えから、そのまま円を描くのではなく、いったん手首を返して一呼吸、円を描き始める。これで、円月殺法が、絵となり、相手が倒れるまでの一分足らず、観る者を釘付けにする。
円月殺法が、殺人剣ではなく、無益な殺生をしない防御の剣というのもいい。だから、相手が仕掛けてこなかったら、途中で、果し合いを止めることもあるわけで、勝負もつかない。ただ待てばよいから、どちらが有利かは歴然としている。
一作目の円月殺法は、何の変哲も無く、凄さもワクワク感も無かったが、雷蔵はそれを変えた。下段の構えから、そのまま円を描くのではなく、いったん手首を返して一呼吸、円を描き始める。これで、円月殺法が、絵となり、相手が倒れるまでの一分足らず、観る者を釘付けにする。
円月殺法が、殺人剣ではなく、無益な殺生をしない防御の剣というのもいい。だから、相手が仕掛けてこなかったら、途中で、果し合いを止めることもあるわけで、勝負もつかない。ただ待てばよいから、どちらが有利かは歴然としている。