ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

諏訪大社・カジノキの神事

2012年08月11日 | 日記

本殿前のカジノキ。神紋として植えられている。

カジノキの葉。桑と似ています。柔らかな細かい鋸歯があります。

諏訪大社に参詣しました。4社あるうちの、前宮、上社の2社。
欅、樅、杉等の大木に守られた社殿は、多分、往古からの雰囲気を残しているのだろう。空気が清澄だった。
小生、お賽銭もあげず、信仰心もないものだから、歓迎されざる訪問者に違いなかった。
ところで、この神社についてはほとんど知識がないのに、考えさせられることが2点あった。

1つ目は、梶の御紋のこと。
上社の境内の中央に梶の木が植えられ、この木の葉形が神紋となっています。
梶の木というと、名字に梶をつける人はたくさんいます。梶本、梶原、梶木、梶井などなど。しかし、私たちは梶という木にそれほどなじみがありません。
いったいどんな木なのだろうか。植物図鑑等を調べると、大木になるようで、桑の木の仲間らしい。実は食べられる。
こんな木が、なぜ神様と関連があるのだろうか。
梶の木についていろいろ調べると、麻やコーゾのように繊維から布を取るという。そして梶から取った布を「タエ」というそうだ。辞典によると〈栲〉と書く。言わずもかな、古代の織布シロタエのタエです。
前宮の現人神(大祝=男神)が地位に就くときに、梶の文様のついた袴を与えられたとされています。こうした由緒があるわけです。諏訪神社の元は、出雲の大国主命とされていますから、畿内の大和に対して、日本海文化ですね。さらにたどると、このタエは日本独自のものではなく、南方ポリネシア群島では、タパといわれ、ごく普通の衣類だそうです。

特異な神社とされる諏訪も、古い時代からの複合であることがよくわかります。

これは、諏訪大社前宮の賽銭箱。真ん中に神紋のカジの文様が浮き彫りにされています。この神紋を支えるプレートは、踊りくねるような勇ましい木目を見せる欅の一枚板。また周囲の枠木はいずれも柾目の檜で、すべて白木です。手入れがよくないのか、全体にくすんでいて、左下は鉄の支えの応急処置が施されています。そしてさらに肝心な神紋は、丸い枠が折れ落ちて放置されていています。前宮は廃れているのです。

【御柱について】

2つは御柱のこと。参詣前は御柱とは1本だと思っていたのだが、これが社を囲む四方、つまり4本もありました。びっくりです。

1本だと神の依り代という意味かと思われたのだが(そういう解釈が多いと思う)、4本だと明らかに違います。
4本ということは、四囲を囲うという意味ですから、これが神域であり、この範囲が神様の住まいだということに
なります。この柱を住民総出で町内引き回すわけですから、住民が神様の住まいを造ってあげると言うことなのではないでしょうか。
ここの神様は、大国主命(出雲の神様)を元にしていまして、系図からして、一地域に不動な神様ではなく、かなり移動性の強い神様です。
そこで、御柱を建てて、この諏訪地方に神様を封じ込めるという意味があったのではないだろうか。 

正誤は別にして、こんなことを思った次第です。【彬】 

 

 

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