ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

クマゼミ北上中

2012年08月04日 | 日記

フウの木の間からクマゼミの鳴き声が聞こえるが葉が陰となって見えない。

 

 8月2日、入院リハビリ中の友人を見舞うために博多→飯塚に行く。福岡県飯塚市に「総合せき損センター」という、脊椎損傷者のための専門病院があるのです。重傷だった友人は幸い経過が良好で、終日リハビリに励んでいて、安心。

 帰路、小倉に立ち寄って、ふと昔のことを思い出した。

 いつだったか、夏、静岡に出向いた際、強い日差しとともにジャンジャンと、聞き慣れないうるさいほどのセミの鳴き声に迎えられたことがあったのだ。ああ、これがクマゼミかと、当時はその本体を確認できずに今に至っていた。

 良い機会だからあのクマゼミを確認しようと、小倉城に出向くことにした。小倉城は瀟洒な構えをした立派なお城で、その場内の木立に、何匹かのクマゼミを確認した。しかし、アブラゼミ等と違って臆病なのか、木のテッペン近くにへばりついていて細部まで確認できない。カメラを望遠にしてみても、逆光で巧く撮れない。首も痛くなる。諦めて路上に出て、帰路につくと、もうシーズンが終わりのせいか、半ば死にかけた一匹を拾うことができた。幸運だった。

  図鑑で確かめるとクマゼミの特徴は、大きいこと、黒いこと、シャワシャワと鳴くこと等が記されている。しかし、私が拾ったクマゼミは、確かに大きいが、体色は黒くなかった。ミンミンゼミに近い色で、翅が薄緑、全体がスラッとした姿だった。木に止っているクマゼミも同様だった。これはどういうことなのだろう。

  クマゼミは関東以北には生存していない。だから名前を知っていても小生のように本体を知っている人は少ないのだ。

 ところが近年、横浜で鳴き声を聞いたとか、浦和近辺で確認したとか、の報告があるらしい。その原因として、温暖化で関東以北がが暑くなったからだろうとの指摘がある。確かに暑い。体感的には、東京は福岡より暑いような気がする。ビル熱や風の向きにもよるのだろう。しかし、セミは移動性の力が弱い昆虫であるから、暑くなったからといって簡単に移動するものではあるまい。だから、公園樹や街路樹を移植する際に、幼虫も移動したのではないか、といった説も出ているようだ。確かにここ数年、シマトネリコ、クロガネモチなど、南の方の暑さに強い木が人気で、各所に植えられている。うなずける理屈ではある。

 まあ、原因はともあれクマゼミは北上中で、東京でも盛んな鳴き声を聞く日々がやってくることは間違いがない。【彬】

 
コメント (1)
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