今回は茨城県の県民性について。
12年も前のことだが、東京から茨城に住まいを移し、習慣の違いを感じながら、茨城県人の県民性をかいまみるようなことがあった。きっかけは運転マナー。私は、車の運転は茨城に来てから始めたのだが、車のスピードの速さに驚いた。茨城県は交通事故の高いので有名。
少々不安に思い、車を買うとき販売店の社長に「なぜ茨城は交通事故が多いのか?」と尋ねた。すると「普段あんなにおとなしいのにハンドルを握ると人が変る。空っ風にさらされて育った、北茨城人の性格があるんじゃないかな」という応えであった。
当時、茨城県警が改善したい運転マナーとして、
①右左折時、進路変更時に合図を出すのが遅い……曲がりながら出すこともある。
②黄色信号でアクセルを踏む……止まると追突される。早く通過したい。
③信号のない横断歩道で歩行者が待っていても止まらない……車優先と思っている。
の3つを挙げている。
はて、県民性がその底にあるのだろうか?
水戸のある郷土史研究家は茨城の県民性を「単純素朴、利に疎く勇敢。そして、ひとりよがり」と表現した。
想像するに、幕末の「桜田門外の変」に多くの水戸脱藩浪士が係わったことからこうした見方がされるようになったのであろうか。すると、目的を早く達成せんがため、まっすぐ前に向かい突っ走るという姿が浮かび上がる。
3年ほどまえ、茨城県が協力して制作した映画「桜田門外ノ変」を見ても、そうかなと思う。
先日、3月30日、水戸市千波湖畔に作られた映画のオープンセットの一般公開が終了するという直前、せっかくだからと見学にいった。その時、茨城の県民性を観察していた頃のことを思い出していた。
それなのになんと、帰りの私の運転する車は制限速度を超えていた。私も、茨城育ちのドライバーだと、苦笑した次第。
今回の記事、茨城県人にはご容赦のほどを。絵は「桜田門外ノ変」オープンセット。4月5日 岩下賢治