ダリア
民主主義国家が理想としてきた福祉国家を代表する国家、例えばフィンランド、デンマークなどが赤字をかかえて呻吟しているようだ。負担と享受の関係にアンバランスが生じているのである。原因は少子高齢化だとされている。老人の死亡年齢が上がって、福祉を享受する人が増えているのに、これからの時代を担い、支える青年や子供の数が減っているのだ。
日本の社会保障制度も同様の問題をかかえている。今回の総選挙でも健康保険および年金会計の大赤字が最大の課題であったはずなのに、問題があやむやにされ、逆に減税が先走った。
難しい問題である。世界中の誰もが解決案を出すことができずにいる。女性に金銭補助し、出産を促すなど愚の骨頂である。
私自身、後期高齢者で享受する側にいるのだが、どうにか健康を維持し、ささやかな仕事にたずさわっているので、福祉制度の恩恵に直接触れ合う機会はないが、思うところを言ってみたい。
①生産人口の減少はロボットで
失業率はさがり、人手不足が問題とされている。確かに街のコンビニの店員はほとんどが外国人である。土木の現場なども外国人が多いと聞く。
しかし、今後は生産現場での人手は全てロボットが代替するようになるはずだ。ここで問題となるのは、ロボットの生産力を経済上の問題としてどう算出するかということ。昔風に言うなら、ロボットそのものを制作した費用が生産性に組み込まれると考えられる。普通の機械化と同じである。でもロボットの場合はそれでいいのだろうか。ロボットの生産力は、人間の労働と同じように付加価値を生み出すはずだ。だから給与を与えられるべきで、そして生産現場に投入する。ロボットを人口の一人としてみなし、結果として納税を義務づける。
福祉制度の赤字はロボットの生産性で賄う。
②老人医療を一元化すること
赤字は医療費が大きい。医療費は今は部門別になっていて、例えば歯科、内科、外科などと分科されている。しかし高齢者(例えば’70歳以上)の場合は、これを一元化してすべて老人科が引け受ける。これによって高齢者への無駄な重複診療と過剰な医薬品投与がへるはずだ。
老人科はまず看護婦などが第一次的に面接し、対応する。
③老人の職場を増やす
定年という分類を捨て、老人用の職場を作る。例えば環境(公園や道路など)美化、教育施設(学校や保育園)の補助活動、公共機関(図書館や運動場、役所や医療機関)の運営援助などを職業化する。今、これらは老人クラブのボランティアとして機能している側面があるが、これを正式の職業とみとめるのである。
④老人の職業を生産力で評価しない
生産性の向上はロボット社会で追求すればいい。老人の職業は協調性や皆勤性で評価すべきで、年取ったからといって職場から離脱しないようにすることで、健康の維持=医療費の削減がはかられ、補助を受ける生活からの脱却がみこめる。
などと考えた次第。
もっと根本的には、国家の仕組みとしての福祉社会を、社会・経済・思想を含め科学的に追求することである。【彬】
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