ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

移植した紅梅

2016年02月19日 | 日記

      

 ボランティアで手伝いをしている公共の施設で、害虫に蝕ばまわれほとんど枯れかかっていた紅梅があった。大きなヒマラヤスギの下の、日当たりのよくない場所に植えられていたのだった。誰が植えたのか。おせっかいとは思いながらも、掘り起こし移植した。病気のところは大胆に切り取った。3年経った。今年は新芽も出て、嬉しいことに鮮やかな花を咲かせるまでになった。

 年をとると植物に愛着が湧くようになる。路傍の草花や樹木に関心を寄せるようになるのだが、なぜなのか、その理由は自身でもよくわからない。

 植物学者で探検家の故中尾佐助さんによると、奈良・平安期には中国の影響を受けたが、日本は、江戸期には世界でトップになる花卉(かき)文化が育ったとされる。西洋からやってきた外交官や宣教師たちが日本の農家の庭先で花や樹木が愛でられている情景に感嘆した様子がレポートされているのは、東洋文庫などで、朧げながら読んだ記憶がある。

 先祖帰り(古典に帰る)というのは、思想の型の一つだが、植物に関心を寄せるようになるのは、日本人としてまんざらではないのではあろう。

 参考までに梅は中国が原産、奈良期に伝わった花である。【彬】

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