先日、自分の所属する歴史探訪同好会のメンバーと、東京都日野市の歴史を巡る旅に参加した。テーマは、「日野用水と日野宿界隈探索」。
僕は、日野市の生まれで、大学を出て就職ししばらくの間まで、ここで暮らしていた。今回の旅のコースは、実家の周辺を巡るもので、なにをいまさらとも思ったが、改めて歴史を勉強しようと考えた。案内は、日野市郷土資料館の学芸員。じつに、丁寧でわかりやすい説明であった。
日野の稲作を支えた用水路を見る。昔、日野は多摩地区一番のコメ生産地であった。水路は現在もほとんどが建設当時の姿を残している。市役所には水路を管理する専門部署がある。
神社、仏閣を訪れたのち、日野宿本陣へ。
日野は、甲州街道の宿場町として栄えたが、現在、日野宿本陣が、江戸時代に建築されたまま現存し市が管理し一般公開されている。東京で本陣が残されているのはここだけである。本陣とは大名や旗本の宿泊を指定された家のこと。僕の子供の頃、この屋敷は普通の住居であり、同級生が住んでいた。その頃を思い出すと懐かしさを超えるもがある。
さて日野といえば、新選組となる。副長土方歳三、六番隊組長井上源三郎は日野の生まれで、井上の生家は僕の実家のすぐ近く。それぞれ、生家は資料館となっている。
日野の生まれで日野の育ちの自分であるが、学芸員の話しは、石器時代から始まり、住居の遺跡、稲作の方法の変化、神社や町の中心地の変遷、など、今まで知らないことばかり。
今改めて思うのは、
① 世の中を考える時に、先ず、己を、己の周りの歴史をよく知ることだ。
② 素晴らしい知恵は、歴史の中に潜んでいるかもしれない。
昔の住居跡は、川から離れた高い位置にあった。川の氾濫からのがれるためか。台風19号を経験したあと気が付いた、と学芸員はいう。
③ 僕は、今、小金井市に住んでいる。図書館で、郷土史の資料を借りて勉強しようか。
新しいものが見つかるかもしれない。
絵は、日野宿本陣。
2019年11月21日 岩下賢治