エノコログサ(通常、猫じゃらし)
オリンピックの開催方法を巡ってあれやこれや取り沙汰されている。各種メディアは世論調査の方法を使ってそれらの賛否を問うている。騒々しいにも程がある。
今議論になっているのは、オリンピックを無観客でやるかどうか、そしてアルコール類の販売である。
オリンピックは、人間の能力がどこまで高まるのか、その体現者であるアスリートを称賛するためのイベントであって、だから8万人の観衆を収容する巨大な競技場が建設されたのである。無観客という選択はあり得ない。コロナの感染が心配だというが、現在行われている各種スポーツ会場で感染が広がったことがあるのか。観客の中でクラスターが発生した試しがあるのか。人流がなんとか、感染学者が言っているが、人の流れが多くなって感染が広がったことがあるのか。人流だけなら通勤電車が最も危ない。
また、感染者についても、東京だと前週比50人増えたとかリバウンドだとか騒がしいが、公表されているNHKの統計では、人口10万人あたり1〜2人程度の感染者である。東京都は1400万人の人口だから、200人とか300人となる。十分な対策は大事だろうが、その過剰さが何を犠牲にしているか、よくよく考えて欲しい。
一方で、競技場内でアルコール類の販売を禁止するという。
スポーツを観戦しお酒を飲むという慣習は、野球くらいだ。このスポーツは間があるのでビールなど売りにくるが、通常のスポーツ観戦では高揚し、アルコールなど飲んでいる暇などないし、そうした行為が競技者に対する、どんなに無礼なことになるのか。観戦しながらお酒を飲みたいという人は、スポーツを見世物だと思っている人に違いない。禁止とか以前のマナーの問題である。
イギリスのサッカー観戦で多くの感染者を出したと伝えられているが、映像を見るとさもありなむで、ビールを飲みながらはしゃぎ回っている。彼の国のサッカーはスポーツとしてのサッカーとは違う意味があるのだ。
観戦が終わってから試合を振り返り、競技場を離れて大いに楽しむがいい。
橋本聖子組織委員長はもとは著名なアスリートなのであるから、その辺の制御は心得ているはずだ。遠慮する必要はない。
オリンピックは、セレモニーに終らず、アスリートを称賛する場でありたいものだ。【彬】