暑さを凌ぐには小声で
連日の暑さ、まさに炎暑。
古来より、暑さを凌ぐ方法が地方によっていろいろ工夫されてきた。例えば、打ち水とか、行水とか。私の故郷では昼寝というのがあった。風通しの良い木陰でムシロを敷き、昼寝をするのである。今では想像しにくい。セミの泣き声にハーモニーして静かにしているのである。
でも、いつの頃からか、夏の快活さがもてはやされるようになった。若者たちの露出、薄着が夏の風物となるのである。
しかし、歳をとってくると昔が忍ばれる。
例えばである。
静けさや岩に滲み入るセミの声
芭蕉は最上川、立石寺の辺りでじっと暑さを凌いだのだろう。歳とって納得できる句である。
コロナの感染源は飛沫である。大声ではしゃぐ時、最も飛沫が飛ぶ。若者の感染者が多いのは、夏こそ青春とばかりはしゃぎ、飛沫を飛ばすからだ。ウイルスはマスクをなんなく通過する。マスクをつけることより、静かにして暑さを凌ぐことが最強のウイルス対策である。
ならば、オリンピックが終わる頃には、感染も治るだろうなどと思う今日。【彬】