東京オリンピックが終了した。そこで、大いに驚き、そして、共感を得た。
今回の参加は、国連加盟国数193を超える205の国と地域、そして難民選手団。参加人数1万1千人以上。世界全体が、縮図のように東京に集まった。オリンピックだから出来ることだろう。
自国開催ということもあり、普段特に関心もなく見ることもない競技もテレビを通し観戦した。アスリートたちのパフォーマンスは、僕のような凡人には、想像を超えるもので、ただ、驚愕し、観ているだけ。自分とスリートは別の世界にいる・・・のだ。
競技後、アスリートのインタビューを聞けることがある。そのとき、競技に備えるための、苦労と喜び、悔いること、などが語られ、生身の人間の部分が見えることがある。するとようやく共感し、改めて、その競技がいいものだと思う。
さて、マラソン。コースは、札幌市内。
僕は、随分前だが、同じく札幌市内を走る、夏の「北海道マラソン」に毎年9回ほど出たことがある。エリートランナーのレースと、僕のような市民ランナーの走りとは全く別のものなのだが、同じ札幌を走るということで、勝手に共感のようなものを感じてしまう。テレビを見ながら、自分が走っている気持ちでコースを追う。
だが、この暑さ。気温30度、湿度70%以上。これは、最悪。
自分はスタート時12時、30度、60%を体験した。その日の日記には、「スタートに立つ。それにしても今日は暑い。常識的には走る気候ではない。我々は普通ではない。」とある。暑さ対策に苦悩する選手を応援しながらも、僕自身、暑さの苦痛を思い出していた。
オリンピックは終了した。つぎは、パラリンピック。
人は言う、オリンピックの目的は「協調と平和」だ、と。僕も共感する。
2021年8月10日 岩下賢治