クチナシの花
最近、記憶力が低下したのか、言葉が思い出せず困ることが多い。知り合いの名前、草や木の名前、土地の名前、書物や作者の名前、その他諸々。
これは歳を取ると避けられないことなのだろうか。せっかく親しく話しているのに、その相手の名前が思い出せない、などと恐るべきことが何度もある。顔やかつての出来事は覚えているのだが、肝心の名前が出てこないのだ。
また話が盛り上がっているときに、引き合いに出す映画や本の名前、作家名などが出てこなくて、「あの〜、なんだっけ、あの〜、ほらあれだよあれ、、、」などと話を折ることもしばしば。
草や樹木の名前もそうだ。辞書やパンフレットを片手にやっと覚えたはずの名前なのに、散歩中に出会う雑草の名前を思い出せない。本当にイライラする。
モノとコトバの対応が頭の中で、ぐらついているためなのだろうか。
同じことなのか、最近、小説やドラマの筋を追うことが、面倒くさくなった。というより、筋書に異論を挟みたくなり、素直に読み取れなくなったのである。
これを年寄りの冷や水というのだろうか。【彬】