7月に入り、体力もすっかり回復した。
ウオーキング練習の日。コースを小金井公園のなかにとった。大きな困難を克服し落ち着くと、改めて身近なものをじっくり見てみたくなるものなのだろう。この日は、普段あまり訪れたことのないところを歩くことにした。
① 公園内に、私有地の農地が点在している僕の好きな場所がある。作業している農家の人が見える。国木田独歩の「武蔵野」の世界だ。自然と生活がうまく溶け合っている。
② 公園の北側は、ゴルフ場、小金井カントリー倶楽部に接している。その境はまっすぐ1kmほどのいい感じの歩道が伸びている。ここを歩くのは初めて。右側に、美しいコースを眺めながら歩く。思い出すのは、高校2年生の夏休みのこと。僕は、アルバイトでこのゴルフ場でキャディーをやっていたなー。あまりにも暑いのですぐにやめてしまったが。・・・・その後、バブルの時代、会員権が1億円となったのには驚いたものだ。
③ 久しぶりに、園内の「江戸東京建物園」に入ってみる。コロナで暫く閉園していたがこの日から再開だという。古い建物の見学をどれだけ楽しめるかは、いかに、自分をその時代に生きた人として想像、体現できるかだ。
・・・・三井八郎右衛門邸。現在では想像できないほどの豪邸の一部を移設。自分が、当主になったつもりになる。が、このような豪邸でも、階段の幅の狭いのには驚く。昔の建物の階段はみなそうなのだが、歩くのに注意が必要。
・・・・万徳旅館。時代劇で見る、いわゆる旅籠。旅人が草鞋を脱ぐ姿が、活き活きと目に浮かぶ。
公園からの帰路、降る雨であったが、満たされた気分で傘をささずに歩いた。
絵は建物園内の「デ・ラランデ邸」1910年に建築、その後、増築された。
2022年7月12日 岩下賢治