ヤマユリ
他国を侵略することは犯罪である。武力で相手方の国民を殺害し、その国の権益や財産を丸ごと収奪すること、全く許されることではない犯罪である。ところが、これを国家という名のもとで行うと、たとえ公然と大規模に相手を陵辱していても、これを直接罰することができないのが現状である。これを実際に行っていても、周囲はただ手をこまねいて、情勢を見守るという状況が現に生じている。
もちろんロシアのプーチンのことを言っている。個人では許されないことを、国家、それも強大国が行えば、認められるのだろうか。この現在進行中の悪事の前にして、何も手出しできないもどかしさに私たちの頭は混乱している。
なぜ手出しができないのか、と言えば、それは強大な武力を持っているからである。あるいは他国に対しては介入をしないという、内政不干渉の原則があるからなのか。
争いのない平和、人権が保障されるのが現代社会の普遍的な価値だと口先ではいうものの、現実には武力による支配と強圧を認めないわけにはいかないのか。国家という不可解なものに為政者が隠れ、その権力者として勝手な振る舞いをすること、特にロシアで赤裸々になっている。
プーチンは裁かれるべきだ。
もし、このことが実行できなければ、人間社会のあらゆる有徳、生活のあるべき理念は崩壊する。 NATOを含め、国際社会は、現在の国際司法裁判所を一歩先に進め、新たな裁判所を設置して、公然と公判に付すべきだ。被告人不在でも良いから。
かつて私達日本は東京裁判という裁判にかけられた。ドイツはニュルンベルグ裁判にかけられた。敗戦国だったからである。その中で戦後の様々な人権制度ができあがってきた。こうした裁判は戦勝国でしか行えないのだろうか。
そもそも国連こそ、その役割を果たすように組織されたはずであった。今でもその役割を果たすことができるはずである。その裁判、実質的に無為無能であっても、形式的でもいいから裁判として実現すべきである。それが次世代に繋がっていくのだと思う。【彬】