紫陽花
久しぶりに新宿に出かけた。西口のヨドバシに買い物に行ったのである。丸の内線から西口に出るとなんと爆撃にあったような様変わり。小田急デパートがまるっきり姿を消して、シートで覆われている。その先にはJRの駅ビル・ルミネが見える。線路を越した向かい側である。そして反対側の西口にあった住友や各種のビルが、これまた解体され跡形なく無くなっている。
この後、どんな町に様変わりしていくものやら。青写真があるのだったら、とうに発表されているだろうが、いずれも民間企業なので、この先どうなるか想像することもできない。
東京の都市は変わっていく。発端は渋谷駅の改造だったろうか。あるいは品川の汐留区域だったろうか。いやいや東京駅の八重洲側だったのか。東京駅の丸の内改造だったかもしれない。
とにかく東京は改造の真っ最中。ニューヨークやパリ、ロンドンなど大型のメガロポリスの改造は聞いたこともないが、東京は異常だ。何の、どのような需要があって街が変わるのか。
私たちの青春時代は消費社会の円熟と共に、パラレルに東京が発展してきた。その象徴がデパートと都市交通だったかもしれない。西武鉄道がプロ野球のオーナーになって、デパートと消費文化とが、一体となって発展していったことを思えば想像がつく。
その後の都市の在り方を今、未来の文化として模索しているのだろう。
ファッションから飲食、各種娯楽、私たち老人からは全く異質のものになりつつある。時代の変化といえばそれまでだが、大きな文明の境目に至っていることは、確かなようにも思える。【彬】