ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

トランプ大統領の指摘と通貨の問題

2017年02月06日 | 日記

  愛用のバカラ

 トランプ大統領は就任早々、日本と中国は為替管理をしていると警告した。が、中国はとにかく、日本は為替管理をしているという事実はない。トランプさんは事実でないことに何を喚いているのかと、メディア関係者らがいぶかった。

 しかし、冷静に見ると、日本は為替管理に相当する金融政策を行っていて、日銀による預託貸出金利のゼロ・パーセント化を始め、国債の大量買いによって、市場に流動性をじゃぶじゃぶと流し、対ドル相場を90円台から110円台まで押し下げ、結果的に為替管理に相当する施策をしてきたのである。トランプさんはソフィストケートされた政治経済用語を使わないから誤解されやすいが、彼の言っているところはちゃんと理解すべきだ。

 ところで、世界経済の将来を展望する時、アメリカ大陸からアジア、アフリカ、ヨーロッパと、世界中を飲み込んだ共通通貨をどうするのか、と言う問題がこれからの最大の課題になってくる。戦後、金本位制の廃止からはじまった金融改革は、当初は圧倒的なドルによって安定した運用が進んだようにみえるが、日本を始め新興国の発展に伴って、ドル支配がゆらぎ、結果としてドルの切り下げ、そして市場に任せるという為替制度ができた。さらにその後、円、元、ユーロなどが、世界市場でのシェアを伸ばすに従い、世界経済の低迷を背景とする通貨改革の問題が課題となってきているのである。トランプさんの苛立ちは世界通貨のあり方の矛盾に対するもので、経済の専門家がこの問題に触れないのが、私には不可解だ。

 現在、ヨーロッパでは、イギリスのEUからの離脱など、世界の統一に向かうべき筋道が、国家という厚い壁にぶつかってニッチもサッチもいかなくなっている。トランプさんの言動はそうした事態への後ろ向きの発言、いわば反動だが、といって我々に未来に突き抜ける指針はなにもない。ただ、ポリティカル・コレクトなどと喚いているにすぎない。

 世界通貨はいずれ一本化せざるをえないはずで、その場合、ビットコインなど、仮想通貨が想定されよう。ビットコインについては野口悠紀雄さんが積極的に発言していることを喚起したい。【彬】

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