ゆきたんくの趣味の一つ、楽器演奏で一番の影響を受けたのがマイク・オールドフィールドである。日本での知名度はいま一つであるが、映画エクソシスト(1974)のテーマは聴いたことがあるだろう。その作曲者である。 そしてゆきたんくも、その曲(正式名称はチューブラーベルズ)からマイクにのめりこんでいったのである。映画のテーマでは5分くらいの曲であるが、実際にはA面25分、B面23分(当時のLPレコード)の大作である。 内気な高校生くらいのマイクが、こつこつとデモテープを録りため、たくさんのレコード会社に送ったが相手にされず、このまま消えていくはずだった。 今でこそ高名なヴァージングループ(イギリスの大企業)の会長であるリチャード・ブランソンがレコード通販の小さなショップから会社を立ち上げようとしていた時にマイクのデモテープに興味を持ち、契約アーティスト第1号として、オックスフォードの近郊のマナーハウスを改造したスタジオで録音を始めたのである。
旧マナースタジオ 1995年まで
現在はアパートメントのようだ
Shipton on cherwell Oxford
その時の手法が現在のハードディスクレコーディングの元になったといっても過言ではない。 テープレコーダは、普通は音を重ねて録音することはできない。録音ヘッドのほかに消去ヘッドがあるからだ。マイクは、その消去ヘッドを小さな紙でカバーをして音を重ね録りする方法を身につけていたのである。それで何種類もの楽器を操りチューブラーベルズを完成させたのだ。 そのチューブラーベルズはイギリスで1位になり、アメリカの映画監督のウィリアム・フリードキンがそれを聴き、自分の映画に使ったのだそうだ。一般的にエクソシストは、オカルト映画という評価を受けているが、実際には人間愛を描いた作品である。カトリックのクリスチャンが見るのと日本人が見るのとでは捉え方が違うようだ。現在繁華街に行くと見ることができるヴァージンメガストアはこのチューブラベルズの成功がなければ存在していないはずである。 さて趣味の話に戻そう。ゆきたんくはチューブラーベルズを聴いたために、B面にあったマンドリンによる美しいメロディーを弾きたくて弾きたくて、一番最初に手にした弦楽器がマンドリンである。 また、多重録音も自分でやってみた。最初はマルチトラックレコーダーを使っていたが、今ではハードディスクレコーディングをしている。弾ける楽器も一般の方たちよりも数が多いかもしれない。
マイクの1980年の作品、タウラス1を多重録音しましたので、良かったら聴いてください。主旋律はマンドリンです。9つ音を重ねました。
上写真は1992年、スコットランドのミリタリー・タトゥーでチュブラーベルズ2を演奏するマイク・オールドフィールド