太陽の輝く青空に、工場の煙突のシルエットが不自然である。
ここはかつて銅の生産量の日本で4番目の産出を誇る、栃木県は足尾銅山近くにある本山精錬場である。もう今は稼動していない。そして廃墟化している。
北から
職場の仕事の関係で、この川沿いの施設の上流にある銅(あかがね)親水公園に取材に出かけた帰りに、車を止めて撮影したものである。
親水公園に向かって車を走らせている時に、最初に目に飛び込んできたのは、巨大な煙突であった。そしてその周囲に施設のようなものがあることにも気づいていたので帰りの取材が楽しみになった。また、そこが現在は稼動してないことも知らないゆきたんくであった。
北東から
豪快な音がしたが、煙突の右下の崖から排水されている。まるでまだ、ここが生きているかのような錯覚を起こさせるのに十分なものであった。
東から
中央の白い建物に、足尾精錬の文字を見て取れる。まだ自分が稼動しているかを主張しているように。
現在の「わたらせ渓谷鉄道」の終点は間道(まとう)駅が終点である。
線路はその先にも伸びていて、現古河鉱業の再び開くことのないこの扉の前で本当の終点となる。もうここを走る列車はない。しかし、地図上にも旧精錬所の名前で乗っているし、近くには鉱山への抗入り口がたくさんあいている。
かつて鉱毒事件に悩みながらも、潤った足尾の町。今の姿とどちらが良いのだろうか。