のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
いろいろ、と。
のんびりと。

「魍魎の匣」

2009年08月15日 09時25分50秒 | ☆本☆
京極 夏彦 著 講談社文庫。

もちろん、1冊のほう。
厚いよ~
ちょっとやばいです。
この厚みに心底闘争心を燃やされて、絶対しっかり読んでやる~な状態に陥ってしまいそう。。。。
ってことで、次ぎもしっかり購入済み・・・


薄暗い黄昏時の汽車の座席での場面から始まる。
始まって、そしてそこが帰着点。
魍魎って何だろう?
京極堂さんですら怖れる、そのあやふやなもの。
どこで生まれてどこにあってどういうふうに影響するのか。
それが、一人ひとりで全く違う。

魍魎って何だろう?

その「あやふやさ」が恐怖を呼ぶし興味もそそられる。
でも、そこに踏み込んじゃダメダって、どこか心の中にとても強い警告がある。

厚いだけじゃない(当たり前!)
その、中身がとにかく分厚くてミステリーとしては判っても
底の知れない別の中身があって惑わされる。

・・・・・・・

榎木津さん。
おもしろかったー。そしてとても魅力的だったー。
訳のわからない人だけど、重苦しいお話の中で本気で笑って本気で生きてる。
榎さんが一番「魍魎」から遠い立ち居地だね。
多分何があっても巻き込まれない強さをもっている。
訳のわからない人だけど~(笑)
木場さんは、今回苦しくて不器用さがものすごく表に出ていてものすごくもどかしい。
青木刑事なんて、ふっとK史くんを思い起こし・・・(マテ!/爆)
関口は相変わらず・・・
でもそのラストの危なっかしい行動に、どこか自分もあるよそんな気持ちって思ってた。
「匣の中を見てみたい・・・・」そう、あの場面で思わない人、いる?
第一作「姑獲鳥の夏」よりもそれぞれの特徴が掘り下げられてて広がっていて、
ミステリー自体ももちろん牽引力だけど、私にはこの登場人物たちの「ひととなり」がものすごく魅力があって興味深い。
作品が進むにつれてもっとはっちゃけてくるよ、ってことなので、、

すっかり京極マジックにハマって、
抜けられなくなった、かも。

止められません。

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