のんびりぽつぽつ

日常のこと、本のこと、大好きなこと・・・
いろいろ、と。
のんびりと。

「ドリアン・グレイの肖像」 観劇4回目・その2

2009年08月30日 23時14分23秒 | 山本耕史さん
実は今日の座席。
当日券は1.2階席なら後ろか端っこの補助席。もしくは3階席と言われてました。
(私の中に3階席はありません。補助席でも1階!って思ってました。)
ところが。
当日券を買おうと1時に劇場に行きましたら、
心やさしい方に声をかけていただいて、、
行かれなくなった友人さんのチケット、というのを譲っていただけました。
何と、今までで一番舞台に近い席!
(ほんとうにありがとうございました!!)

その席は。
お酒がいつも置いてある、つまりは下手が近い席でした。

1幕のバジルとのシーン。
ドリアンがワインを無闇に飲むために手酌するのが目の前に展開して、
その苛立ちや苦しさまで強烈に伝わって、
だから
彼の「揺れ」も思いっきり感じられたのかもしれません。

オペラグラス経由では判らない、全体の雰囲気。。。
バジルは怒り、ドリアンはいらつく。。


舞台って、難しいですね。そしてとてもおもしろい。
座席の場所によって、まったく印象が変わるときがある。
今回、3回は下手側。そして残り1回が上手側の2階席でしたが。
出来れば上手側の1階席でもう一回・・・・観た・・・・・かった。

はい。もう、無理です。チャンスはもう1回(って明日の千秋楽!!)
・・・あるけど無理です。
いくらなんでも叱られます・・・・。

そして、思いました。
この舞台がそもそも観劇デビューな私のいう事だから
あきれ~~~られちゃうかも、って思いつつ。
正直な今の気持ち。

この、「ドリアン・グレイの肖像」って作品。
もう少し、舞台と客席が近い小ぶりな劇場でやったらどうだろう?
と。
役者さんたちの息遣い。
表情や小さな繊細な動きが、もちろんオペラグラスを通せば見えますが、
1階の後ろや2階席では感じられても観えない。。
それが、すごくもったいない。
元々が、そういう精神面での「揺れ」や「葛藤」が多々ある作品だし、
なんていうか、一点限定でみるオペラグラスでは私には掴みきれないものがありました。
もっと、舞台全体のなかの彼の、相手との空気感から現れる表情の微妙な変化や仕草の強弱、繊細な様々を感じたかった。

変、かな。

中心はもちろんドリアン。
でも、その周りにいるヘンリー卿やバジルやシビル、ヘッティ、アラン・・・も
ちゃんと視野に入れておきたいんです。
山本耕史という俳優にほれ込んで、だからこんなに行動できた舞台です。
でも、他の人たちの演技も本当に細かく動いていて感じたい。
耕史くんだけの1人芝居ではないんだもん。
(いや、たとえ1人芝居でもセットの中の彼、として捉えたいだろう、な)

そんな訳で、
裸眼で見られる劇場でまたやってくれないかなあ。
と思ってしまったのでした。

そうすると、あの2階建てシンプルセットではできないか・・・な。
見上げちゃうもんね。
あのセットがクルクル廻るのがまた、とても不安で落ち着かない雰囲気で
シンプルなのにそれぞれの場面展開もバッチリできていて
すごいなあ~と感動したんでした。初日に。

以上、非常に我儘勝手な超初心者の気持ち・・ですか、、、(たはは・・・)


なんにしても。
とにもかくにもこの作品。
行けば行くほど惹き込まれて、
行けば行くほど味があって、
それぞれの人々の生き様に引き込まれて、
そして、ドリアン・グレイに苦しめられました(笑)

贔屓の役者さんが「超・悪役」っていうのは、それだけで疲れますねぇ。
彼に同調できない苦しさも実は同時に味わいましたよ。
ドリアン・グレイって人を好きになれない~~~って・・・(苦笑)。
基本大好きなのに好きになれないんだから、苦しいよ。これは。。
それも単純な悪役じゃなくて非常に苦しむ生身の人間だからほんとうに観ていて息が詰まる・・・・
それだけ彼がドリアンだった、ってことなんですから賞賛しなくちゃなんですが・・・

なんにしてもこの1週間。
私の夏休みイベントの1週間。
濃すぎて現実に戻ってこられないほど、存分に味わわせてもらいました。
そして、

更に山本耕史って役者に惚れました、よ。(ホットイテ~~)

はぁぁ。
夏が、終わりました・・・・
これからどうしよ。私・・・・(爆)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ドリアン・グレイの肖像」 観劇4回目・その1

2009年08月30日 22時21分58秒 | 山本耕史さん
そこの人!(って誰??)
「えっ??」って言わないで、ね。
「えええええ~~~~っ???」って思ってますから、私が・・・・(爆)

ええ。そうです。
今日は「前楽」といわれる日です。
そして、観劇のプロ(笑)なお友達から、
「もし、観られるなら前楽を選びなさいな」って言われていた、その日、です。
チケットなんて持ってません。
無理だと思っていたから買いませんでした。
昨日のチケット購入時も散々迷ったけど3階席は遠すぎるって思ったし・・・・

なのに・・・・

行っちゃいました。三軒茶屋。世田谷パブリックシアター。
「当日券」っていう悪魔のささやきに抗いきれず・・・・・
(補助席で1.2階席を用意しますって言うんですもん。係りの人が!/アハハ)

・・・・・・・

舞台も4回目、しかも3連続となるとそれなりに落ち着いてきてました。
オペラグラスを握りながらも全体の流れを追える余裕があるなあ、
などと、勝手に思いつつ、
始まりのピアノを聴き、じっくりと余裕を持って観てるつもりでした。私。
今日も1幕中で笑える場面もあったし観るほどに独特の言い回しもすんなり頭に入るようになってきたし。

だけど。

1幕の最後。
シビルの自殺のことをドリアンが知った翌日の朝。
バジルがドリアンの家をたずねてきた場面。
ドリアンはワインを浴びるように飲みながら対峙するシーンで。
ドリアンが嗤い、バジルが怒り、そのぶつかり合いの最後。

ドリアンが
「バジル・・・」と声をかけた、その声に。。。

私は凍りつきました。
何だろう。この、声。
自責の念と悲しみに、消えてしまいそうな弱々しさ。
友人に見捨てられることへの恐怖。
目の前に居るのにあまりにも弱弱しく憐れな小さな子どものような、ドリアン。

声の微妙な揺れは、なに?
かすかな揺れがこころに入り込んで掴まれる・・・

だから。
バジルはそれ以上責められなくなって。
だから。
バジルはそのままドリアンを正せなくなった・・・

・・・・・恐ろしいほどに魅力的なドリアン・グレイ・・・・・

それがすべて「バジル・・・」と呼びかけた一言に凝縮して・・・

悪魔の魅力。それかもしれない。
「美しい」というだけで周りの人を巻き込んでいく、
その姿が目の前にあった。

突然、美しさだけで人を魅了するっていう意味が判った気がした。


そして今日のラスト。
私の最後のドリアンのラストは。。

怖かった。
とても、怖かったです。ヘンリー卿が・・・・

ドリアンの死を目の前にして、
淡々と表情も変えずに指輪をドリアンに返し(ドリアンの手にはめて)
そして、去っていく彼が。
無闇にさっそうと、去っていく彼が・・・
すごく、怖かった。

4回目にして初めて、ヘンリー卿がとても残酷に見えた瞬間でした。

。。。つづく。。。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする