遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

祝 洋上風力発電実証実験稼働開始

2013-11-12 23:42:50 | 新エネルギー

 福島県双葉郡楢葉町沖で進められていた、浮体式の洋上風力発電が、実証実験稼働を開始したのだそうです。
 高さ100mの風車は、6月28日に三井造船千葉事業所を出発し、8隻の船に取り囲まれて東京湾を縦断し、3日の航海を経て7月1日に小名浜港に到着していました。この時の様子を取り上げさせていただいていましたが、その時は9月の稼働開始を目指すとの事でしたが、ようやく稼働出来たのですね。
 世界初の浮体式洋上ウインドファームに向け、第一歩が踏み出されました。
 
世界初の浮体式洋上風力発電 着々と進行中 - 遊爺雑記帳
 

福島 浮体式洋上風力の試験スタート 再生エネと復興 国挙げて追い風 (11/12 産経)

 
政府は11日、福島県楢葉町の沖合20キロで、海に浮かぶ「浮体式」と呼ばれる洋上風力発電施設の実用化に向けた実証試験を始めた。施設は世界初の浮体式洋上変電設備を備え、来年度には発電能力が世界最大規模になる計画だ。再生可能エネルギーの「本命」とされる洋上風力の普及につなげるとともに、東日本大震災で被災した福島の復興を後押しする国家プロジェクトがいよいよ本格的に始動した。(本田誠)

 「福島を風力発電のメッカ(中心地)にしたい」。福島県の佐藤雄平知事はこの日、同県いわき市で開かれた実証試験の開始式でこう強調した。赤羽一嘉経済産業副大臣も「震災による原発事故により大きく傷つけてしまった福島を再生可能エネルギー先駆けの地とすることは政府にとって使命であり、悲願でもある」と訴えた。

◆発電能力世界最大に
 試験では、東北電力を通じて約1700世帯に電気を供給する。3年かけて発電効率や環境への影響を調査する予定だ。
 10月下旬に設置作業が完了した沖合の施設は出力2千キロワットの発電設備「ふくしま未来」と変電設備「ふくしま絆」で、これらと陸の送電網を海底ケーブルでつないだ。
 発電設備は直径80メートルの大型風車を搭載し、海面から風車の頂点までの高さが106メートルに達する。変電設備は高さ60メートルで、塔のような外観だ。いずれも先端にいかりをつけた巨大な鉄製のチェーン(鎖)で海底に固定している。経産省と福島県の委託を受け東大や丸紅、三井造船など10社や中小企業が最先端技術を持ち寄った。
 
来年度には、出力7千キロワットの風車を載せた発電設備2基を投入する計画で施設の発電能力は計1万6千キロワットと浮体式では世界最大になる
。洋上変電設備があれば、発電設備を増やしても海底ケーブルを増設する必要がなく建設コストを抑制できる利点があるという。
 政府は漁業への影響を心配する地元漁業関係者の理解を得たうえで、出力10万~30万キロワットの浮体式洋上風力発電所に育成することを視野に入れている。

◆雇用創出へ裾野広く
 洋上風力は風車だけとっても、羽根や大型軸受け、発電機など
部品点数が約2万点あり、産業の裾野が広い。福島県は「中小企業が非常に優れているので、さまざまな部品でお手伝いできる」(佐藤知事)として、関連産業の集積地づくりと雇用創出に注力
する構えだ。
 
洋上風力は陸上より建設コストがかかるが、安定して強い風が吹くため効率のいい発電が見込まれる
。領海と排他的経済水域(EEZ)などを合わせた海域が世界6位の海洋国家・日本にとって、導入の余地は大きい。
 先行する欧州で主流の海底に発電設備を建てる「着床式」に適した遠浅の海が少ないのが障害となっており、深い海域でも設置できる浮体式の開発が普及の「切り札」となる。政府は
成長戦略で平成30年ごろまでに浮体式の実用化を目指す目標を掲げており、福島沖に先駆けて、長崎県の五島列島沖でも出力2千キロワットの浮体式の実証試験を開始した。福島は復興を象徴するプロジェクトともなるだけに、大きな期待が集まるのは間違いない。

 再生可能エネルギーといえば太陽光が取り上げられますが、風力、水力、地熱、海洋エネルギーと多様であることは今更申し上げるまでもないことです。
 この、多様な中で固定価格買い取り制度のスタート時は、太陽光42円(20年)、風力23.1円(20年)、地熱27.3円(15年)等とされ、販売単価(電力料金)が、22円とされるなか、太陽光が、42円と突出しすぎていました。孫に乗せられたカンカラ菅の癒着があったかどうかは定かではありませんが、その後、住宅用の10キロワット未満が38円、事業者用の10キロワット以上が37.8円に見直されましたが、それでもまだ太陽光の価格の高さ=販売価格との逆ザヤの差の大きさは突出しています。
 しかも、天候に左右され不安定なのですから、太陽光のメリットはないと言っていいでしょう。
 買い取り価格は、一定の値で設定し、各エネルギーが自由競争をして淘汰されるべきだと遊爺は考えます。

 風力発電は、価格は優位性がありますが、陸上の場合はやはり天候に左右される欠点があります。しかし、海上であれば安定性が望めるのだそうです。
 太陽光の長所は、新規産業の活性化がありますが、風力の場合も約2万点の部品があるのだそうで、産業の裾野は広いのですね。

 脱原発を宣言して準備を進めているドイツでは、価格高騰に直面し悩んでいます。
 アベノミクスの第三の矢の成長戦略。薬のネット販売を目玉として信頼を失いましたが、こうした裾野の広い新産業の開拓・発展に注力していただきたいものです。

 浮体式風力発電は、海に囲まれた日本ですが、深い海の欠点を補う世界に誇れる技術ですね。更に、波や潮流といった海洋エネルギー、火山国のメリットを活かす地熱発電といった、日本ならではの環境を活かした再生可能エネルギーの開発が進められることを願います。
 安価で安定した品質の再生可能エネルギーが普及すれば、原子力発電を減らしていくことが、家庭や産業への負担を少なくして進めることが可能となります。
 石化エネルギーの輸入での国外への資金流出も抑えられ、CO2削減も進みます。

 希望が膨らむ世界初の浮体式洋上ウインドファーム。成功と発展を祈ります。

 世界初の浮体式洋上風力発電 着々と進行中 - 遊爺雑記帳
 脱原発 太陽光発電依存でいいのか - 遊爺雑記帳
 


 # 冒頭の画像は、福島県双葉郡楢葉町沖の海上に浮かぶ、浮体式洋上ウインドファーム実証研究事業の「ふくしま未来」の風車





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2 コメント

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小善と大悪 (RYU)
2013-11-13 22:13:56
風力発電の強みは、防災耐性が強い事で、だから、海上にでもどこにでも作れるという事でしょうが、東日本大震災において、水蒸気爆発を防いで模範となった女川原発のように、津波を防ぐ防波堤を持ち、体育館まで備えた施設を、風力発電所に望む事はできないわけで、防災機能を持った強靭化インフラは、地域社会に根付いた学校などの、弱者が集う立地に集約する必要などがあるでしょう。

>孫に乗せられたカンカラ菅の癒着

性善説と性悪説の相いれない二人だと思います。電田計画の発想は素晴らしいと思いますが、太陽光発電のような高価なシステムを過疎地域などに分散させても、仁無き悪人に盗まれるだけだと思います。取り締まりの警備だけで、コストがかかります。家庭で長期利用が可能という事で、エネルギー稼動への富裕層にすすんで協力させる思惑もあったのでしょう。

化石エネルギーの輸入については、中東においても、米資本が深く介入して、それを排除するイランなどの長年の敵対国家は不利という事になります。だからこそ、莫大な資源を持つイランが、核開発をする名分は立たないのですが、国土の地に埋蔵された石油を大々的に活かす権利はあるはずです。アラブの親米国家と、非同盟圏との格差を埋められるのは、ドバイと対峙するイランが最強のホープなわけで、日本も、アメリカの変化に応じて、外交ルートを広くして行くべきでしょう。日本は多彩なインフラ輸出を含めて、エネルギー輸出国になるチャンスに恵まれていると思います。
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Re: 小善と大悪 (遊爺)
2013-11-14 21:33:39
RYU様 コメントをありがとうございます。

 同程度の津波が来襲しながら事故を発生した東電の福島第一と、避難所の役割を果たした東北電力の女川の違いは、原発と一括りにして語れない実証でした。

 NTTのインフラを安く解放させ(それなりに社会への貢献はありましたが)、寄生商法で成功した孫商法。カンカラ菅や自治体をそそのかして、安い土地を調達して一儲けとの魂胆でしたが、RYU様がご指摘の通りで、思い通りにはいきませんね。
 本文のリンク「脱原発 太陽光発電依存でいいのか」での冒頭の画像(動画を探しましたが今はみつかりませんでした)の時の菅と孫の狂気じみたやりとりは、脳裏を離れません。

> 日本も、アメリカの変化に応じて、外交ルートを広くして行くべきでしょう。

 エネルギー安全保障でも、食糧安全保障でも、国家安全保障でも、世界の警察を維持する意欲も能力も減衰した米国とは、これまでのおんぶにだっこから自立していかねばならず、ご説の通り連携する仲間を増やしていくことが必要ですね。

 
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