遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

豪 スコット・モリソン新首相誕生

2018-08-25 23:58:58 | my notice
 オーストラリアの与党・自由党は、支持率低迷で求心力を失っていた前首相のターンブル氏について、1週間のうちに2回という異例の党首選を行い、2回目の党首選に出馬しなかったターンブル氏に変わって、スコット・モリソン財務相(50)が新党首に選ばれ、24日夕の宣誓式後、首相に就任したのだそです。
 なにやらもめているなと思っていたら、あっと言う間の首相交代となってしまいました。
 
豪新首相モリソン氏 与党党首選 ターンブル氏退陣 (8/25 読売朝刊)

 【ジャカルタ=一言剛之】オーストラリアの与党・自由党は24日、議員総会を開いて党首選を行い、スコット・モリソン財務相(50)を新党首に選んだ。モリソン氏は24日夕の宣誓式後、首相に就任した。1週間のうちに2回という異例の党首選を経て首相に就いたモリソン氏は、与党内の対立解消と党勢回復の重責を担うことになる。
 支持率低迷で求心力を失っていた
前首相のターンブル氏(63)は2回目の党首選に出馬せず、3年弱で退陣に追い込まれた
 24日の党首選にはモリソン氏のほか、ダットン前内相(47)とビショップ外相(62)が出馬。決選投票となり、モリソン氏がダットン氏を45対40で破った。
 モリソン氏は2015年から財務相を務め、ターンブル氏の右腕として、経済政策などで手腕を発揮した。党首選後の記者会見では、優先課題として「経済、国の安全」を挙げ、「全精力を我々の偉大な国家に注ぐ」と意気込みを語った。
 
豪州では中国による内政干渉疑惑が報じられ、両国関係が悪化している。また、移民政策を巡って同盟国である米国のトランプ大統領との関係が一時冷え込んだターンブル氏の後を引き継ぐモリソン氏は、難しい外交のかじ取りを迫られる。
 内政に目を向けると、豪議会は与野党勢力が拮抗している。亀裂が入った与党内のとりまとめに向け、モリソン氏は対立候補だったダットン氏に入閣を打診し、関係修復を急いでいる。
 一方、15年9月の党首選で前任のアボット氏を破って首相に就いたターンブル氏は、環太平洋経済連携協定(TPP)の合意に貢献したほか、日本政府とも良好な関係を築いた。24日の記者会見で、近く国会議員も引退する意向を示した。

日本、関係維持を期待
 モリソン首相の就任を受け、安倍首相は24日、「共に手を携えて2国間関係をさらに発展させ、地域と世界の平和と繁栄に貢献していきたい」とする祝辞を贈った。日本政府は近年、首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進するため、安全保障や経済分野で豪州との関係強化を進めている。ターンブル氏の退陣後もモリソン政権と良好な関係を維持したい考えだ。
 安倍首相は11月の豪州訪問を検討しており、モリソン氏に首相が交代しても引き続き調整が進められる見通しだ。

豪新首相 米、同盟強化へ注視 中国は関係改善狙う
 【ワシントン=黒見周平、北京=中川孝之】オーストラリアの与党・自由党内で表面化した路線対立は24日、財務相だったスコット・モリソン氏が新党首となり、首相に就く形で一応の決着をみた。同盟国である米国や、経済的な結びつきなどが強まる中国も、豪州政局の動向を注視している。
 
米国にとって豪州は、南シナ海などで影響力を拡大する中国に対抗するうえで、日韓と並ぶ重要な同盟国だ。
 
米豪は昨年1月、就任したばかりのトランプ米大統領とターンブル前首相が電話会談を行った際、難民問題を巡って意見を対立させ、一時、両者の関係が冷え込んだ。その後、今年2月に首都ワシントンで首脳会談を開き、「インド太平洋戦略」を共に推進することで一致し、信頼関係を修復した。トランプ氏は会談後の共同記者会見で、北朝鮮問題や対テロ作戦での連携を踏まえ、「揺るぎない同盟はさらに強まっていくだろう」と自信を示した。
 7月には米カリフォルニア州で外務・防衛閣僚会合(2プラス2)も開き、豪北部ダーウィンに巡回駐留する米海兵隊の増強方針などを確認した。
 一方、
中国は、中国の影響力拡大を懸念したターンブル前政権との間で関係が悪化していた。中国外務省の陸慷(ルーカン)報道局長は24日の定例記者会見で、「中豪関係を更に発展させたい」とモリソン新首相への期待感を示したが、関係改善は容易ではなさそうだ
 
習近平政権には巨大な経済力で豪州に浸透し、米国などをけん制する「拠点」として利用する思惑があったようだ。2015年にターンブル氏が首相に就任した直後、ダーウィンで、中国軍に近いとされる中国企業が港の長期リース契約を結んだ。別の中国企業も電力事業への参入を試みたが、豪政府は安全保障上の懸念があるとして、中国の大型投資案件を拒否する姿勢に転じた。
 昨年には、中国人企業家が豪野党議員に献金し、南シナ海の領有権問題で中国寄りの発言をさせた「工作活動」も発覚した。
豪州はスパイ行為の厳罰化など、中国を念頭に置いた法改正も進めている
 
豪政府は今月23日にも安保上の懸念から、次世代通信規格「5G」について、中国通信会社「華為技術(ファーウェイ)」と「中興通訊(ZTE)」に対し、豪州での事業参入を認めない方針を表明した。この2社には、米国も政府系機関が関わる事業への参入を禁じており、米豪が歩調を合わせている

[プロフィル]
 豪州の新首相に就任した スコット・モリソン氏 50 ScottMORRISON

柔和な笑顔で忠義尽くす
 いつでも柔和な表情をたたえ、氏名を縮めた「スコモ」の愛称で親しまれる。
 1回目の党首選が行われた21日の翌日の記者会見では、ターンブル氏の肩を抱いて「私のリーダーだ」と話すなど、党内で造反が相次ぐ中、最後まで前首相を支えた。ターンブル氏が出馬を断念した2回目の党首選では、忠義を尽くす姿勢が信頼を集め、2007年に中央政界入りしてから、わずか10年余りで首相の座をつかんだ。
 敬虔なクリスチャンで、議会での初演説では「我々が何をして、何をしなかったかは歴史に記される」と述べ、アフリカの貧困撲滅を訴えた。
 一方、移民・国境警備相時代には、ボートで豪州を目指す移民を別の島国などに移送する強硬策を推し進めた。「移民の波を止め、航海途中に事故で犠牲になる人もいなくなる」と説明では「我々が何をして、何をしなかったかは歴史に記される」と述べ、アフリカの貧困撲滅を訴えた。
 一方、移民・国境警備相時代には、ボートで豪州を目指す移民を別の島国などに移送する強硬策を推し進めた。「移民の波を止め、航海途中に事故で犠牲になる人もいなくなる」と説明したが、人権団体などから批判を浴びた。昨年、豪州で成立した同性婚を認める法律の採決では、宗教的な信条から反対票を投じた。
 1968年、シドニー生まれ。ラグビー好きで、地元チーム「シャークス」のファン代表を務めている。 (ジャカルタ支局 一言剛之)

 直近約20年では、以下のような豪州の政権交代や首相交代。
 1996年 3月 ~ 2007年12月 ジョン・ハワード 自由党
 2007年12月 ~ 2010年 6月 ケビン・ラッド 労働党
 2010年 6月 ~ 2013年 6月 ジュリア・ギラード 労働党
 2013年 6月 ~ 2013年 9月 ケビン・ラッド 労働党
 2013年 9月 ~ 2015年 9月 トニー・アボット 自由党
 2015年 9月 ~ 2018年 8月 マルコム・ターンブル 自由党

 2007年3月には、ジョン・ハワードオーストラリア首相が来日し、安倍相と「安全保障協力に関する日豪共同宣言(日豪安保共同宣言)」に署名。両国の外交・防衛閣僚による定期協議(2プラス2)の実施も盛り込まれ、これにより日本にとってオーストラリアはアメリカを除いて初めての安保分野の協力国となっていたのです。つまり、準同盟国となった。
 アボット首相時代には、両首相の緊密な関係から、日本国内では機密漏えいの観点で反対の声がありましたが、そうりゅう型潜水艦の輸出交渉が始まりました。
 子息が中国人と結婚されているからかどうかは不明ですが、貿易輸出依存度の高い中国に接近姿勢が当初は強かったターンブル首相に交代し、潜水艦の商談は国際競合となり、フランスに決まり破談となりました。個人的には、世界一の静音性を誇る技術の流出が防げて良かったとおもっていますが。。
 TPP11については、ターンブル政権も積極的に推進に回り、合意に漕ぎつけることが出来ました。
 発足当初は、媚中姿勢が顕著と観られていたターンブル政権でしたが、露骨な中国の覇権拡大・侵略に耐えかね、規制を強め、「インド太平洋戦略」にも賛同・参画するようになったターンブル首相でしたが、突然の党首交代となってしまいました。

 ターンブル政権では、財務相を務め、党内で造反が相次ぐ中、最後まで前首相を支えた忠義を尽くす姿勢が信頼を集め、党首に選ばれたスコット・モリソン氏。
 50歳の若きリーダーの登場ですが、日豪両国の準同盟国関係が益々深まり、アジア・太平洋地域のリーダーシップに協力が進むことを期待します。



 # 冒頭の画像は、24日、豪キャンベラでの就任式に妻子を伴って到着したモリソン新首相
 伝統的価値観の実務派=スコット・モリソン新首相-豪|au Webポータル国際ニュース




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