米連邦預金保険公社(FDIC)は10日、テック関連のスタートアップへの融資で知られる銀行持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻し事業を停止したと発表。
米銀の破綻では、2008年9月の金融危機で破綻した米貯蓄金融機関(S&L=地方銀行に相当)最大手のワシントン・ミューチュアルに続く2番目の規模なのだそうです。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅な利上げ延期や、米国に留まらず、世界への影響の有無が懸念されます。
WSJが、シリコンバレーバンク(SVB)の破綻の経緯を報じていました。
東証610円安、今年最大の下げ 米相次ぐ破綻に懸念、銀行株売り(共同通信) - goo ニュース
シリコンバレー銀、破綻 米銀で過去2番目の規模 - 日本経済新聞
焦点:米銀破綻で市場の見通し一変、FRB大幅利上げ観測は消滅 | Reuters
米シリコンバレー銀行(SVB)の幹部は、経営破綻する前の2月下旬、米金融大手ゴールドマン・サックス・グループを訪ね、助言を求めていたと、WSJ。
金利の急上昇が、SVBに大きな痛手を与えていた。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは同行を格下げする準備に入った。資金繰り悪化で業績が落ち込むのを避けるため、SVBは財務改善を急ぐ必要があったのだそうです。
話し合いの結果、3月8日に20億ドル(約2670億円)近い損失計上と株式発行による資金調達計画が発表された。それは投資家をひどく動揺させたと、WSJ。
持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価は翌朝、急落した。預金保護対象外の預金を大量に持つスタートアップ企業やベンチャーキャピタル(VC)の顧客はパニックに陥り、同行から引き出そうとした金額は1日で420億ドルに上ったのだそうです。
SVBにとって安心できるはずのゴールドマンの助言は、考え得る限り最も大きな代償を伴った。SVBの異常なスピードでの崩壊は、米銀の破綻としては過去2番目の規模となり、大西洋の両岸で銀行危機を引き起こし、規制当局はこれを抑え込むのに必死だと、WSJ。
SVBの問題は機械的に生じたものだ。SVBは、低金利時代に購入した低リスク債券でわずかな収入を得ることしかしなかったにもかかわらず、預金者を引き留めるために大金をはたいていた。
SVBが保有債券を売却すれば、圧力を弱められる。だがそれには、多額の損失を計上しなければならない。
SVBの経営陣がゴールドマンに相談する際、ジェネラル・アトランティックとウォーバーグ・ピンカスという2社のプライベートエクイティ(PE)投資会社がSVBに出資する候補に挙げられていた。
経営陣は特定の第三者に新株購入権を付与する第三者割当増資を希望し、それを迅速に進める考えだった。ムーディーズはすでに格下げを準備中で、その動きが投資家を不安にさせることを経営陣は恐れていた。
ゴールドマンが売り込んだのは、公募増資と第三者割当増資を組み合わせる案だった。
これに対し、ウォーバーグは撤退した。この案件を評価するにはSVBが許容できるよりも長い時間が必要であり、また公募の要素がある増資計画には参加したくなかった。
ジェネラル・アトランティックは5億ドルの新株を引き受けることに同意した。しかしSVBが調達を目指す残りの17億5000万ドルを出してくれる投資家を集めるには時間が足りなかった。SVB経営陣は投資家を説得するのに必要な情報を提供する準備ができていなかった。
ムーディーズが、SVBを一段階格下げすると発表すると、翌3月9日、市場が開くと同時にSVBの株価は急落。顧客は預金の引き出しを急いだ。これが下方スパイラルの始まりだったと、WSJ。
SVBを担当する弁護士らは、預金流出に関する情報開示なしに増資を進めることはできないと宣言。ゴールドマンはついに計画を断念した。連邦預金保険公社(FDIC)は翌朝、SVBが営業を開始する前に管理下に置いた。
鈴木俊一金融担当相は14日、米銀破綻に関し「日本の金融システムは安定している」と述べ、国内金融機関に重大な影響が及ぶ恐れは少ないとの見方を示したのだそうで、17日の日経平均株価は反発に転じたとのことですが。。
本日の株式市況|マーケット情報|三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
# 冒頭の画像は、スイスにも広がっった銀行不安について説明する、鈴木大臣
鈴木金融相「強い警戒心」、クレディ・スイス信用不安に - 日本経済新聞
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米銀の破綻では、2008年9月の金融危機で破綻した米貯蓄金融機関(S&L=地方銀行に相当)最大手のワシントン・ミューチュアルに続く2番目の規模なのだそうです。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅な利上げ延期や、米国に留まらず、世界への影響の有無が懸念されます。
WSJが、シリコンバレーバンク(SVB)の破綻の経緯を報じていました。
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シリコンバレー銀、破綻 米銀で過去2番目の規模 - 日本経済新聞
焦点:米銀破綻で市場の見通し一変、FRB大幅利上げ観測は消滅 | Reuters
シリコンバレー銀救えず、ゴールドマン致命的過ち - WSJ AnnaMaria Andriotis, Corrie DriebuschFollow and Miriam Gottfried (以下 WSJと略暑) 2023 年 3 月 17 日
米シリコンバレー銀行(SVB)の幹部は、経営破綻する前の2月下旬、米金融大手ゴールドマン・サックス・グループを訪ね、助言を求めていた。資金調達の必要に迫られており、その具体的な方法を知るためだった。
金利の急上昇はSVBに大きな痛手を与えていた。預金残高と投資していた債券の価値が急激に減り、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは同行を格下げする準備に入った。資金繰り悪化で業績が落ち込むのを避けるため、SVBは財務改善を急ぐ必要があった。
話し合いは約10日に及び、その結果、3月8日に20億ドル(約2670億円)近い損失計上と株式発行による資金調達計画が発表された。それは投資家をひどく動揺させた。持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価は翌朝、急落した。預金保護対象外の預金を大量に持つスタートアップ企業やベンチャーキャピタル(VC)の顧客はパニックに陥り、同行から引き出そうとした金額は1日で420億ドルに上った。
SVBの情報開示に対し、これほど激しい市場の反応を予想した者はほとんどいなかった。一方で、SVBを支援するゴールドマンの計画にも致命的な欠陥があった。悪いニュースの連鎖は信頼の危機を引き起こしかねず、一つの銀行が急崩壊することさえある危険性をゴールドマンは過小評価していた。
ゴールドマンは富裕層や権力者にとって頼りになるアドバイザーだ。企業合併を手配し、企業の資金調達を支援し、金融業界のあらゆる難題を創造的な方法で解決するのにたけていることで、何十億ドルもの利益を上げている。
だがSVBにとって安心できるはずのゴールドマンの助言は、考え得る限り最も大きな代償を伴った。SVBの異常なスピードでの崩壊は、米銀の破綻としては過去2番目の規模となり、大西洋の両岸で銀行危機を引き起こし、規制当局はこれを抑え込むのに必死だ。
SVBの最後の日々を描いたこの記事は、この絶望的な取引にもう少しで加わるところだった銀行関係者や弁護士、投資家とのインタビューに基づいている。
SVBの問題は機械的に生じたものだ。銀行は預金者が預けた資金に支払う利息とそれを運用して稼いだ利益との差でもうけている。だがSVBは預金者を引き留めるために大金をはたき、低金利時代に購入した低リスク債券でわずかな収入を得ることしかしなかった。
SVBが保有債券を売却すれば、圧力を弱められる。そうすれば手元の現金を増やし、少なくともその一部を使ってより高利回りの債券を新たに購入できる。だがそれには大きな注意書きがつく。SVBは多額の損失を計上しなければならないということだ。
SVBの経営陣がゴールドマンに相談する際、大まかな資本調達計画を決めていた。ジェネラル・アトランティックとウォーバーグ・ピンカスという2社のプライベートエクイティ(PE)投資会社がSVBに出資する候補に挙げられていた。
経営陣は特定の第三者に新株購入権を付与する第三者割当増資を希望し、それを迅速に進める考えだった。ムーディーズはすでに格下げを準備中で、その動きが投資家を不安にさせることを経営陣は恐れていた。
ゴールドマンのデービッド・ラドウィグ氏率いる株式資本市場部門とピート・ライアン率いる金融機関部門の担当者は、3月第1週から新株発行計画をまとめ始め、PE投資会社2社にも打診した。
ゴールドマンが売り込んだのは、公募増資と第三者割当増資を組み合わせる案だった。22億5000万ドル分を割り当てるのに十分な投資家を見つけると同時に、一般の投資家にも同じ価格で株式を購入する機会を提供するというものだ。
3月5日までにウォーバーグは撤退した。この案件を評価するにはSVBが許容できるよりも長い時間が必要であり、また公募の要素がある増資計画には参加したくなかった。
ゴールドマンのトレーディングデスクはもう一つの案件も進めていた。SVBは210億ドル相当の売却可能な債券ポートフォリオの買い手を探していた。その債券を購入することになったのはゴールドマンだった。
一方、ジェネラル・アトランティックは5億ドルの新株を引き受けることに同意した。しかしSVBが調達を目指す残りの17億5000万ドルを出してくれる投資家を集めるには時間が足りなかった。SVB経営陣は投資家を説得するのに必要な情報を提供する準備ができていなかった。
そこでゴールドマンは、ジェネラル・アトランティックを呼び水にした公募増資が唯一の選択肢だと判断した。SVB経営陣はこの計画を承認した。
ラドウィグ氏らゴールドマンの担当者は、SVBには迅速な行動が必要だと考えた。ムーディーズの格下げが迫っており、週末は同行が閉まっている。週明けのメルトダウン(崩壊)を避けるために、悪いニュースは全て片付けておくべきだと。
3月8日、ゴールドマンは市場価格を下回る価格でSVBの債券資産の購入を完了した。取引時間終了後、SVBは債券売却に伴い18億ドルの損失を計上したと発表。買い手は明らかにしなかった。さらに新株発行による資金調達を行うと述べた。
この時点までに、SVB経営陣はすでに悪い知らせを覚悟していた。成功の見込みが低い増資計画に乗り出す直前、SVBはディール助言会社センタービュー・パートナーズと契約し、「プランB」の検討を依頼した。
ゴールドマンの担当者はまだこの計画がうまくいくと自信を持っていた。時間外取引でSVBの株価はすぐに約8%下げた。だが懸念されたほどの急落ではなく、ゴールドマンには株式を買いたいという注文が多数寄せられていた。
1時間もたたないうちにムードは一変した。シルバーゲート・キャピタルが預金流出に見舞われた傘下銀行の事業清算を発表したのだ。午後8時頃、SVBを一段階格下げするとムーディーズが発表。SVB経営陣が懸念していたよりは小幅な引き下げだった。
翌3月9日、市場が開くと同時にSVBの株価は急落。顧客は預金の引き出しを急いだ。これが下方スパイラルの始まりだった。取り付け騒ぎのニュースが広まると、株価はさらに下落し、より多くの顧客が資金を引き揚げた。株価は60%超安で取引を終えた。
それでも増資計画は続いており、ゴールドマンはこの日の終値より約11ドル安い1株95ドルで投資家候補を集めていた。
午後5時頃、ゴールドマンの担当者はSVBの預金流出について報告を受けた。
サリバン・アンド・クロムウェル法律事務所でSVBを担当する弁護士らは、預金流出に関する情報開示なしに増資を進めることはできないと宣言。ゴールドマンはついに計画を断念した。連邦預金保険公社(FDIC)は翌朝、SVBが営業を開始する前に管理下に置いた。
米シリコンバレー銀行(SVB)の幹部は、経営破綻する前の2月下旬、米金融大手ゴールドマン・サックス・グループを訪ね、助言を求めていた。資金調達の必要に迫られており、その具体的な方法を知るためだった。
金利の急上昇はSVBに大きな痛手を与えていた。預金残高と投資していた債券の価値が急激に減り、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは同行を格下げする準備に入った。資金繰り悪化で業績が落ち込むのを避けるため、SVBは財務改善を急ぐ必要があった。
話し合いは約10日に及び、その結果、3月8日に20億ドル(約2670億円)近い損失計上と株式発行による資金調達計画が発表された。それは投資家をひどく動揺させた。持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価は翌朝、急落した。預金保護対象外の預金を大量に持つスタートアップ企業やベンチャーキャピタル(VC)の顧客はパニックに陥り、同行から引き出そうとした金額は1日で420億ドルに上った。
SVBの情報開示に対し、これほど激しい市場の反応を予想した者はほとんどいなかった。一方で、SVBを支援するゴールドマンの計画にも致命的な欠陥があった。悪いニュースの連鎖は信頼の危機を引き起こしかねず、一つの銀行が急崩壊することさえある危険性をゴールドマンは過小評価していた。
ゴールドマンは富裕層や権力者にとって頼りになるアドバイザーだ。企業合併を手配し、企業の資金調達を支援し、金融業界のあらゆる難題を創造的な方法で解決するのにたけていることで、何十億ドルもの利益を上げている。
だがSVBにとって安心できるはずのゴールドマンの助言は、考え得る限り最も大きな代償を伴った。SVBの異常なスピードでの崩壊は、米銀の破綻としては過去2番目の規模となり、大西洋の両岸で銀行危機を引き起こし、規制当局はこれを抑え込むのに必死だ。
SVBの最後の日々を描いたこの記事は、この絶望的な取引にもう少しで加わるところだった銀行関係者や弁護士、投資家とのインタビューに基づいている。
SVBの問題は機械的に生じたものだ。銀行は預金者が預けた資金に支払う利息とそれを運用して稼いだ利益との差でもうけている。だがSVBは預金者を引き留めるために大金をはたき、低金利時代に購入した低リスク債券でわずかな収入を得ることしかしなかった。
SVBが保有債券を売却すれば、圧力を弱められる。そうすれば手元の現金を増やし、少なくともその一部を使ってより高利回りの債券を新たに購入できる。だがそれには大きな注意書きがつく。SVBは多額の損失を計上しなければならないということだ。
SVBの経営陣がゴールドマンに相談する際、大まかな資本調達計画を決めていた。ジェネラル・アトランティックとウォーバーグ・ピンカスという2社のプライベートエクイティ(PE)投資会社がSVBに出資する候補に挙げられていた。
経営陣は特定の第三者に新株購入権を付与する第三者割当増資を希望し、それを迅速に進める考えだった。ムーディーズはすでに格下げを準備中で、その動きが投資家を不安にさせることを経営陣は恐れていた。
ゴールドマンのデービッド・ラドウィグ氏率いる株式資本市場部門とピート・ライアン率いる金融機関部門の担当者は、3月第1週から新株発行計画をまとめ始め、PE投資会社2社にも打診した。
ゴールドマンが売り込んだのは、公募増資と第三者割当増資を組み合わせる案だった。22億5000万ドル分を割り当てるのに十分な投資家を見つけると同時に、一般の投資家にも同じ価格で株式を購入する機会を提供するというものだ。
3月5日までにウォーバーグは撤退した。この案件を評価するにはSVBが許容できるよりも長い時間が必要であり、また公募の要素がある増資計画には参加したくなかった。
ゴールドマンのトレーディングデスクはもう一つの案件も進めていた。SVBは210億ドル相当の売却可能な債券ポートフォリオの買い手を探していた。その債券を購入することになったのはゴールドマンだった。
一方、ジェネラル・アトランティックは5億ドルの新株を引き受けることに同意した。しかしSVBが調達を目指す残りの17億5000万ドルを出してくれる投資家を集めるには時間が足りなかった。SVB経営陣は投資家を説得するのに必要な情報を提供する準備ができていなかった。
そこでゴールドマンは、ジェネラル・アトランティックを呼び水にした公募増資が唯一の選択肢だと判断した。SVB経営陣はこの計画を承認した。
ラドウィグ氏らゴールドマンの担当者は、SVBには迅速な行動が必要だと考えた。ムーディーズの格下げが迫っており、週末は同行が閉まっている。週明けのメルトダウン(崩壊)を避けるために、悪いニュースは全て片付けておくべきだと。
3月8日、ゴールドマンは市場価格を下回る価格でSVBの債券資産の購入を完了した。取引時間終了後、SVBは債券売却に伴い18億ドルの損失を計上したと発表。買い手は明らかにしなかった。さらに新株発行による資金調達を行うと述べた。
この時点までに、SVB経営陣はすでに悪い知らせを覚悟していた。成功の見込みが低い増資計画に乗り出す直前、SVBはディール助言会社センタービュー・パートナーズと契約し、「プランB」の検討を依頼した。
ゴールドマンの担当者はまだこの計画がうまくいくと自信を持っていた。時間外取引でSVBの株価はすぐに約8%下げた。だが懸念されたほどの急落ではなく、ゴールドマンには株式を買いたいという注文が多数寄せられていた。
1時間もたたないうちにムードは一変した。シルバーゲート・キャピタルが預金流出に見舞われた傘下銀行の事業清算を発表したのだ。午後8時頃、SVBを一段階格下げするとムーディーズが発表。SVB経営陣が懸念していたよりは小幅な引き下げだった。
翌3月9日、市場が開くと同時にSVBの株価は急落。顧客は預金の引き出しを急いだ。これが下方スパイラルの始まりだった。取り付け騒ぎのニュースが広まると、株価はさらに下落し、より多くの顧客が資金を引き揚げた。株価は60%超安で取引を終えた。
それでも増資計画は続いており、ゴールドマンはこの日の終値より約11ドル安い1株95ドルで投資家候補を集めていた。
午後5時頃、ゴールドマンの担当者はSVBの預金流出について報告を受けた。
サリバン・アンド・クロムウェル法律事務所でSVBを担当する弁護士らは、預金流出に関する情報開示なしに増資を進めることはできないと宣言。ゴールドマンはついに計画を断念した。連邦預金保険公社(FDIC)は翌朝、SVBが営業を開始する前に管理下に置いた。
米シリコンバレー銀行(SVB)の幹部は、経営破綻する前の2月下旬、米金融大手ゴールドマン・サックス・グループを訪ね、助言を求めていたと、WSJ。
金利の急上昇が、SVBに大きな痛手を与えていた。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは同行を格下げする準備に入った。資金繰り悪化で業績が落ち込むのを避けるため、SVBは財務改善を急ぐ必要があったのだそうです。
話し合いの結果、3月8日に20億ドル(約2670億円)近い損失計上と株式発行による資金調達計画が発表された。それは投資家をひどく動揺させたと、WSJ。
持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価は翌朝、急落した。預金保護対象外の預金を大量に持つスタートアップ企業やベンチャーキャピタル(VC)の顧客はパニックに陥り、同行から引き出そうとした金額は1日で420億ドルに上ったのだそうです。
SVBにとって安心できるはずのゴールドマンの助言は、考え得る限り最も大きな代償を伴った。SVBの異常なスピードでの崩壊は、米銀の破綻としては過去2番目の規模となり、大西洋の両岸で銀行危機を引き起こし、規制当局はこれを抑え込むのに必死だと、WSJ。
SVBの問題は機械的に生じたものだ。SVBは、低金利時代に購入した低リスク債券でわずかな収入を得ることしかしなかったにもかかわらず、預金者を引き留めるために大金をはたいていた。
SVBが保有債券を売却すれば、圧力を弱められる。だがそれには、多額の損失を計上しなければならない。
SVBの経営陣がゴールドマンに相談する際、ジェネラル・アトランティックとウォーバーグ・ピンカスという2社のプライベートエクイティ(PE)投資会社がSVBに出資する候補に挙げられていた。
経営陣は特定の第三者に新株購入権を付与する第三者割当増資を希望し、それを迅速に進める考えだった。ムーディーズはすでに格下げを準備中で、その動きが投資家を不安にさせることを経営陣は恐れていた。
ゴールドマンが売り込んだのは、公募増資と第三者割当増資を組み合わせる案だった。
これに対し、ウォーバーグは撤退した。この案件を評価するにはSVBが許容できるよりも長い時間が必要であり、また公募の要素がある増資計画には参加したくなかった。
ジェネラル・アトランティックは5億ドルの新株を引き受けることに同意した。しかしSVBが調達を目指す残りの17億5000万ドルを出してくれる投資家を集めるには時間が足りなかった。SVB経営陣は投資家を説得するのに必要な情報を提供する準備ができていなかった。
ムーディーズが、SVBを一段階格下げすると発表すると、翌3月9日、市場が開くと同時にSVBの株価は急落。顧客は預金の引き出しを急いだ。これが下方スパイラルの始まりだったと、WSJ。
SVBを担当する弁護士らは、預金流出に関する情報開示なしに増資を進めることはできないと宣言。ゴールドマンはついに計画を断念した。連邦預金保険公社(FDIC)は翌朝、SVBが営業を開始する前に管理下に置いた。
鈴木俊一金融担当相は14日、米銀破綻に関し「日本の金融システムは安定している」と述べ、国内金融機関に重大な影響が及ぶ恐れは少ないとの見方を示したのだそうで、17日の日経平均株価は反発に転じたとのことですが。。
本日の株式市況|マーケット情報|三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
# 冒頭の画像は、スイスにも広がっった銀行不安について説明する、鈴木大臣
鈴木金融相「強い警戒心」、クレディ・スイス信用不安に - 日本経済新聞
フキノトウ
↓よろしかったら、お願いします。
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