遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

プーチン大統領にも袖にされ孤立化する習近平

2021-06-26 00:58:06 | 米中新冷戦時代
 今月16日、米露首脳会談がスイスで実施されました。
 プーチン大統領は「殺人者」であると述べていたバイデン大統領。会談前には「最悪」の関係に陥っていた米露関係が、改善される方向へと転じました。
 米露首脳会談の前日、中国外務省の趙立堅報道官は記者会見で「中露の団結は山のように強固で、友好は堅牢(けんろう)だ」と強調する一方で、「中露関係を破壊しようとする策謀はその目的を果たすことはないと忠告する」とも述べたのですが、裏切られる結果に。
 他国間の首脳会談に、「中露の団結と友好」をことさら強調してみせたのは、むしろ中国側の「自信の無さ」の表れだと、石平氏。

 バイデン米大統領、「プーチン露大統領は殺人者」

 
【石平のChina Watch】旧友・ロシアに袖にされ… - 産経ニュース 2021/6/24
 
 今月16日、バイデン米政権発足後初の米露首脳会談がスイスで行われた。会談後に発表された共同声明では、「戦略的安定」に対する両首脳の共通認識を示し、そのための対話に着手することでも合意した。会談前には「最悪」の関係に陥っていた米露関係はこれで改善される方向へと向かおうとしているが、これを不安に感じる国があった

 会談前日の15日、
中国外務省の趙立堅報道官は記者会見で「中露の団結は山のように強固で、友好は堅牢(けんろう)だ」と強調する一方で、「中露関係を破壊しようとする策謀はその目的を果たすことはないと忠告する」とも述べた。

 
他国の首脳会談に対してこのような言い方をするのは、いかにも偏屈であり、一種の被害妄想だと思われるが、「中露の団結と友好」をことさら強調してみせたのは、むしろ中国側の「自信の無さ」の表れではなかったか。

 昨年あたりから
中国は、日・米・豪・印、カナダら環太平洋諸国などと、ことごとく対立を深め、人権問題では欧州諸国とも対立することとなった

 こうした中で、
中国にとっては、従来良好である中露関係が、より一層の重要性を増し、最大の友好国・ロシアこそが、中国を孤立状態から救い出す救世主のような存在となっていた

 そして、中国は一時、軍事同盟の締結まで視野に入れて、旧友のロシアとの関係をさらに進化させようと考えていたのである。

 
今年2月、中国の王毅外相はロシアのラブロフ外相との電話会談において、「中露の戦略的連携は、全方位的、全天候的、無禁区、無上限だ」と発言した。

 彼はここで、「全方位・無禁区」という言葉を使って、
軍事同盟も含めた深い同盟関係をロシアとの間で構築していきたい、との強い意欲を示したのである。

 
しかし、ロシアの態度は実に冷淡であった。

 4月、ラブロフ外相は国営テレビにおいて、中国との軍事同盟締結の可能性をきっぱりと否定した。その後も、ラブロフ外相は「ロシアと中国は現在の連携の形に満足している」と述べ、両国関係を同盟関係へと進化させる可能性を再び否定した。

 
ロシアと同盟して欧米と対抗するという習近平政権の「戦略」は結局、ただの「片思い」に終わってしまったのである。

 その中で、よりによって「盟友」のプーチン露大統領が習主席の頭越しに「敵方」のバイデン大統領と会って関係の改善を図ったのだ。習主席と中国側の挫折感、失望感の大きさは推して知るべし、ではないか。

 もちろん米露間の関係改善はそう簡単にいかないし、プーチン大統領はアメリカとの対話を進めながら、中国との良好な関係も、ある程度は維持していくであろう。

 しかし、
ロシアには中国と同盟を組んで欧米と対決するつもりがないことは明らかである。そして、いざとなったとき、ロシアが欧米を敵に回して中国を助けるようなことは、まずあり得ない。

 その一方、米露首脳会談に先立って開かれた
先進7カ国首脳会議(G7サミット)と北大西洋条約機構(NATO)首脳会議において、中国と習主席こそが「世界の問題児」だ、と認定されてしまい、関係各国が一致団結して中国問題に対処していくことが西側主要国のコンセンサスとなった。

 国内の人権侵害と対外的覇権主義政策の推進をやめない限り、
習主席の中国が、「世界の敵」となる日もそう遠くないだろう。

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【プロフィル】石平 せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
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 中国は、昨年あたりから、日・米・豪・印、カナダ等環太平洋諸国などと、ことごとく対立を深め、人権問題では欧州諸国とも対立する状況になっていたと石平氏。
 こうした中で、中国にとっては、最大の友好国・ロシアこそが、中国を孤立状態から救い出す救世主のような存在となっていたとも。

 中国は一時、軍事同盟の締結まで視野に入れて、旧友のロシアとの関係をさらに進化させようとさえ考えていたのだそうです。
 今年 2月、中国の王毅外相はロシアのラブロフ外相との電話会談において、「全方位・無禁区」という言葉を使って、軍事同盟も含めた深い同盟関係をロシアとの間で構築していきたい、との強い意欲を示した。
 しかし、 4月、ラブロフ外相は国営テレビにおいて、中国との軍事同盟締結の可能性をきっぱりと否定。その後も、ラブロフ外相は「ロシアと中国は現在の連携の形に満足している」と述べ、両国関係を同盟関係へと進化させる可能性を再び否定。
 ロシアと同盟して欧米と対抗するという習近平政権の「戦略」は結局、ただの「片思い」に終わってしまったと石平氏。
 そうした状況下で、プーチン氏とバイデン氏の会談で関係改善。習主席と中国側の挫折感、失望感の大きさは推して知るべしと。

 もちろん米露間の関係改善はそう簡単にいかないし、プーチン大統領はアメリカとの対話を進めながら、中国との良好な関係も、ある程度は維持していくであろう。
 しかし、ロシアには中国と同盟を組んで欧米と対決するつもりがないことは明らかとなったと石平氏。

 中露の関係は、永い国境線を持ち、そこには歴史を持っていますが、多くは第三国を絡めての三角関係がありました。立場が弱くなった方が、敵の敵は味方として組むという戦術。第三国は日本であったり、米国であったり、欧州勢であったり。

 米露首脳会談に先立って開かれたG7サミットとNATO首脳会議において、中国と習主席こそが「世界の問題児」だ、と認定されてしまい、関係各国が一致団結して中国問題に対処していくことが西側主要国のコンセンサスとなってしまっていました。
 
 欧米勢から経済制裁を受けているロシア。原油や天然ガス等地下資源が外貨収入の柱ですが、途絶えて苦しんでいたところを、中国が買い取ることで、今や立場が逆転傾向にあっる中露関係。
 プーチン流の外交手腕発揮といったところですね。

 世界の中での習近平の孤立化が顕著になりましたが、果たしてどんな逆襲があるのでしょうか。



 # 冒頭の画像は、バイデン、プーチン両首脳会談
 米ロ首脳会談、握手はするも不和残る 核軍備管理の対話には合意 - BBCニュース
 
 
 

  この花の名前は、アークトセカ


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