遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

対露外交改善に注力する安倍首相

2016-03-29 23:58:58 | 日本を復活させる
 5月下旬に開催される、G7の伊勢志摩サミットが迫ってきています。
 議長を務める安倍首相は、日本の存在価値を高める為、どのような仕掛けをするのかについて、諸説が流布されていますね。世界共通の大きな課題と言えば、先のG20でも注目された、中国発の世界経済低迷対策。次いでは、シリアに端を発し、自称イスラム国の台頭を許したテロ対応でしょう。
 この課題に議長国として、日本の国益を高めると同時に、世界に貢献する日本の地位を向上させるにはどうすれば良いのか。
 経済については、G20で各国が財政出動をして支える(中国の規制も容認する)こととなりました。その路線が継承されると推察され、日本はこの路線に沿うために消費税アップの延期を画策しているとの説があります。本田悦朗内閣官房参与をスイス大使に任命したのも、その国際世論の下地創りだとか、最近の海外からの消費税延期論者招聘講義も同様の世論盛り上げと姦しい。
 ここでは、後者に関係する、ロシアのG7会議への招聘についての記事に注目してみます。

 ウクライナ侵攻で、G8から追い出されたロシア。G7への会合招聘には高い壁がありますが、自称イスラム国対応では、米露の接近が見られる今日、G8の復活とまでは行かなくても、G7 + 1 の可能性は出て来ています。
 世界同時株安の主因の一つとされる原油価格下落で、国家財政の危機に瀕しているロシアは、なんとか制裁網を解いてほしい。日本の安倍政権は、北方四島返還・平和条約締結を実現させ、同時に対中けん制力を増やしたい。
 そのきっかけづくりかどうか、安倍首相は、ロシア救援作戦を展開し始めているという記事がありました。
 

ロシアとの関係改善に安倍首相が放った絶妙手 ロシア人が欲しがるセブンのスイーツ、値段10倍でも | JBpress(日本ビジネスプレス) 2016.3.29(火) 菅原 信夫

 本稿は東京からの報告である。先日、突然来日した日本勤務経験のある旧知のロシア人と食事を共にした。彼の観察によると、東京での桜の開花が宣言されたその週、東京に集合したロシア人の数は半端じゃなかった
そうだ。
 もちろん、単なるロシア人ではなく、それなりにロシア政府に関係する人たちだ。周囲にロシア人がいないことを確認して、彼がそっと教えてくれた人々の名前は、筆者が知らない人物も多かったが、知る名はロシア政界で重鎮と言われるレベルの人たちも含まれていた。
 東京に集合したロシア人たちの情報を我が友はどのように知ったのか。話題を彼自身の情報源に向けると、彼がその日の朝食を一緒にしたというアレクサンドル・パノフ元駐日大使の名前が出た(現在、モスクワ国際関係大学教授)。
 そして、さらなる驚きの情報。ロシア人たちの一部は、日本政府、いや官邸の招待によるものだというのだ。どうやら、安倍晋三首相は、自身のロシア訪問の前に、現地の環境整備のため知日派ロシア人をかなり日本に招待しているようだ。

■今年、日露関係は動く
 その後、友人とは現在の日露関係という大テーマに話題は移っていったが、その議論の最中にも、何度もロシア大使館から電話が入り、どうも彼の来日目的もそう簡単なものではないように感じられた。
 その彼の見立ては、「今年の日露関係は動く」というものだ。では北方領土問題解決か、と筆者がたたみかけると、なぜ日本人はすべての日露問題を千島列島から始めないと気が済まないのか、もっと大事な問題がいくらでもあるだろう、と言う。
 まず
友人が取り上げたのはウクライナ問題であった。安倍首相は2014年3月のG7で、最大1500億円を対ウクライナ支援に用意していることを表明
した。
 すでにいくつかのプロジェクトがJICA(国際協力機構)などを通して実現の方向にあるが、本年4月5日から来日予定のペトロ・ポロシェンコ大統領(日本政府による招待)の滞在中にも新しいプロジェクトへの支援が両国政府より発表される予定だ。
 現在、
ロシアはウクライナに対して日本円換算で3450億円もの債権を持っているが、ウクライナには返済の可能性はない。EUも金融支援に話が及ぶと、その動きは極めて慎重
になる。
 
そこに登場するのが日本である。そしてウクライナに落ちる日本円を彼らが債務の返済として、ロシアに返せば、それは日本によるロシア支援にもなる

 端的に言えば、
「ウクライナ問題を利用した日本政府のロシア救援作戦」
と彼は考える。これを実行するには、日本、ウクライナ、ロシアという関係3国の密接な協力が必要であり、その作業はまさに桜の咲く現在行われている、というのが彼が大勢のロシア人知人を東京で見た結論であった。

 筆者は、この説を否定する材料も、かといって裏書きする情報も持っていない。しかし日本との経済関係の希薄なウクライナに、どうして1500億円もの支援をするのか、なぜ日本が国費を使ってまでポロシェンコ大統領を招聘するのか、このあたりの理由を説明するには都合のよい話だと思っている。

<後略> 


 記事では、もう一つの支援策としては食品の相互輸出を取り上げた上で、G7へのロシア大統領招聘を提案しています。
 一般的には、日露関係の改善、日本の国際社会における影響力の拡大という、一石二鳥の効果を狙っているとされる、以下の記事に代表される見解が多いですね。
 
安倍氏がロシアのG7復帰を提案、一石二鳥の効果も_中国網_日本語

 米国の新大統領に、ヒラリー氏が就くのか、トランプ氏になるのかは未明ですが、いずれにしても日本が自立した国際外交が求められる様になることは変わりない情勢ですね。
 東アジアのパワーバランスは、米国の介入をのぞけば、日中露の三角関係で保たれてきたと言っても過言ではありません。ある時は、中露(ソ連)が接近し、日本と対抗、ある時は、中国が日本に接近してロシア(ソ連)と対抗、ある時は、日露が接近して中国をけん制といった場面の変遷でした。
 また、裏を返せば、中露、日露、日中の関係が、夫々反発しあっていたとも言えます。ロシアの力が低下している今は、G7等から制裁を受け、渋々中国と接近しているロシアですが、中国の脅威を認識し、けん制の為に日本接近をちらつかせているのがプーチン大統領の戦術と言えるでしょう。

 G7に向け、安倍首相がどのような世界トップレベルに影響を及ぼす外交を展開するのか。歴代の日本の首相にはみられなかった水準へのチャレンジが功を奏するか、注目です。と、同時に、レベルが低下し、自国に籠る米国のトレンドの中、自立が必要な日本の活路が開けるかの試金石でもありますね。



 # 冒頭の画像は、安倍首相がウクライナを昨年6月に訪問した時の両国首脳




  この花の名前は、シマカンギク


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