戦後最大の日本の安全保障の危機を招いている、切迫した北朝鮮の核とミサイル開発。日本列島を沈没させると嘯く金正恩は、文在寅を翻弄し、平昌オリンピックを平壌オリンピック化して国際社会にテロ国家イメージの払しょくに努めています。
日本のテレビのワイドショー等はその先棒をかついで、オリンピックの競技の報道とどっちが主役なのかまごうほどの喧伝ぶりですね。
その騒動の陰で、北朝鮮の保護者の中国は、仲裁裁判所が違法と裁定した人口島の軍事化をほぼ完成させているようです。
仲裁裁判所に提訴したフィリピンが、フィリピンの経済を仕切っているとされる華人と同じ血筋のドゥテルテ大統領誕生で、中国に接近し、仲裁裁判所の裁定が無視される現状となっています。
加えて、米太平洋軍が当初から唱えていた人口島対抗作戦に遅ればせながら腰をあげたオバマ大統領とそれを引き継いでいるトランプ大統領下での「航行の自由作戦(FONOP)」の緩慢な行動で、中国は仲裁裁判所の裁定を無視し着々と軍事基地化を進めてきたのですね。
それどころか、盗人猛々しいとはこのことで、逆に「アメリカ海軍によるFONOPにより中国領域が軍事的脅威を受けている」と主張し、「軍事的脅威に対抗するために南沙諸島や西沙諸島の防備を強固にしなければならない」と軍備強化を堂々と推進する始末。国際法の無視も甚だしいのですが、それが通用してしまっている現実。法よりも軍事力が優位になってしまっています。
アメリカの実施している南シナ海でのFONOPは、中国側に対する牽制効果などゼロなのが現実なのです。
では、この無法者国家にどう対峙すれば良いのか。
FONOPが及び腰の運用で効果が無いのは、中国は確固たる長期的海軍戦略をもとに行動しているが、アメリカ側にはそれに対抗し得る海軍戦略が存在せず対処療法的作戦にすぎないからなのですね。
中国海軍・空軍・ロケット軍が睨みを効かせる南シナ海や東シナ海において、アメリカ海軍がかつてのように軍事的優勢を手中に収めることはもはやはなはだ困難であると言わざるを得ないと、北村氏。
どうすれば良いのか。
北村氏は、中国の積極防衛戦略に効果的に対抗するだけの海軍戦略を生み出さなければ、中国の極めて強力な膨張主義的海洋侵出の勢いを減衰させることはできないという結論。その具体論は語られていません。
具体論を起案しているのは、安倍首相の「自由で開かれたインド太平洋戦略」。
トランプ大統領がアジア歴訪時に賛同し、唱えて回り、インド、オーストラリアも賛同しています。米豪間でも推進の協議がなされるのですね
米豪首脳、来月会談か=対北朝鮮・中国、同盟強化へ | 時事ドットコム 2018/01/25-14:10
米国まかせではなく、インド、オーストラリア、日本等も連携して国際法の順守と航行の自由を守り、力で覇権を拡大し現状変更を進める中国を抑止しようということですね。
米国におんぶにだっこで「海軍戦略」や「国防戦略」が遅れている日本。対北朝鮮戦略も含め、時代に即したものの構築が急がれますね。
# 冒頭の画像は、人工島の造成に用いるとみられる、江蘇省啓東の港で進水する浚渫船「天鯤号」
南シナ海での工事は「着実に前進」、島の面積はさらに拡大へ 中国 :AFPBB News
この花の名前は、ヒヨス
竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube
杉原由美子氏による絵本「メチのいた島」読み聞かせ - YouTube
尖閣諸島に関する動画 / 政府広報 - YouTube
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日本のテレビのワイドショー等はその先棒をかついで、オリンピックの競技の報道とどっちが主役なのかまごうほどの喧伝ぶりですね。
その騒動の陰で、北朝鮮の保護者の中国は、仲裁裁判所が違法と裁定した人口島の軍事化をほぼ完成させているようです。
日米の無策をよそに、中国が南シナ海をほぼ掌握 中国の人工島基地、北朝鮮問題に隠れてますます充実 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2018.2.15(木) 北村 淳
北朝鮮による核・ICBM開発問題、ならびに平昌オリンピックを利用しての南北対話の開始などによって、南沙諸島における中国の武装化が国際社会で目立たなくなってしまっている。そんな状況にますます危機感を強めるフィリピンは、中国人工島建設の進捗状況を物語る写真を数点公開した。それらには、人工島内に建設された“立派な”建造物やレーダーサイト、監視塔、灯台などが鮮明に映し出されている。
■「人工島建設は国際貢献」?
今回フィリピンが公開した写真以外に、米シンクタンクや米国防総省なども南沙諸島の中国人工島建設状況に関する空中写真などを断続的に公表している。
それらの写真情報によると、かねてより明らかになっていた3つの人工島に設置された3000メートル級滑走路の周辺には、格納整備施設をはじめとする建造物などが着々と整備され、航空基地が完成しつつある。それらの主要人工島だけでなく7つの人工島すべてにさまざまなレーダー設備や通信施設が設置されており、南沙諸島に点在した人工島をネットワーク化した中国人民解放軍の前進軍事拠点(南沙海洋基地群)が完成するのは間近と考えられる。
<中略>
中国当局によると、南沙諸島にナビゲーション設備や気象観測施設を設置することによって、南シナ海での海上交通や航空交通の安全性が格段と高まり、漁業従事者などにとっても操業の安全が確保されるとしている。そして万一、事故や遭難などが発生した場合にも、それら人工島に設置された各種施設を拠点にしていち早い救難活動が展開することができることを強調している。南沙諸島での人工島建設は、まさに「中国による国際貢献の最たるものである」と胸を張っているのだ。
■「軍事施設の設置」が実効支配の証拠に
南沙諸島を巡って中国と領有権紛争係争中のフィリピンやベトナムをはじめとする南シナ海沿岸諸国や、公海航行自由原則の維持を国是とするアメリカなどは、南沙人工島での軍事施設建設をもちろん非難している。だが、中国側はそうした非難に対して、「中国固有の領土である南沙諸島に軍事的防衛施設を建設するのは、国家主権を守るために当然の権利であり、国家としての義務でもある」と反論している。
確かに中国側の主張するように、大型灯台、通信施設、レーダーサイト、監視塔、3000メートル級滑走路、ヘリポート、港湾施設などは、ナビゲーション関連施設、気象観測施設、そして救難施設とも見なすことも可能である(そもそも軍事施設はナビゲーション、気象観測、救難行動に有用であり、区別することはできない)。
そして、「南沙諸島が中国領なのかフィリピン領なのかベトナム領なのか」といった領有権問題に関する判断とは切り離した場合、「領有権を保持している国家が防衛設備を建設するのは権利であると共に義務である」という“理屈”も、それ自体は荒唐無稽な主張ではない(もちろんフィリピンやベトナムなど係争国にとっては「100%受け入れ難い」主張ではあるが)。
中国の“理屈”を逆説的に言い換えるならば、中国が南沙諸島の領有権を名実ともに手にするためには、誰の目から見ても「中国が南沙諸島を実効支配している」という状況をつくり出し、維持しなければならない。すなわち、「国家主権がおよぶ領域に軍事的防衛施設が設置されている」ことこそ、「その領域を実効支配している」目に見える形での証拠ということになるのだ。
■無力だったアメリカ
中国が実際に暗礁を人工島に生まれ変わらせ、それらの人工島に様々な施設を建設して多くの人員を“居住”させてしまった場合、現実的問題として、それらの人工島を「元の状態に戻せ」あるいは「人工島を放棄して立ち去れ」といった要求を中国側に突きつけることは、不可能である。それは人工島建設開始当初から誰の目にも明白であった。
しかしながら、海洋軍事力が中国とは比べることができないほど貧弱なフィリピンや、やはり海軍力が弱体であるベトナムなどは、軍事力を背景にした強硬姿勢をもって中国の南沙人工島建設に対抗することは、とてもできない相談であった。
そして、フィリピンが軍事的に依存している同盟国アメリカとしても、人工島建設作業そのものは軍事行動とは見なせないため、海軍力を動員しての牽制には無理があった(もっとも、オバマ政権は中国を刺激しない政策をとっていたため、人工島建設作業を軍事的に阻止することなど思いもよらなかった)。
とはいうものの、アメリカとしては、フィリピンだけでなく日本などアメリカに軍事的に依存している同盟諸国の手前、南シナ海での中国の覇権的拡張行動に対して、なんらかの軍事的牽制を加える姿勢を(たとえポーズであっても)示さないわけにはいかない。そこでオバマ政権およびトランプ政権が実施しているのが、南沙諸島や西沙諸島での「公海航行自由原則維持のための作戦」(FONOP)である。
中国人工島建設を牽制する意図を持ったFONOPは、2015年10月27日の開始以来、合わせて9回(オバマ政権下で4回、トランプ政権になってこれまで5回)実施された。だが、中国による人工島建設そして軍事基地化はまったくFONOPの影響を受けることなく、着実に進んでいる。
それどころか中国側は、「アメリカ海軍によるFONOPにより中国領域が軍事的脅威を受けている」と主張し、「軍事的脅威に対抗するために南沙諸島や西沙諸島の防備を強固にしなければならない」という論理により、対空ミサイルや対艦ミサイルを持ち込み、戦闘機部隊を配備するなどますます大っぴらに南沙人工島の軍備増強を加速している。
結果だけを見れば、アメリカの実施している南シナ海でのFONOPは、中国側に対する牽制効果などゼロであり、逆に中国当局に対して南シナ海での軍備増強を実施する口実を与えているだけである。
■腹をくくらねばならない日本
アメリカ当局はこのような事実を無視して、戦略変更をすることなく惰性的にFONOPを続けており、まさに無策と言うしかない。
南シナ海だけでなく東シナ海でも中国の軍事的脅威と直面している日本としては、アメリカに路線変更(もちろん日本による積極的関与も含めて)を迫る必要がある。それとともに、「尖閣諸島は日本固有の領土である」という事実を「誰の目から見ても日本が実効支配している」という状態を造り出すことによって担保しなければならない。
南シナ海での現状は、「アメリカ軍事力への神頼み」あるいは「アメリカ軍事力の威を借る」ことが、中国の膨張主義的海洋進出戦略の前にはもはや無力であることを示しているのだ。
北朝鮮による核・ICBM開発問題、ならびに平昌オリンピックを利用しての南北対話の開始などによって、南沙諸島における中国の武装化が国際社会で目立たなくなってしまっている。そんな状況にますます危機感を強めるフィリピンは、中国人工島建設の進捗状況を物語る写真を数点公開した。それらには、人工島内に建設された“立派な”建造物やレーダーサイト、監視塔、灯台などが鮮明に映し出されている。
■「人工島建設は国際貢献」?
今回フィリピンが公開した写真以外に、米シンクタンクや米国防総省なども南沙諸島の中国人工島建設状況に関する空中写真などを断続的に公表している。
それらの写真情報によると、かねてより明らかになっていた3つの人工島に設置された3000メートル級滑走路の周辺には、格納整備施設をはじめとする建造物などが着々と整備され、航空基地が完成しつつある。それらの主要人工島だけでなく7つの人工島すべてにさまざまなレーダー設備や通信施設が設置されており、南沙諸島に点在した人工島をネットワーク化した中国人民解放軍の前進軍事拠点(南沙海洋基地群)が完成するのは間近と考えられる。
<中略>
中国当局によると、南沙諸島にナビゲーション設備や気象観測施設を設置することによって、南シナ海での海上交通や航空交通の安全性が格段と高まり、漁業従事者などにとっても操業の安全が確保されるとしている。そして万一、事故や遭難などが発生した場合にも、それら人工島に設置された各種施設を拠点にしていち早い救難活動が展開することができることを強調している。南沙諸島での人工島建設は、まさに「中国による国際貢献の最たるものである」と胸を張っているのだ。
■「軍事施設の設置」が実効支配の証拠に
南沙諸島を巡って中国と領有権紛争係争中のフィリピンやベトナムをはじめとする南シナ海沿岸諸国や、公海航行自由原則の維持を国是とするアメリカなどは、南沙人工島での軍事施設建設をもちろん非難している。だが、中国側はそうした非難に対して、「中国固有の領土である南沙諸島に軍事的防衛施設を建設するのは、国家主権を守るために当然の権利であり、国家としての義務でもある」と反論している。
確かに中国側の主張するように、大型灯台、通信施設、レーダーサイト、監視塔、3000メートル級滑走路、ヘリポート、港湾施設などは、ナビゲーション関連施設、気象観測施設、そして救難施設とも見なすことも可能である(そもそも軍事施設はナビゲーション、気象観測、救難行動に有用であり、区別することはできない)。
そして、「南沙諸島が中国領なのかフィリピン領なのかベトナム領なのか」といった領有権問題に関する判断とは切り離した場合、「領有権を保持している国家が防衛設備を建設するのは権利であると共に義務である」という“理屈”も、それ自体は荒唐無稽な主張ではない(もちろんフィリピンやベトナムなど係争国にとっては「100%受け入れ難い」主張ではあるが)。
中国の“理屈”を逆説的に言い換えるならば、中国が南沙諸島の領有権を名実ともに手にするためには、誰の目から見ても「中国が南沙諸島を実効支配している」という状況をつくり出し、維持しなければならない。すなわち、「国家主権がおよぶ領域に軍事的防衛施設が設置されている」ことこそ、「その領域を実効支配している」目に見える形での証拠ということになるのだ。
■無力だったアメリカ
中国が実際に暗礁を人工島に生まれ変わらせ、それらの人工島に様々な施設を建設して多くの人員を“居住”させてしまった場合、現実的問題として、それらの人工島を「元の状態に戻せ」あるいは「人工島を放棄して立ち去れ」といった要求を中国側に突きつけることは、不可能である。それは人工島建設開始当初から誰の目にも明白であった。
しかしながら、海洋軍事力が中国とは比べることができないほど貧弱なフィリピンや、やはり海軍力が弱体であるベトナムなどは、軍事力を背景にした強硬姿勢をもって中国の南沙人工島建設に対抗することは、とてもできない相談であった。
そして、フィリピンが軍事的に依存している同盟国アメリカとしても、人工島建設作業そのものは軍事行動とは見なせないため、海軍力を動員しての牽制には無理があった(もっとも、オバマ政権は中国を刺激しない政策をとっていたため、人工島建設作業を軍事的に阻止することなど思いもよらなかった)。
とはいうものの、アメリカとしては、フィリピンだけでなく日本などアメリカに軍事的に依存している同盟諸国の手前、南シナ海での中国の覇権的拡張行動に対して、なんらかの軍事的牽制を加える姿勢を(たとえポーズであっても)示さないわけにはいかない。そこでオバマ政権およびトランプ政権が実施しているのが、南沙諸島や西沙諸島での「公海航行自由原則維持のための作戦」(FONOP)である。
中国人工島建設を牽制する意図を持ったFONOPは、2015年10月27日の開始以来、合わせて9回(オバマ政権下で4回、トランプ政権になってこれまで5回)実施された。だが、中国による人工島建設そして軍事基地化はまったくFONOPの影響を受けることなく、着実に進んでいる。
それどころか中国側は、「アメリカ海軍によるFONOPにより中国領域が軍事的脅威を受けている」と主張し、「軍事的脅威に対抗するために南沙諸島や西沙諸島の防備を強固にしなければならない」という論理により、対空ミサイルや対艦ミサイルを持ち込み、戦闘機部隊を配備するなどますます大っぴらに南沙人工島の軍備増強を加速している。
結果だけを見れば、アメリカの実施している南シナ海でのFONOPは、中国側に対する牽制効果などゼロであり、逆に中国当局に対して南シナ海での軍備増強を実施する口実を与えているだけである。
■腹をくくらねばならない日本
アメリカ当局はこのような事実を無視して、戦略変更をすることなく惰性的にFONOPを続けており、まさに無策と言うしかない。
南シナ海だけでなく東シナ海でも中国の軍事的脅威と直面している日本としては、アメリカに路線変更(もちろん日本による積極的関与も含めて)を迫る必要がある。それとともに、「尖閣諸島は日本固有の領土である」という事実を「誰の目から見ても日本が実効支配している」という状態を造り出すことによって担保しなければならない。
南シナ海での現状は、「アメリカ軍事力への神頼み」あるいは「アメリカ軍事力の威を借る」ことが、中国の膨張主義的海洋進出戦略の前にはもはや無力であることを示しているのだ。
仲裁裁判所に提訴したフィリピンが、フィリピンの経済を仕切っているとされる華人と同じ血筋のドゥテルテ大統領誕生で、中国に接近し、仲裁裁判所の裁定が無視される現状となっています。
加えて、米太平洋軍が当初から唱えていた人口島対抗作戦に遅ればせながら腰をあげたオバマ大統領とそれを引き継いでいるトランプ大統領下での「航行の自由作戦(FONOP)」の緩慢な行動で、中国は仲裁裁判所の裁定を無視し着々と軍事基地化を進めてきたのですね。
それどころか、盗人猛々しいとはこのことで、逆に「アメリカ海軍によるFONOPにより中国領域が軍事的脅威を受けている」と主張し、「軍事的脅威に対抗するために南沙諸島や西沙諸島の防備を強固にしなければならない」と軍備強化を堂々と推進する始末。国際法の無視も甚だしいのですが、それが通用してしまっている現実。法よりも軍事力が優位になってしまっています。
アメリカの実施している南シナ海でのFONOPは、中国側に対する牽制効果などゼロなのが現実なのです。
では、この無法者国家にどう対峙すれば良いのか。
中国の海洋侵出を食い止めるために日米がすべきこと 対処療法的な方針では焼け石に水、確固たる海軍戦略が不可欠 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2018.1.5(金) 北村 淳
<前略>
■海軍戦略を欠くアメリカ
もしトランプ政権が、北朝鮮問題に対する中国の役割に期待する無益さを真摯に受け止めて、中国の膨張主義的海洋侵出政策に対して本腰を入れて妨害する決断をなしたとしよう。この場合、マティス長官率いるペンタゴンが南シナ海や東シナ海で中国海洋戦力に対峙する動きを開始させることになる。
とはいっても、現在の米海軍の態勢では、とても中国の海洋侵出の勢いを大きく減速させたり食い止めたりすることはできそうにもない。
なぜならば、中国は確固たる長期的海軍戦略を手にしているが、アメリカ側にはそれに対抗し得る海軍戦略が存在しないからだ。中国の南シナ海(そして東シナ海)での軍事的優勢の確保は、「積極防衛戦略」(米軍ではしばしば「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略」と呼ばれている)と呼称される国防戦略に立脚して着々と推し進められている。一方、アメリカ側は中国側の動きに応じて対処療法的な方針を繰り出しているに過ぎない。
中国は「よく練られ、適宜に修正を加えられつつある」海軍戦略を基に、南シナ海や東シナ海において次から次へと様々な手を打ち、主導権を手にしつつある。それに対してアメリカ側は海軍戦略といえるものを手にしていないため、押っ取り刀で対応し、結局は中国に振り回されているのが現在の構図である。そうした現状では、中国海軍・空軍・ロケット軍が睨みを効かせる南シナ海や東シナ海において、アメリカ海軍がかつてのように軍事的優勢を手中に収めることはもはやはなはだ困難であると言わざるを得ない。
たしかに、トランプ大統領は、355隻海軍建設のための法的根拠を実現させた。しかし、その355隻の主要戦闘艦が造り出され、アメリカ海軍がかつての大海軍の座を手にするまでには、10年以上もの年月がかかるとも言われている。その間、中国が待っていてくれはしない。
それどころか、数隻の空母や多数の潜水艦を含む500隻大海軍が南シナ海、東シナ海、西太平洋、インド洋に展開し、東シナ海や南シナ海沿岸部からは無数の対艦ミサイルや対空ミサイルが中国大陸に接近する敵勢力に備えているという、積極防衛戦略が描いている状況が実現してしまうことになる。
■日米共に効果的な海軍戦略が必要
トランプ政権が打ち出したアメリカ海軍の大増強政策は長期的には必要不可欠な方針である。しかしながら、軍艦という「モノ作り」の前に、中国の積極防衛戦略に効果的に対抗するだけの海軍戦略を生み出さなければ、中国の極めて強力な膨張主義的海洋侵出の勢いを減衰させることはできない。
もちろん、アメリカ以上に海軍戦略(そして国防戦略そのものも)不在状態が続いている日本が可及的速やかに「国防戦略」や「海軍戦略」といえるだけの戦略を策定しなければ、未来永劫アメリカの軍事的属国、そしていずれは中国の属国の地位から脱却できないことは言を俟たない。
<前略>
■海軍戦略を欠くアメリカ
もしトランプ政権が、北朝鮮問題に対する中国の役割に期待する無益さを真摯に受け止めて、中国の膨張主義的海洋侵出政策に対して本腰を入れて妨害する決断をなしたとしよう。この場合、マティス長官率いるペンタゴンが南シナ海や東シナ海で中国海洋戦力に対峙する動きを開始させることになる。
とはいっても、現在の米海軍の態勢では、とても中国の海洋侵出の勢いを大きく減速させたり食い止めたりすることはできそうにもない。
なぜならば、中国は確固たる長期的海軍戦略を手にしているが、アメリカ側にはそれに対抗し得る海軍戦略が存在しないからだ。中国の南シナ海(そして東シナ海)での軍事的優勢の確保は、「積極防衛戦略」(米軍ではしばしば「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略」と呼ばれている)と呼称される国防戦略に立脚して着々と推し進められている。一方、アメリカ側は中国側の動きに応じて対処療法的な方針を繰り出しているに過ぎない。
中国は「よく練られ、適宜に修正を加えられつつある」海軍戦略を基に、南シナ海や東シナ海において次から次へと様々な手を打ち、主導権を手にしつつある。それに対してアメリカ側は海軍戦略といえるものを手にしていないため、押っ取り刀で対応し、結局は中国に振り回されているのが現在の構図である。そうした現状では、中国海軍・空軍・ロケット軍が睨みを効かせる南シナ海や東シナ海において、アメリカ海軍がかつてのように軍事的優勢を手中に収めることはもはやはなはだ困難であると言わざるを得ない。
たしかに、トランプ大統領は、355隻海軍建設のための法的根拠を実現させた。しかし、その355隻の主要戦闘艦が造り出され、アメリカ海軍がかつての大海軍の座を手にするまでには、10年以上もの年月がかかるとも言われている。その間、中国が待っていてくれはしない。
それどころか、数隻の空母や多数の潜水艦を含む500隻大海軍が南シナ海、東シナ海、西太平洋、インド洋に展開し、東シナ海や南シナ海沿岸部からは無数の対艦ミサイルや対空ミサイルが中国大陸に接近する敵勢力に備えているという、積極防衛戦略が描いている状況が実現してしまうことになる。
■日米共に効果的な海軍戦略が必要
トランプ政権が打ち出したアメリカ海軍の大増強政策は長期的には必要不可欠な方針である。しかしながら、軍艦という「モノ作り」の前に、中国の積極防衛戦略に効果的に対抗するだけの海軍戦略を生み出さなければ、中国の極めて強力な膨張主義的海洋侵出の勢いを減衰させることはできない。
もちろん、アメリカ以上に海軍戦略(そして国防戦略そのものも)不在状態が続いている日本が可及的速やかに「国防戦略」や「海軍戦略」といえるだけの戦略を策定しなければ、未来永劫アメリカの軍事的属国、そしていずれは中国の属国の地位から脱却できないことは言を俟たない。
FONOPが及び腰の運用で効果が無いのは、中国は確固たる長期的海軍戦略をもとに行動しているが、アメリカ側にはそれに対抗し得る海軍戦略が存在せず対処療法的作戦にすぎないからなのですね。
中国海軍・空軍・ロケット軍が睨みを効かせる南シナ海や東シナ海において、アメリカ海軍がかつてのように軍事的優勢を手中に収めることはもはやはなはだ困難であると言わざるを得ないと、北村氏。
どうすれば良いのか。
北村氏は、中国の積極防衛戦略に効果的に対抗するだけの海軍戦略を生み出さなければ、中国の極めて強力な膨張主義的海洋侵出の勢いを減衰させることはできないという結論。その具体論は語られていません。
具体論を起案しているのは、安倍首相の「自由で開かれたインド太平洋戦略」。
トランプ大統領がアジア歴訪時に賛同し、唱えて回り、インド、オーストラリアも賛同しています。米豪間でも推進の協議がなされるのですね
米豪首脳、来月会談か=対北朝鮮・中国、同盟強化へ | 時事ドットコム 2018/01/25-14:10
米国まかせではなく、インド、オーストラリア、日本等も連携して国際法の順守と航行の自由を守り、力で覇権を拡大し現状変更を進める中国を抑止しようということですね。
米国におんぶにだっこで「海軍戦略」や「国防戦略」が遅れている日本。対北朝鮮戦略も含め、時代に即したものの構築が急がれますね。
# 冒頭の画像は、人工島の造成に用いるとみられる、江蘇省啓東の港で進水する浚渫船「天鯤号」
南シナ海での工事は「着実に前進」、島の面積はさらに拡大へ 中国 :AFPBB News
この花の名前は、ヒヨス
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