遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米上院 人民元切り上げを促す法案を可決

2011-10-14 00:18:16 | my notice
 リーマンショックを産んだ米国。デフォルトの危機を招いたギリシャの国債負担で揺らぐEC。ドルやユーロ安で、避難する資金により異常な円高にあえぐ日本。一方、世界の工場から成長を始め、今や世界第二位のGDPを誇るまで上り詰め、輸出額世界一を続け独り勝ちと言える中国。
 自由主義経済の国々が苦しんでいる中を、社会主義の中国が伸びるのは、そういった国家体制の差のせいなのでしょうか?
 いいえ、自由主義経済の土俵の上で、独り非自由な統制経済で、ハンディ戦の有利な戦いを許されているからです。ただでさえ安いコストを武器にした他に、為替管理でも価格競争を有利に展開せしめているのですね。
 人民元のレートに苦情を言い続けてきたのが米国でしたが、いよいよ上院で「為替相場監視改革法案」を可決し、報復関税を課すことを目指すことにしたようですね。
 

対中制裁法案を可決 米上院人民元切り上げ促す 中国は反発 (10/13 読売)

 【ワシントン=岡田章裕、北京=幸内康】米上院は11日、中国に人民元の切り上げを促す対中制裁法案(為替相場監視改革法案)を賛成多数で可決した。中国を念頭に自国通貨の為替相場を継続的に切り下げている外国政府を、実質的に国内企業に輸出補助金を与えていると認定し、報復関税を課す内容だ。これに対し、中国政府は反発する声明を即時に発表した。同法案が成立するかどうかは見通せないものの、当面、米中間の緊張が強まりそう
だ。
 法案の上院通過を受けて、中国外務省と商務省、中国人民銀行(中央銀行)は一斉に談話を発表し、「法案は世界貿易機関(WTO)ルールへの重大な違反」(外務省)、「法案が成立すれば、中米の貿易関係に大きな損害を与える」(商務省)との懸念を表明した。
 人民銀は同時に、人民元相場制度に関する報告書を発表。2005年7月の制度改革以降、人民元がドルに対し30・2%上昇し、経常黒字の対国内総生産(GDP)比率も07年の10・1%が今年前半には2・8%にまで下がった点を挙げ、「人民元相場は合理的で均衡の取れた水準に徐々に向かっている」と強調した。
 米国内には、
中国が人民元相場を不当に安く抑えて、中国製品の輸出競争力を高め、米企業の雇用を脅かしているとの声が多い一方で、法案が成立すれば米企業が中国で不利益を被ると懸念する声もある。共和党指導部は法案に否定的で、オバマ政権も慎重な姿勢で、今後の下院での審議の行方は不透明だ。

 人民元の自由化がなされ、同じ土俵でハンディなしで経済競争をし、名実共に世界のトップクラスの経済大国としての義務を、中国は負うべきなのです。そのことはまた、公平な経済競争を招くだけでなく、ドルやユーロから非難する資金が、円に集中することから、人民元に分散されることで、超円高を回避することも望めるのです。

 しかしながら、実力の衰えた米国は、中国を牽制しきれるかと言うと、中国経済への依存度が高まった昨今ではかつての様な牽制力はなく、法案が成立すれば米企業が中国で不利益を被ると、しり込みをするむきもあるとのことで、共和党指導部やオバマ大統領は、否定的であったり慎重であったりしているようで、下院での動向も含め実現に結びつくかは、見通せない様ですね。

 中国が、即座に反応を示したということは、それなりの効果はあったともいえるわけで、圧力をかける行為は今後も継続していただきたいし、日本も協調して圧力をかけるべきですね。
 武力で対抗するだけが戦争ではなく、経済戦争での攻撃は、専守防衛の制限はありませんので、どんどん行うべきでしょう。投資の割には効果が一瞬に限定される為替介入よりは、無駄な投資もなく効果は大きいと考えますが、いかがでしょう。

  # 冒頭の写真は、「為替相場監視改革法案」の米下院での審議に反対する米共和党のベイナー下院議長




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