中国が進める「九段線」を根拠とする南シナ海の人口島建設と領有権主張は、仲裁裁判所の裁定で不法行為とされたにもかかわらず、その軍事化は着々と進められています。
一時は軍事拠点化ではないと言っていましたが、今や軍港や空軍用滑走路どころか、主力戦略爆撃機「H(轟)6K」や、対艦、地対空ミサイルの配備に至ってしまっています。
一方、米国は久しぶりに「航行の自由作戦」を敢行し、ミサイル駆逐艦など2隻を、パラセル(西沙)諸島のウッディ島やツリー島などの12カイリ(約22キロ・メートル)内を航行させたのだそうです。
更に、6月1~3日にシンガポールで開かれる英国際戦略研究所主催の「アジア安全保障会議(シャングリラ 2018)」でも取り上げられるのだそうです。
米軍が実行した「航行の自由作戦」の、パラセル(西沙)諸島のウッディ島やツリー島などの12カイリ内の、ミサイル駆逐艦など2隻の航行について、激しく反発した中国は、中国軍が米艦艇を「追い払った」と強調し、「中国軍は海空の軍備を増強しており、国家主権を守り抜く決意は断固として揺るがない」との談話を発表したのだそうです。
仲裁裁判所の裁定=国際法を完全無視しているのは中国です。
深海の南シナ海を勇躍する原子力潜水艦のミサイルによる、A2AD戦略で、米空母艦隊の接近を阻止する中国は、人口島の不沈基地化でさらに戦力を強化しているのですが、狙いは国共内戦の総仕上げとしての、毛沢東の悲願でもあった「台湾併合」。
国産空母の試験航行も行われ、19年中に就役の予定で、更に、米国の空母が備えるカタパルトの技術を盗用するとされる国産空母の建設が進められていることは、諸兄がご承知の通りです。
米中両国や東南アジアなどの軍幹部らが参加して6月1~3日にシンガポールで開かれる「アジア安全保障会議(シャングラ 2018)」では、南シナ海問題は大きな焦点となるとのこと。
日本から、昨年は稲田大臣が出席しています。
稲田防衛大臣の第16回IISSアジア安全保障会議への出席
及び三国間・二国間会談等について(概要)
今回、何処まで中国に抑止力を働かせることができるのか、注目されます。
# 冒頭の画像は、昨年のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に出席中、三者会談をした、稲田朋美防衛相、米マティス国防長官、豪ペイン国防相
アジア安全保障会議 中国に対する手詰まり感 - 遊爺雑記帳
この花の名前は、アキチョウジ
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一時は軍事拠点化ではないと言っていましたが、今や軍港や空軍用滑走路どころか、主力戦略爆撃機「H(轟)6K」や、対艦、地対空ミサイルの配備に至ってしまっています。
一方、米国は久しぶりに「航行の自由作戦」を敢行し、ミサイル駆逐艦など2隻を、パラセル(西沙)諸島のウッディ島やツリー島などの12カイリ(約22キロ・メートル)内を航行させたのだそうです。
更に、6月1~3日にシンガポールで開かれる英国際戦略研究所主催の「アジア安全保障会議(シャングリラ 2018)」でも取り上げられるのだそうです。
南シナ海 緊張高まる 中国 軍拡が加速 米警戒 艦艇派遣 (5/29 読売朝刊)
【北京=東慶一郎、ワシントン=海谷道隆】米国と中国がせめぎ合う南シナ海で、緊張が再び高まっている。中国の習近平政権が軍備増強を急速に進めているからだ。両国や東南アジアなどの軍幹部らが参加して6月1~3日にシンガポールで開かれる「アジア安全保障会議」(英国際戦略研究所主催)でも、南シナ海問題は大きな焦点となる。
アジア安保会議の焦点
「航行の自由」
中国国防省などによると、米海軍は27日、ミサイル駆逐艦など2隻を南シナ海に派遣し、中国が「領海」と主張する、パラセル(西沙)諸島のウッディ島やツリー島などの12カイリ(約22キロ・メートル)内を航行させた。中国による南シナ海の軍事拠点化をけん制する「航行の自由作戦」の一環だ。
中国側はこれに激しく反発。同省報道官は27日夜、中国軍が米艦艇を「追い払った」と強調し、「中国軍は海空の軍備を増強しており、国家主権を守り抜く決意は断固として揺るがない」との談話を発表した。
爆撃機が訓練
ベトナムなど、中国の軍事的存在感の高まりを警戒する国が多い南シナ海問題は、「米国が中国に対し、最も強硬に出やすい争点」(香港紙幹部)だ。マティス米国防長官はアジア安全保障会議で、中国の海洋への膨張に矛先を向ける可能性が高い。
ただ、米国ではすでに、「南シナ海の軍事拠点化がこれ以上進めば、米艦艇が危険にさらされる」(米軍幹部)との懸念が出ている。中国共産党関係者によると、習政権はこれを見透かし、「米側の非難や警告を受け流しつつ、粛々と軍事拠点化を進める」方針だという。
実際、中国が人工島化した、スプラトリー(南沙)諸島のファイアリー・クロス、スービ、ミスチーフの3礁では最近、対艦、地対空ミサイルの配備が初めて確認された。迎撃回避能力の高い超音速対艦巡航ミサイル「YJ(鷹撃)12」と地対空ミサイル「HQ(紅旗)9」の可能性が強い。18日には、主力戦略爆撃機「H(轟)6K」によるウッディ島での初の離着陸訓練も明らかとなった。人工島に建設された滑走路の堅固さを証明するもので、今後、各人工島を拠点としたH6Kの作戦行動も可能になるとみられる。
「台湾統一」
習国家主席の最大の目標は「台湾統一」だ。それに向け中国は、伊豆諸島からグアムに至る第2列島線の内側で米軍の作戦行動や増援を阻み、南西諸島とフィリピンを結ぶ第1列島線内に米軍を入れない軍事戦略を掲げる。南シナ海の軍事拠点化は第1列島線を念頭に置いた布石というわけだ。
第2列島線内で米軍を脅かす新兵器の開発も進む。国防省が4月に配備を明かした中距離弾道ミサイル「DF(東風)26」(射程・推定約4000キロ)はその代表だ。「陸上目標も海上の艦艇も正確に攻撃できる」(国防省報道官)という同ミサイルは「グアムキラー」の異名を持つ。
米軍のステルス戦略爆撃機B2に対抗すべく開発が進む次世代ステルス戦略爆撃機「H(轟)20」についても、軍事専門家は「配備となれば、グアムへの直接的な脅威となる」と指摘する。5月上旬には、国産大型輸送機「Y(運)20」による初の物資投下訓練も公表された。空軍の弱点とされてきた輸送能力も向上しつつある。
中国軍は5月下旬、2012年就役の1隻目の空母「遼寧」(母港・青島)が艦載機の夜間発着艦訓練を行う動画を初めて公開。昨年進水し、19年中に就役との観測がある初の国産空母も今月13~18日に最初の試験航海を行った。中国軍関係者によると、将来の「武力による台湾統一」を想定し、複数の空母で台湾海峡と西太平洋から「挟撃」する構想も存在するという。
【北京=東慶一郎、ワシントン=海谷道隆】米国と中国がせめぎ合う南シナ海で、緊張が再び高まっている。中国の習近平政権が軍備増強を急速に進めているからだ。両国や東南アジアなどの軍幹部らが参加して6月1~3日にシンガポールで開かれる「アジア安全保障会議」(英国際戦略研究所主催)でも、南シナ海問題は大きな焦点となる。
アジア安保会議の焦点
「航行の自由」
中国国防省などによると、米海軍は27日、ミサイル駆逐艦など2隻を南シナ海に派遣し、中国が「領海」と主張する、パラセル(西沙)諸島のウッディ島やツリー島などの12カイリ(約22キロ・メートル)内を航行させた。中国による南シナ海の軍事拠点化をけん制する「航行の自由作戦」の一環だ。
中国側はこれに激しく反発。同省報道官は27日夜、中国軍が米艦艇を「追い払った」と強調し、「中国軍は海空の軍備を増強しており、国家主権を守り抜く決意は断固として揺るがない」との談話を発表した。
爆撃機が訓練
ベトナムなど、中国の軍事的存在感の高まりを警戒する国が多い南シナ海問題は、「米国が中国に対し、最も強硬に出やすい争点」(香港紙幹部)だ。マティス米国防長官はアジア安全保障会議で、中国の海洋への膨張に矛先を向ける可能性が高い。
ただ、米国ではすでに、「南シナ海の軍事拠点化がこれ以上進めば、米艦艇が危険にさらされる」(米軍幹部)との懸念が出ている。中国共産党関係者によると、習政権はこれを見透かし、「米側の非難や警告を受け流しつつ、粛々と軍事拠点化を進める」方針だという。
実際、中国が人工島化した、スプラトリー(南沙)諸島のファイアリー・クロス、スービ、ミスチーフの3礁では最近、対艦、地対空ミサイルの配備が初めて確認された。迎撃回避能力の高い超音速対艦巡航ミサイル「YJ(鷹撃)12」と地対空ミサイル「HQ(紅旗)9」の可能性が強い。18日には、主力戦略爆撃機「H(轟)6K」によるウッディ島での初の離着陸訓練も明らかとなった。人工島に建設された滑走路の堅固さを証明するもので、今後、各人工島を拠点としたH6Kの作戦行動も可能になるとみられる。
「台湾統一」
習国家主席の最大の目標は「台湾統一」だ。それに向け中国は、伊豆諸島からグアムに至る第2列島線の内側で米軍の作戦行動や増援を阻み、南西諸島とフィリピンを結ぶ第1列島線内に米軍を入れない軍事戦略を掲げる。南シナ海の軍事拠点化は第1列島線を念頭に置いた布石というわけだ。
第2列島線内で米軍を脅かす新兵器の開発も進む。国防省が4月に配備を明かした中距離弾道ミサイル「DF(東風)26」(射程・推定約4000キロ)はその代表だ。「陸上目標も海上の艦艇も正確に攻撃できる」(国防省報道官)という同ミサイルは「グアムキラー」の異名を持つ。
米軍のステルス戦略爆撃機B2に対抗すべく開発が進む次世代ステルス戦略爆撃機「H(轟)20」についても、軍事専門家は「配備となれば、グアムへの直接的な脅威となる」と指摘する。5月上旬には、国産大型輸送機「Y(運)20」による初の物資投下訓練も公表された。空軍の弱点とされてきた輸送能力も向上しつつある。
中国軍は5月下旬、2012年就役の1隻目の空母「遼寧」(母港・青島)が艦載機の夜間発着艦訓練を行う動画を初めて公開。昨年進水し、19年中に就役との観測がある初の国産空母も今月13~18日に最初の試験航海を行った。中国軍関係者によると、将来の「武力による台湾統一」を想定し、複数の空母で台湾海峡と西太平洋から「挟撃」する構想も存在するという。
米軍が実行した「航行の自由作戦」の、パラセル(西沙)諸島のウッディ島やツリー島などの12カイリ内の、ミサイル駆逐艦など2隻の航行について、激しく反発した中国は、中国軍が米艦艇を「追い払った」と強調し、「中国軍は海空の軍備を増強しており、国家主権を守り抜く決意は断固として揺るがない」との談話を発表したのだそうです。
仲裁裁判所の裁定=国際法を完全無視しているのは中国です。
深海の南シナ海を勇躍する原子力潜水艦のミサイルによる、A2AD戦略で、米空母艦隊の接近を阻止する中国は、人口島の不沈基地化でさらに戦力を強化しているのですが、狙いは国共内戦の総仕上げとしての、毛沢東の悲願でもあった「台湾併合」。
国産空母の試験航行も行われ、19年中に就役の予定で、更に、米国の空母が備えるカタパルトの技術を盗用するとされる国産空母の建設が進められていることは、諸兄がご承知の通りです。
米中両国や東南アジアなどの軍幹部らが参加して6月1~3日にシンガポールで開かれる「アジア安全保障会議(シャングラ 2018)」では、南シナ海問題は大きな焦点となるとのこと。
日本から、昨年は稲田大臣が出席しています。
稲田防衛大臣の第16回IISSアジア安全保障会議への出席
及び三国間・二国間会談等について(概要)
今回、何処まで中国に抑止力を働かせることができるのか、注目されます。
# 冒頭の画像は、昨年のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に出席中、三者会談をした、稲田朋美防衛相、米マティス国防長官、豪ペイン国防相
アジア安全保障会議 中国に対する手詰まり感 - 遊爺雑記帳
この花の名前は、アキチョウジ
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