フィリピンでは来年5月に大統領選が行われ、ドテルテ氏が大統領を退任します。
暫くフィリピン情報にはご無沙汰していましたが、随分様変わりの様子。
先ず、中国の侵略に、自ら国旗を掲げて対抗していたドテルテ氏。米国嫌いで、大統領に就任後しばらくすると、べたべたの親中行動。アセアンの会議での議長時には、中国の傀儡かとまごう様な言動も。
ところが最近は、バイデン政権側に立ち、対中対抗姿勢。
一方、国内での大統領選挙だは、娘のサラさんを大統領選に立候補させ、自らは副大統領に力行世と小耳に挟んでいたかと思えば、サラさんは、故フェルディナンド・マルコス元大統領の長男ボンボン・マルコス元上院議員が大統領で、サラさんは副大統領のコンビで立候補などと混沌。
眼が離せない状況となっている様です。
先ず、中国の海洋侵略と闘ってしたドテルテ氏が、嫌米で中国に接近していたのに、再び対中けん制で米国に接近の話。
「フィリピンが対中政策のカギになり得る」と、堀田氏。
東アジアの安全保障状況はいま、米中という対立軸の中で緊迫度が高まっている。
中国が虎視眈眈と狙いを定める台湾をはじめ、拡張主義的な動きは東アジアだけでなく、東南アジア諸国にも及んでいる。その中でフィリピンの存在は大きいと、米国のある研究者が語っていたと。
冷戦時代、共産主義勢力の世界的な拡大に対抗するため、米国はマルコス大統領が独裁者であることを十分に認識していながら支援し続けた。
フィリピンが共産国になるくらいなら、米国との関係を維持できる独裁国のままでいいという判断。
ジミー・カーター大統領もマルコス政権を支持。
米国にとって、フィリピンは共産主義勢力をくい止めるための防波堤の役割を果たしていると。
米比両国が相互防衛条約を結んでから今年がちょうど70周年で、日米安全保障条約よりも長い歴史があるのだそうです。
米軍がフィリピン軍基地を使用できる訪問軍地位協定(VFA)もある。
2020年、ドゥテルテ大統領は同協定を破棄する意向を示したが、最終的にフィリピン側が留保して同協定は現在も保たれている。
破棄するつもりだったのは、同大統領の側近が米国からビザ(査証)を取り消されたためと言われたが、同大統領は冷静になって両国間の協定の重要性を認識したようだと堀田氏。
フィリピンにとって、VFAを失うとなると、米国からの軍事的な後ろ盾を失うことになり、ドゥテルテ大統領は米国との関係を重視せざるを得なかった。
外交政策研究所の上級研究員フェリックス・チャン氏は、2010年頃から変化が生まれたフィリピンについて以下の様に分析。
「ベニグノ・アキノ3世前大統領が、自国の防衛力を復活させるために長い再建計画を始めた。」
後継者であるドゥテルテ大統領も同計画を継続しており、2015年には戦闘機10機以上とフリゲート艦2隻を配備したと堀田氏。
スービック基地はかつて世界最大の米海軍基地だったが、冷戦終結後の1992年に閉鎖された。
その後、フィリピン政府は同基地を経済特別区に指定した。
フィリピンはこの2015年にスービック基地を23年ぶりに軍事利用し始めてもいる。
米国に頼るだけではなく、自国による対中防衛力の強化に動きだしたと。
さらにフィリピンは自ら対外防衛に真剣に取組んでいることを示す意味で、2020年に同国海軍としては初めてとなるミサイル搭載可能な軍艦を就役させた。
これは明らかに米比関係で、フィリピンが安全保障面でも米国に貢献していることになると堀田氏。
2021年7月、バイデン氏は南シナ海における中国のほぼすべての海洋権益の主張は違法であると捉えてきたトランプ政権の政策を引き継ぐと表明した。
バイデン大統領は政権発足後の早い段階で、米国とフィリピン両国の米比相互防衛条約の有用性を確認している。
フィリピンは過去数十年、軍事力が不足してきただけに、米国が改めて軍事的な防波堤になることを約束したことで、「中国のちょっかい」を未然に防ぐことになると堀田氏。
ドゥテルテ大統領は当初、中国との対決に消極的な態度がみられたが、フィリピン国内での対中強硬派の力が高まるにつれ、南シナ海での領海権は交渉の余地がないとの考えに変わってきた。
「フィリピンが大国の影に隠れて判断し、行動する時代は終わった」と語っているのだそうです。
そのドテルテ大統領の任期も、2015年の大統領選挙まで。次期大統領選への立候補は、娘のサラ氏が大統領でドテルテ氏が副大統領という話が、サラ氏は副大統領で、故マルコス氏の長男が大統領候補のペアで立候補等、変遷している様子。
米中の「新冷戦時代」の中、要注目ですね。
フィリピン大統領選で異色のコンビが有力に | アジア諸国 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
三大勢力が綱引き 現職長女の擁立めぐり―フィリピン大統領選:時事ドットコム
# 冒頭の画像は、フィリピン大統領選政治勢力図
この花の名前は、ビオララバン
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暫くフィリピン情報にはご無沙汰していましたが、随分様変わりの様子。
先ず、中国の侵略に、自ら国旗を掲げて対抗していたドテルテ氏。米国嫌いで、大統領に就任後しばらくすると、べたべたの親中行動。アセアンの会議での議長時には、中国の傀儡かとまごう様な言動も。
ところが最近は、バイデン政権側に立ち、対中対抗姿勢。
一方、国内での大統領選挙だは、娘のサラさんを大統領選に立候補させ、自らは副大統領に力行世と小耳に挟んでいたかと思えば、サラさんは、故フェルディナンド・マルコス元大統領の長男ボンボン・マルコス元上院議員が大統領で、サラさんは副大統領のコンビで立候補などと混沌。
眼が離せない状況となっている様です。
先ず、中国の海洋侵略と闘ってしたドテルテ氏が、嫌米で中国に接近していたのに、再び対中けん制で米国に接近の話。
中国の海洋進出:防波堤として期待されるフィリピン 中国の傍若無人な振る舞いに業を煮やし米比関係強化へ | JBpress (ジェイビープレス) 2021.11.30(火) 堀田 佳男
「フィリピンが対中政策のカギになり得る」
米国のある研究者と話をしている時にでてきた発言である。東アジアの安全保障状況はいま、米中という対立軸の中で緊迫度が高まっている。
中国が虎視眈眈と狙いを定める台湾をはじめ、拡張主義的な動きは東アジアだけでなく、東南アジア諸国にも及んでいる。
その中でフィリピンの存在は大きいと同研究者は述べる。
歴史を振り返ると、1980年代に米国のロナルド・レーガン大統領はフェルディナンド・マルコス大統領をうまく利用していた。
冷戦時代、共産主義勢力の世界的な拡大に対抗するため、米国はマルコス大統領が独裁者であることを十分に認識していながら支援し続けた。
フィリピンが共産国になるくらいなら、米国との関係を維持できる独裁国のままでいいという判断である。
レーガン大統領の前任ジミー・カーター大統領でさえマルコス政権を支持していたという。
現在のロドリゴ・ドゥテルテ比大統領は、国際法を軽視し、超法規的な殺人を擁護するなど、マルコス氏と大差ない言動をする人物だ。
しかし、ジョー・バイデン米大統領はこれまでの米比関係を踏襲してドゥテルテ大統領の支持に回っている。
つまり、米国にとって、フィリピンは共産主義勢力をくい止めるための防波堤の役割を果たしているというのだ。
実は米比両国は、安全保障関係では緊密な関係を維持し続けている。
米比両国が相互防衛条約を結んでから今年がちょうど70周年で、日米安全保障条約よりも長い歴史がある。
さらに別の条約として、米軍がフィリピン軍基地を使用できる訪問軍地位協定(VFA)もある。
2020年、ドゥテルテ大統領は同協定を破棄する意向を示したが、最終的にフィリピン側が留保して同協定は現在も保たれている。
破棄するつもりだったのは、同大統領の側近が米国からビザ(査証)を取り消されたためと言われたが、同大統領は冷静になって両国間の協定の重要性を認識したようだ。
破棄となれば、アジア太平洋の安全保障体制に影響がでるのは間違いない。
2021年3月から、南シナ海のフィリピンの排他的経済水域(EEZ)で中国船が停泊する問題が起きた。
さらに11月には同海域でフィリピン軍に物資を運んでいた民間船2隻が、中国海警局の船舶から放水銃で航行を妨害されてもいる。
フィリピンにとって、VFAを失うとなると、米国からの軍事的な後ろ盾を失うことになり、ドゥテルテ大統領は米国との関係を重視せざるを得なかった。
これまでフィリピンは、中国からの軍事侵攻を受けた場合、侵攻に対抗するための選択肢が少なく、軍事的脆弱性をさらすだけと受け取られていた。
ただ2010年頃から変化が生まれた。
米ペンシルバニア州フィラデルフィア市にあるシンクタンク、外交政策研究所の上級研究員フェリックス・チャン氏は次のように述べている。
「フィリピンの戦略環境に変化が見え始めたのは2010年のことである。ベニグノ・アキノ3世前大統領が、自国の防衛力を復活させるために長い再建計画を始めたのだ」
アキノ前大統領はフィリピン軍の15年間の近代化計画を構築し、議会から予算も取り付けた。
後継者であるドゥテルテ大統領も同計画を継続しており、2015年には戦闘機10機以上とフリゲート艦2隻を配備した。
フィリピンはこの年にスービック基地を23年ぶりに軍事利用し始めてもいる。
米国に頼るだけではなく、自国による対中防衛力の強化に動きだしたのだ。
スービック基地はかつて世界最大の米海軍基地だったが、冷戦終結後の1992年に閉鎖された。
その後、フィリピン政府は同基地を経済特別区に指定した。
2000年以降は米軍艦がフィリピン軍との合同演習の時に停泊したり、給油のために基地を利用したりして定期的に寄港している。
さらにフィリピンは自ら対外防衛に真剣に取組んでいることを示す意味で、2020年に同国海軍としては初めてとなるミサイル搭載可能な軍艦を就役させた。
これは明らかに米比関係で、フィリピンが安全保障面でも米国に貢献していることになる。
バイデン大統領も政権発足後の早い段階で、米国とフィリピン両国の米比相互防衛条約の有用性を確認している。
その際に、中国の海上民兵がフィリピン軍を攻撃した場合、米軍はフィリピン軍を支援する義務があることを明らかにした。
さらに2021年7月、バイデン氏は南シナ海における中国のほぼすべての海洋権益の主張は違法であると捉えてきたトランプ政権の政策を引き継ぐと表明した。
この動きは明らかに、東南アジアでの中国の動きを封じる意味合いがある。
フィリピンは過去数十年、軍事力が不足してきただけに、米国が改めて軍事的な防波堤になることを約束したことで、「中国のちょっかい」を未然に防ぐことになる。
前出のチャン氏はこう記している。
「フィリピンの防衛力は徐々に復活してきている。同国の主張が国際的に認知され始めてきたこともある」
「米国の中国に対する戦略的な感情が変化してきたことで、(中国の攻撃の)抑止力が回復する機運が生まれている」
米ロイド・オースティン国防長官も今夏、米比両国間に70年もの間受け継がれてきた相互防衛条約は、いまの中国を十分に牽制することができると述べている。
「米比両国は気候変動の危機からコロナのパンデミックまで、様々な課題に直面している。そうした中で、米比同盟は強固で回復力があり、インド太平洋の安全と繁栄のために不可欠であり続けるだろう」
中国はフィリピンや台湾、ブルネイ、マレーシア、さらにベトナムが主張する南シナ海の領有権や海洋権益を主張しているが、米国は「完全に違法」との立場を崩していない。
ドゥテルテ大統領は当初、中国との対決に消極的な態度がみられたが、フィリピン国内での対中強硬派の力が高まるにつれ、南シナ海での領海権は交渉の余地がないとの考えに変わってきた。
同大統領の次の言葉がいまのフィリピンの国際的立場を象徴している。
「フィリピンが大国の影に隠れて判断し、行動する時代は終わった」
「フィリピンが対中政策のカギになり得る」
米国のある研究者と話をしている時にでてきた発言である。東アジアの安全保障状況はいま、米中という対立軸の中で緊迫度が高まっている。
中国が虎視眈眈と狙いを定める台湾をはじめ、拡張主義的な動きは東アジアだけでなく、東南アジア諸国にも及んでいる。
その中でフィリピンの存在は大きいと同研究者は述べる。
歴史を振り返ると、1980年代に米国のロナルド・レーガン大統領はフェルディナンド・マルコス大統領をうまく利用していた。
冷戦時代、共産主義勢力の世界的な拡大に対抗するため、米国はマルコス大統領が独裁者であることを十分に認識していながら支援し続けた。
フィリピンが共産国になるくらいなら、米国との関係を維持できる独裁国のままでいいという判断である。
レーガン大統領の前任ジミー・カーター大統領でさえマルコス政権を支持していたという。
現在のロドリゴ・ドゥテルテ比大統領は、国際法を軽視し、超法規的な殺人を擁護するなど、マルコス氏と大差ない言動をする人物だ。
しかし、ジョー・バイデン米大統領はこれまでの米比関係を踏襲してドゥテルテ大統領の支持に回っている。
つまり、米国にとって、フィリピンは共産主義勢力をくい止めるための防波堤の役割を果たしているというのだ。
実は米比両国は、安全保障関係では緊密な関係を維持し続けている。
米比両国が相互防衛条約を結んでから今年がちょうど70周年で、日米安全保障条約よりも長い歴史がある。
さらに別の条約として、米軍がフィリピン軍基地を使用できる訪問軍地位協定(VFA)もある。
2020年、ドゥテルテ大統領は同協定を破棄する意向を示したが、最終的にフィリピン側が留保して同協定は現在も保たれている。
破棄するつもりだったのは、同大統領の側近が米国からビザ(査証)を取り消されたためと言われたが、同大統領は冷静になって両国間の協定の重要性を認識したようだ。
破棄となれば、アジア太平洋の安全保障体制に影響がでるのは間違いない。
2021年3月から、南シナ海のフィリピンの排他的経済水域(EEZ)で中国船が停泊する問題が起きた。
さらに11月には同海域でフィリピン軍に物資を運んでいた民間船2隻が、中国海警局の船舶から放水銃で航行を妨害されてもいる。
フィリピンにとって、VFAを失うとなると、米国からの軍事的な後ろ盾を失うことになり、ドゥテルテ大統領は米国との関係を重視せざるを得なかった。
これまでフィリピンは、中国からの軍事侵攻を受けた場合、侵攻に対抗するための選択肢が少なく、軍事的脆弱性をさらすだけと受け取られていた。
ただ2010年頃から変化が生まれた。
米ペンシルバニア州フィラデルフィア市にあるシンクタンク、外交政策研究所の上級研究員フェリックス・チャン氏は次のように述べている。
「フィリピンの戦略環境に変化が見え始めたのは2010年のことである。ベニグノ・アキノ3世前大統領が、自国の防衛力を復活させるために長い再建計画を始めたのだ」
アキノ前大統領はフィリピン軍の15年間の近代化計画を構築し、議会から予算も取り付けた。
後継者であるドゥテルテ大統領も同計画を継続しており、2015年には戦闘機10機以上とフリゲート艦2隻を配備した。
フィリピンはこの年にスービック基地を23年ぶりに軍事利用し始めてもいる。
米国に頼るだけではなく、自国による対中防衛力の強化に動きだしたのだ。
スービック基地はかつて世界最大の米海軍基地だったが、冷戦終結後の1992年に閉鎖された。
その後、フィリピン政府は同基地を経済特別区に指定した。
2000年以降は米軍艦がフィリピン軍との合同演習の時に停泊したり、給油のために基地を利用したりして定期的に寄港している。
さらにフィリピンは自ら対外防衛に真剣に取組んでいることを示す意味で、2020年に同国海軍としては初めてとなるミサイル搭載可能な軍艦を就役させた。
これは明らかに米比関係で、フィリピンが安全保障面でも米国に貢献していることになる。
バイデン大統領も政権発足後の早い段階で、米国とフィリピン両国の米比相互防衛条約の有用性を確認している。
その際に、中国の海上民兵がフィリピン軍を攻撃した場合、米軍はフィリピン軍を支援する義務があることを明らかにした。
さらに2021年7月、バイデン氏は南シナ海における中国のほぼすべての海洋権益の主張は違法であると捉えてきたトランプ政権の政策を引き継ぐと表明した。
この動きは明らかに、東南アジアでの中国の動きを封じる意味合いがある。
フィリピンは過去数十年、軍事力が不足してきただけに、米国が改めて軍事的な防波堤になることを約束したことで、「中国のちょっかい」を未然に防ぐことになる。
前出のチャン氏はこう記している。
「フィリピンの防衛力は徐々に復活してきている。同国の主張が国際的に認知され始めてきたこともある」
「米国の中国に対する戦略的な感情が変化してきたことで、(中国の攻撃の)抑止力が回復する機運が生まれている」
米ロイド・オースティン国防長官も今夏、米比両国間に70年もの間受け継がれてきた相互防衛条約は、いまの中国を十分に牽制することができると述べている。
「米比両国は気候変動の危機からコロナのパンデミックまで、様々な課題に直面している。そうした中で、米比同盟は強固で回復力があり、インド太平洋の安全と繁栄のために不可欠であり続けるだろう」
中国はフィリピンや台湾、ブルネイ、マレーシア、さらにベトナムが主張する南シナ海の領有権や海洋権益を主張しているが、米国は「完全に違法」との立場を崩していない。
ドゥテルテ大統領は当初、中国との対決に消極的な態度がみられたが、フィリピン国内での対中強硬派の力が高まるにつれ、南シナ海での領海権は交渉の余地がないとの考えに変わってきた。
同大統領の次の言葉がいまのフィリピンの国際的立場を象徴している。
「フィリピンが大国の影に隠れて判断し、行動する時代は終わった」
「フィリピンが対中政策のカギになり得る」と、堀田氏。
東アジアの安全保障状況はいま、米中という対立軸の中で緊迫度が高まっている。
中国が虎視眈眈と狙いを定める台湾をはじめ、拡張主義的な動きは東アジアだけでなく、東南アジア諸国にも及んでいる。その中でフィリピンの存在は大きいと、米国のある研究者が語っていたと。
冷戦時代、共産主義勢力の世界的な拡大に対抗するため、米国はマルコス大統領が独裁者であることを十分に認識していながら支援し続けた。
フィリピンが共産国になるくらいなら、米国との関係を維持できる独裁国のままでいいという判断。
ジミー・カーター大統領もマルコス政権を支持。
米国にとって、フィリピンは共産主義勢力をくい止めるための防波堤の役割を果たしていると。
米比両国が相互防衛条約を結んでから今年がちょうど70周年で、日米安全保障条約よりも長い歴史があるのだそうです。
米軍がフィリピン軍基地を使用できる訪問軍地位協定(VFA)もある。
2020年、ドゥテルテ大統領は同協定を破棄する意向を示したが、最終的にフィリピン側が留保して同協定は現在も保たれている。
破棄するつもりだったのは、同大統領の側近が米国からビザ(査証)を取り消されたためと言われたが、同大統領は冷静になって両国間の協定の重要性を認識したようだと堀田氏。
フィリピンにとって、VFAを失うとなると、米国からの軍事的な後ろ盾を失うことになり、ドゥテルテ大統領は米国との関係を重視せざるを得なかった。
外交政策研究所の上級研究員フェリックス・チャン氏は、2010年頃から変化が生まれたフィリピンについて以下の様に分析。
「ベニグノ・アキノ3世前大統領が、自国の防衛力を復活させるために長い再建計画を始めた。」
後継者であるドゥテルテ大統領も同計画を継続しており、2015年には戦闘機10機以上とフリゲート艦2隻を配備したと堀田氏。
スービック基地はかつて世界最大の米海軍基地だったが、冷戦終結後の1992年に閉鎖された。
その後、フィリピン政府は同基地を経済特別区に指定した。
フィリピンはこの2015年にスービック基地を23年ぶりに軍事利用し始めてもいる。
米国に頼るだけではなく、自国による対中防衛力の強化に動きだしたと。
さらにフィリピンは自ら対外防衛に真剣に取組んでいることを示す意味で、2020年に同国海軍としては初めてとなるミサイル搭載可能な軍艦を就役させた。
これは明らかに米比関係で、フィリピンが安全保障面でも米国に貢献していることになると堀田氏。
2021年7月、バイデン氏は南シナ海における中国のほぼすべての海洋権益の主張は違法であると捉えてきたトランプ政権の政策を引き継ぐと表明した。
バイデン大統領は政権発足後の早い段階で、米国とフィリピン両国の米比相互防衛条約の有用性を確認している。
フィリピンは過去数十年、軍事力が不足してきただけに、米国が改めて軍事的な防波堤になることを約束したことで、「中国のちょっかい」を未然に防ぐことになると堀田氏。
ドゥテルテ大統領は当初、中国との対決に消極的な態度がみられたが、フィリピン国内での対中強硬派の力が高まるにつれ、南シナ海での領海権は交渉の余地がないとの考えに変わってきた。
「フィリピンが大国の影に隠れて判断し、行動する時代は終わった」と語っているのだそうです。
そのドテルテ大統領の任期も、2015年の大統領選挙まで。次期大統領選への立候補は、娘のサラ氏が大統領でドテルテ氏が副大統領という話が、サラ氏は副大統領で、故マルコス氏の長男が大統領候補のペアで立候補等、変遷している様子。
米中の「新冷戦時代」の中、要注目ですね。
フィリピン大統領選で異色のコンビが有力に | アジア諸国 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
三大勢力が綱引き 現職長女の擁立めぐり―フィリピン大統領選:時事ドットコム
# 冒頭の画像は、フィリピン大統領選政治勢力図
この花の名前は、ビオララバン
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