遊爺雑記帳

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トランプ大統領 オバマケア代替案撤回

2017-03-25 23:58:58 | 米国 全般
 「オバマケア」の見直しは、トランプ米大統領が就任初日に署名した大統領令で、新政権の目玉の最優先課題のひとつでした。
 小さな政府を掲げる共和党とも、総論では同じ方向でしたが、財政負担を削減するためオバマケアの完全撤廃を求める強硬派と、新制度で無保険者が増えることを懸念する穏健派との折衷案を提出しようとしたのですが、案への一本化が出来ず、本会議採決を断念したのだそうです。
 

トランプ氏の説得不発 米共和党の分断露呈 :日本経済新聞

 【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領が24日、医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案を撤回し、早くも政権運営の大きな失点となった。同法見直しを選挙公約に掲げたトランプ氏は、自ら反対派の説得に当たったが不発に終わり、議会指導部のライアン下院議長も意見集約に失敗。30年ぶりの税制改革など目玉政策の実現にも危うさが漂い始めた。

 「党内の誰かの悪口を言うつもりはない。確かに失望したし、少し驚きもしたが」
 トランプ大統領は法案撤回を決めた直後、悔しさをにじませて記者団にコメントした。
オバマケアの見直しは目玉公約の一つで、米議会で採決にかける初の大型法案でもあった。それが、お膝元の与党・共和党の“反乱”であっさり頓挫し、強気なトランプ氏も衝撃を隠しきれなかった。


 トランプ政権と共和党指導部が
オバマケアの見直しを冒頭の政策課題にもってきたのは、容易な法案成立が見込まれたためだ。米議会は上下両院とも今年1月に「オバマケアの撤廃」を決議済み。与党・共和党の意見集約はほぼ終わっていたとみられていた。
 ただ、議会指導部と
ホワイトハウスが法案を公表すると、財政保守派からは「公約の完全廃止からはほど遠い」と反対意見が噴出。米議会予算局が「オバマケア代替法案が実現すれば2026年に無保険者が2400万人増える」との試算を公表すると、党内穏健派は逆に「見直し案は行き過ぎだ」と難色を示し始めた。党内は総論賛成、各論反対となり、完全に収拾がつかなくなった

 トランプ氏は21日に自ら議会に乗り込んで説得工作を開始。「実現しなければ18年の中間選挙で共和党は議席を失う」と脅しをかけた。23日には保守強硬派をホワイトハウスに招いて、法案への賛意を呼びかけた。それでも「過半数(216票)に10~15票足りなかった」(トランプ氏)といい、下院共和(237議席)の30人前後はかたくなに反対姿勢を貫いた。
 ライアン下院議長の求心力も大きく低下した。同氏は連邦法人税率を35%から20%に下げ、輸出は免税して輸入は課税強化する大規模な法人税制改革を提案。大型減税を掲げるトランプ氏と歩調を合わせてきた。ただ、大減税には再び財政保守派の反対が見込まれ、ライアン氏も24日の記者会見で「税制改革は困難になったが、不可能ではない」と微妙な物言いをせざるを得なくなった。

 株式市場が米政権に期待してきたのは、共和党がホワイトハウスと議会多数派をそろって握ることでの政策実行力だ。
トランプ政権発足2カ月で露呈した共和党内の分断は、政権運営に重い課題を突き付けた。

 米議会は上下両院とも今年 1月に決議済みで、与党・共和党の意見集約はほぼ終わっていたとみられていた「オバマケアの撤廃」。容易な法案成立が見込まれ、冒頭の政策課題にもってきたのですが、党内は総論賛成、各論反対となり、分裂してしまったのでした。
 

トランプ大統領 オバマケア代替案 撤回 共和内 造反確実で (3/25 読売夕刊)

<前略>
目玉政策 つまずく

 
トランプ米大統領が就任初日に署名した大統領令が、「オバマケア」の見直しだった。しかし、トランプ氏はその代替法案の採決断念に追い込まれ、イスラム圏の一部の国からの入国を制限する大統領令に続いて、目玉として掲げてきた政策で、またも大きくつまずいた。トランプ政権に対し、公約実現が進まないとの懸念が強まる可能性がある。


 代替法案の可決には共和党下院の約40人の保守強硬派を取り込む必要があったが、党内交渉に失敗した。トランプ氏は選挙中、経営者として鍛えた交渉術で政界に風穴を開けると豪語してきた。
今回はトランプ流交渉術が現実の議会政治に通用するのかが試された第一関門だった。
 トランプ政権発足後、同氏が掲げる税制改革や大型インフラ(社会基盤)投資などへの
期待感から、株式市場も上昇傾向が続いていた。いずれも議会の協力が欠かせない案件だけに、今回の議会調整の失敗は、政権運営能力への不安に直結
し、経済や外交分野でも思わぬ余波を招きかねない。

 大統領選では、既成政治に失望し、アウトサイダーのトランプ氏の実行力にかけた有権者も少なくない。だが、支持率は就任後ずっと40%前後と低いままだ。

 
共和党内の支持基盤がないトランプ氏を見越して保守強硬派が強気に出れば、議会調整のハードルはますます高くなる。厳しい政権運営を強いられる中、どう求心力を保ち、不安を払拭するのか、トランプ氏の出方が注目される。(ワシントン支局 尾関航也)

 通常は、100日ある米大統領就任後の「ハネムーン(蜜月時代)」が、トランプ政権の場合、100日を待たず、早くも終わりに近づいていると観られています。
 
米 「ハネムーン(蜜月時代)」 100日を待たず終了か - 遊爺雑記帳

 イスラム圏の一部の国からの入国を制限する大統領令に続いて、目玉として掲げてきた政策で、またも大きくつまずいたトランプ政権。公約実現が進まないとの懸念が強まる可能性があるとの記事の指摘です。
 トランプ氏が掲げる税制改革や大型インフラ(社会基盤)投資などへの期待感から、株式市場も上昇傾向が続いていたのですが、いずれも議会の協力が欠かせない案件だけに、今回の議会調整の失敗は、政権運営能力への不安に直結する可能性が危惧されています。
 既成政治に失望し、大統領選では、既成政治家の枠から外れたトランプ氏の実行力にかけた有権者も少なくなかったと言われますが、支持率は就任後ずっと40%前後と低いままです。逆に、選挙での総得票数はヒラリー氏の方が多く、選挙制度の綾で当選したトランプ氏ですから、全国集計の支持率は、選挙の世論調査同様、支持率が低くなって当然とも言えますが。。

 得票向けに掲げた公約を、議会を説得してどう実現するのか、いよいよトランプ大統領の真価が問われていきますね。



 # 冒頭の画像は、オバマケア代替法案撤回に失望を表明するトランプ米大統領




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