日米両政府は、来週にも米ワシントンで、石破茂首相とドナルド・トランプ大統領が初めて会談する方向で最終調整に入ったようだと、長谷川氏。
トランプ氏の盟友、安倍晋三元首相に後ろから弾を撃ち続け、中国への早期訪問を模索する石破首相が、トランプ氏と信頼関係を構築し、日米同盟の絆を維持・強化できるのか。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、危ない「石破外交」に迫った。
トランプ米大統領は石破首相を、どう評価しているのだろうか。
「相当な不信感を抱いているのは確実」とみている。日本側が望むように、首脳会談が2月に設定されたとしても、腹を割った話し合いになるとは思えないと、長谷川氏。
なぜ、そう考えるか。
トランプ政権にとって、外交の最重要案件はライバルである中国との関係構築だ。あくまで「対中包囲網を築くなかで、日本がどんな役割を果たすのか」という文脈が重要になっていると、長谷川氏。
トランプ政権が日本に防衛費拡大を求めてくるのは確実とみられている。それも中国を抑え込む米国の負担を軽くするためだと。
トランプ氏は就任から100日以内に中国を訪問し、習近平総書記(国家主席)と会談したい意向を表明。
習氏にとっても、最重要案件がトランプ氏との関係構築であるのは間違いない。習氏は、トランプ氏に大統領就任を祝う電話をかけ、2人はすでに短い会話を交わしている。
岩屋毅外相はペルーでアントニー・ブリンケン前国務長官と短い会談をしたものの、中国を訪問して、王毅外相と3時間にわたって会談した。
それだけではない。
王毅外相の訪日について、「日中両政府が調整に入った」と報じられている。実現すれば、その先には習氏の訪日も念頭に置いている。岩屋氏は外相会談で、中国人観光客に10年間のビザ新設までプレゼントした。
これでは、トランプ政権が「石破政権はオレたちが対中包囲網の強化を目指しているのを知りながら、逆に中国との関係強化を図っている」と受け止めても、おかしくない。まるで、石破政権は最重要の同盟国にケンカを売っているような振る舞いだと、長谷川氏。
米国としては、日米首脳会談を開いたとしても、会談内容がどこまで中国に伝わるのかどうか、慎重に考えざるを得ないとも。
日米首脳会談で語られたトランプ政権の対中方針が機微に渡る部分まで中国側に伝わると、当然、その後の米中首脳会談に悪影響を及ぼしてしまう。
以上から、日米首脳会談が2月に開かれたとしても、「トランプ氏が石破首相に本音を打ち明ける」とは思えないと、長谷川氏。
日米両政府は「トランプ・石破会談で日米同盟は一層、強固になった」と宣伝するだろうが、内実はトランプ政権の石破政権に対する疑心暗鬼を上書きするだけに終わるかもしれないとも。
それもこれも、本を正せば、石破政権が同盟国を差し置いて、中国とベタベタしているからだ。石破政権は早くも正念場を迎えていると、長谷川氏。
夕刊フジは、1月31日発行(2月1日付)をもって休刊となりました。
長谷川氏は、これまでご愛読してくださった読者のみなさんに、心からお礼を申し上げると締めくくっておられます。
遊爺としても、当ブログで多用させていただいた情報源で、休刊は痛手です。
昔、関西で帰宅時の電車で夕刊フジが欠かせないとつぶやいて、キダ・タロー氏のラジオ番組で取り上げられたのを懐かしく思い出しています。
この場を借りて、夕刊フジに長く諸情報提供いただいたことにお礼申し上げます。
# 冒頭の画像は、トランプ大統領
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トランプ氏の盟友、安倍晋三元首相に後ろから弾を撃ち続け、中国への早期訪問を模索する石破首相が、トランプ氏と信頼関係を構築し、日米同盟の絆を維持・強化できるのか。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、危ない「石破外交」に迫った。
【ニュースの核心】危ない「石破外交」トランプ大統領が本音で話すとは思えない…日米首脳会談、岩屋外相の口から中国側に情報漏洩する懸念 - zakzak:夕刊フジ公式サイト 長谷川幸洋 2025.1/31
日米両政府は、来週にも米ワシントンで、石破茂首相とドナルド・トランプ大統領が初めて会談する方向で最終調整に入ったようだ。石破首相は27日、衆院での代表質問で、「強固な信頼協力関係を構築し、日米同盟をさらなる高みに引き上げたい」と語った。ただ、トランプ氏の盟友、安倍晋三元首相に後ろから弾を撃ち続け、中国への早期訪問を模索する石破首相が、トランプ氏と信頼関係を構築し、日米同盟の絆を維持・強化できるのか。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、危ない「石破外交」に迫った。
◇
トランプ米大統領は石破首相を、どう評価しているのだろうか。
私は「相当な不信感を抱いているのは確実」とみている。日本側が望むように、首脳会談が2月に設定されたとしても、腹を割った話し合いになるとは思えない。
なぜ、そう考えるか。
トランプ政権にとって、外交の最重要案件はライバルである中国との関係構築だ。日本とは貿易など個別案件もあるが、あくまで「対中包囲網を築くなかで、日本がどんな役割を果たすのか」という文脈が重要になっている。
トランプ政権が日本に防衛費拡大を求めてくるのは確実とみられている。それも中国を抑え込む米国の負担を軽くするためだ。
トランプ氏は就任から100日以内に中国を訪問し、習近平総書記(国家主席)と会談したい意向を表明している。習氏にとっても、最重要案件がトランプ氏との関係構築であるのは間違いない。習氏は、トランプ氏に大統領就任を祝う電話をかけ、2人はすでに短い会話を交わしている。
米中両国は水面下で本格的な首脳会談を目指して、準備を始めているだろう。
トランプ政権は、石破首相がかつてのトランプ氏の盟友である安倍元首相の「政敵」だったことを把握している。岩屋毅外相はペルーでアントニー・ブリンケン前国務長官と短い会談をしたものの、中国を訪問して、王毅外相と3時間にわたって会談した。
それだけではない。
王毅外相の訪日について、「日中両政府が調整に入った」と報じられている。実現すれば、その先には習氏の訪日も念頭に置いている。岩屋氏は外相会談で、中国人観光客に10年間のビザ新設までプレゼントした。
これでは、トランプ政権が「石破政権はオレたちが対中包囲網の強化を目指しているのを知りながら、逆に中国との関係強化を図っている」と受け止めても、おかしくない。まるで、石破政権は最重要の同盟国にケンカを売っているような振る舞いなのだ。
こうなると、米国としては、日米首脳会談を開いたとしても、会談内容がどこまで中国に伝わるのかどうか、慎重に考えざるを得ない。その後、開かれるであろう日中外相会談で、岩屋外相の口を通じて、中国側に情報が筒抜けになる可能性が高いからだ。
もしも、日米首脳会談で語られたトランプ政権の対中方針が機微に渡る部分まで中国側に伝わると、当然、その後の米中首脳会談に悪影響を及ぼしてしまう。
以上から、日米首脳会談が2月に開かれたとしても、私には「トランプ氏が石破首相に本音を打ち明ける」とは思えない。日米両政府は「トランプ・石破会談で日米同盟は一層、強固になった」と宣伝するだろうが、内実はトランプ政権の石破政権に対する疑心暗鬼を上書きするだけに終わるかもしれないのだ。
それもこれも、本を正せば、石破政権が同盟国を差し置いて、中国とベタベタしているからだ。石破政権は早くも正念場を迎えている。
今回が最後のコラムになった。これまでご愛読してくださった読者のみなさんに、心からお礼を申し上げる。
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■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
日米両政府は、来週にも米ワシントンで、石破茂首相とドナルド・トランプ大統領が初めて会談する方向で最終調整に入ったようだ。石破首相は27日、衆院での代表質問で、「強固な信頼協力関係を構築し、日米同盟をさらなる高みに引き上げたい」と語った。ただ、トランプ氏の盟友、安倍晋三元首相に後ろから弾を撃ち続け、中国への早期訪問を模索する石破首相が、トランプ氏と信頼関係を構築し、日米同盟の絆を維持・強化できるのか。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、危ない「石破外交」に迫った。
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トランプ米大統領は石破首相を、どう評価しているのだろうか。
私は「相当な不信感を抱いているのは確実」とみている。日本側が望むように、首脳会談が2月に設定されたとしても、腹を割った話し合いになるとは思えない。
なぜ、そう考えるか。
トランプ政権にとって、外交の最重要案件はライバルである中国との関係構築だ。日本とは貿易など個別案件もあるが、あくまで「対中包囲網を築くなかで、日本がどんな役割を果たすのか」という文脈が重要になっている。
トランプ政権が日本に防衛費拡大を求めてくるのは確実とみられている。それも中国を抑え込む米国の負担を軽くするためだ。
トランプ氏は就任から100日以内に中国を訪問し、習近平総書記(国家主席)と会談したい意向を表明している。習氏にとっても、最重要案件がトランプ氏との関係構築であるのは間違いない。習氏は、トランプ氏に大統領就任を祝う電話をかけ、2人はすでに短い会話を交わしている。
米中両国は水面下で本格的な首脳会談を目指して、準備を始めているだろう。
トランプ政権は、石破首相がかつてのトランプ氏の盟友である安倍元首相の「政敵」だったことを把握している。岩屋毅外相はペルーでアントニー・ブリンケン前国務長官と短い会談をしたものの、中国を訪問して、王毅外相と3時間にわたって会談した。
それだけではない。
王毅外相の訪日について、「日中両政府が調整に入った」と報じられている。実現すれば、その先には習氏の訪日も念頭に置いている。岩屋氏は外相会談で、中国人観光客に10年間のビザ新設までプレゼントした。
これでは、トランプ政権が「石破政権はオレたちが対中包囲網の強化を目指しているのを知りながら、逆に中国との関係強化を図っている」と受け止めても、おかしくない。まるで、石破政権は最重要の同盟国にケンカを売っているような振る舞いなのだ。
こうなると、米国としては、日米首脳会談を開いたとしても、会談内容がどこまで中国に伝わるのかどうか、慎重に考えざるを得ない。その後、開かれるであろう日中外相会談で、岩屋外相の口を通じて、中国側に情報が筒抜けになる可能性が高いからだ。
もしも、日米首脳会談で語られたトランプ政権の対中方針が機微に渡る部分まで中国側に伝わると、当然、その後の米中首脳会談に悪影響を及ぼしてしまう。
以上から、日米首脳会談が2月に開かれたとしても、私には「トランプ氏が石破首相に本音を打ち明ける」とは思えない。日米両政府は「トランプ・石破会談で日米同盟は一層、強固になった」と宣伝するだろうが、内実はトランプ政権の石破政権に対する疑心暗鬼を上書きするだけに終わるかもしれないのだ。
それもこれも、本を正せば、石破政権が同盟国を差し置いて、中国とベタベタしているからだ。石破政権は早くも正念場を迎えている。
今回が最後のコラムになった。これまでご愛読してくださった読者のみなさんに、心からお礼を申し上げる。
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■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
トランプ米大統領は石破首相を、どう評価しているのだろうか。
「相当な不信感を抱いているのは確実」とみている。日本側が望むように、首脳会談が2月に設定されたとしても、腹を割った話し合いになるとは思えないと、長谷川氏。
なぜ、そう考えるか。
トランプ政権にとって、外交の最重要案件はライバルである中国との関係構築だ。あくまで「対中包囲網を築くなかで、日本がどんな役割を果たすのか」という文脈が重要になっていると、長谷川氏。
トランプ政権が日本に防衛費拡大を求めてくるのは確実とみられている。それも中国を抑え込む米国の負担を軽くするためだと。
トランプ氏は就任から100日以内に中国を訪問し、習近平総書記(国家主席)と会談したい意向を表明。
習氏にとっても、最重要案件がトランプ氏との関係構築であるのは間違いない。習氏は、トランプ氏に大統領就任を祝う電話をかけ、2人はすでに短い会話を交わしている。
岩屋毅外相はペルーでアントニー・ブリンケン前国務長官と短い会談をしたものの、中国を訪問して、王毅外相と3時間にわたって会談した。
それだけではない。
王毅外相の訪日について、「日中両政府が調整に入った」と報じられている。実現すれば、その先には習氏の訪日も念頭に置いている。岩屋氏は外相会談で、中国人観光客に10年間のビザ新設までプレゼントした。
これでは、トランプ政権が「石破政権はオレたちが対中包囲網の強化を目指しているのを知りながら、逆に中国との関係強化を図っている」と受け止めても、おかしくない。まるで、石破政権は最重要の同盟国にケンカを売っているような振る舞いだと、長谷川氏。
米国としては、日米首脳会談を開いたとしても、会談内容がどこまで中国に伝わるのかどうか、慎重に考えざるを得ないとも。
日米首脳会談で語られたトランプ政権の対中方針が機微に渡る部分まで中国側に伝わると、当然、その後の米中首脳会談に悪影響を及ぼしてしまう。
以上から、日米首脳会談が2月に開かれたとしても、「トランプ氏が石破首相に本音を打ち明ける」とは思えないと、長谷川氏。
日米両政府は「トランプ・石破会談で日米同盟は一層、強固になった」と宣伝するだろうが、内実はトランプ政権の石破政権に対する疑心暗鬼を上書きするだけに終わるかもしれないとも。
それもこれも、本を正せば、石破政権が同盟国を差し置いて、中国とベタベタしているからだ。石破政権は早くも正念場を迎えていると、長谷川氏。
夕刊フジは、1月31日発行(2月1日付)をもって休刊となりました。
長谷川氏は、これまでご愛読してくださった読者のみなさんに、心からお礼を申し上げると締めくくっておられます。
遊爺としても、当ブログで多用させていただいた情報源で、休刊は痛手です。
昔、関西で帰宅時の電車で夕刊フジが欠かせないとつぶやいて、キダ・タロー氏のラジオ番組で取り上げられたのを懐かしく思い出しています。
この場を借りて、夕刊フジに長く諸情報提供いただいたことにお礼申し上げます。
# 冒頭の画像は、トランプ大統領
この花の名前は、白梅。
↓よろしかったら、お願いします。
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