遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ディープシーク躍進、それでもAIの巨人は沈まず

2025-01-29 01:23:56 | my notice
 27日朝、米国市場は中国の人工知能(AI)新興企業ディープシーク(深度求索)に対する新たな懸念で始まった。同社は先週末、AIモデルで飛躍的進歩を遂げ、AI技術を生んだ米国の先進モデルとほぼ同等の性能を達成したと発表した。
 厄介なのは、ディープシークが同社の最新モデルの一つについて、米国での費用に比べるとわずかな額だということ。
 エヌビディアとブロードコムの株価は27日の取引でそれぞれ約17%下落し、半導体セクターの急落を主導した。同セクターの主要企業で構成されるフィラデルフィア半導体株指数の下げ幅は9%を超えたと、WSJ・ダンギャラガー氏。
 
ディープシーク躍進、それでもAIの巨人は沈まず - WSJ
エヌビディアなどの株価急落に拍車をかけたパニックは行き過ぎ by ダンギャラガー 2025年1月28日

 必要は発明の母かもしれないが、株価を急落させる原因に火を付けるのは無理なように思われた。

 だが、27日朝はそうではなかった。米国市場は中国の人工知能(AI)新興企業ディープシーク(深度求索)に対する新たな懸念で始まった同社は先週末、AIモデルで飛躍的進歩を遂げ、AI技術を生んだ米国の先進モデルとほぼ同等の性能を達成したと発表した

 
厄介なのは、ディープシークが同社の最新モデルの一つについて、560万ドル(約8億7000万円)の学習コストで訓練したと主張していることだ。同じ作業に太平洋のこちら側(米国)で使われている費用に比べるとわずかな額だ。米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)によると、2023年終盤に提供が開始された同社の「GPT-4」の訓練には、1億ドル余りの費用がかかったという米アンソロピックのダリオ・アモデイCEOは昨年、ポッドキャストで一部モデルの訓練費用が10億ドルに近づいていると述べていた

 これほどに巨額なコストがかかることは、エヌビディアやブロードコム、マーベルといった米企業にとって非常に喜ばしいことだった。これら企業の市場価値は、AI用半導体チップやサービスへの需要が爆発的に伸びたことで急激に高まったからだ。
AI分野への参入コストの高さや、米政府の制裁によって先進的なAIチップの中国企業への販売が制限されたことも、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、グーグル、メタ・プラットフォームズといった米ハイテク大手にとっては競争する上で「堀」の役割を果たした。こうした企業は、高価なAIネットワークを大規模に構築するための資金を十分に持つ数少ない企業だ。

 このため、
ディープシークが突破口を開いたことは、時価総額が1兆ドルを超えるほぼすべての企業にとって、特に悪い知らせのように聞こえるエヌビディアとブロードコムの株価は27日の取引でそれぞれ約17%下落し、半導体セクターの急落を主導した。同セクターの主要企業で構成されるフィラデルフィア半導体株指数の下げ幅は9%を超えた。AIベースのクラウドコンピューティング・サービス提供で最前線に立っているとみられるマイクロソフトは2%、グーグル親会社のアルファベットは4%それぞれ下落した。ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数は3%下落した。一方、優良株で構成されるダウ工業株30種平均は上昇した。

 
こうした投げ売り状態は行き過ぎだと思われる。ディープシークの主張には依然、多くの不明な点がある。その中には、制裁の影響下にありながら、どのような種類の半導体にアクセスできたのかという点も含まれる。

 
一部の半導体アナリストは27日、ディープシークが自ら主張しているような低コストで米国の先進モデルと同等のAIを作り上げたとの見方に疑問を呈した。バーンスタインのステーシー・ラスゴン氏は「ディープシークが『500万ドルでオープンAIと同様の成果を達成した』はずがない」と指摘。TDカウエンのジョシュア・ブチャルター氏は「ディープシークのニュースを聞いた投資家たちはまず行動し、疑問を持つのは後でという姿勢を取った」と記した。シティグループのアティフ・マリク氏は「ディープシークが示した成果は画期的かもしれないが、微調整の際に先進の画像処理半導体(GPU)を使わずにこうした成果が達成されたとの見方には、疑問符が付く」とコメントした。

 もっと
重要な点は、こうした技術面での画期的成果がAI競争を沈静化させたり、さらには、この分野に大量に流れ込んでいる投資の抑制につながったりするとは考えにくいということだオッペンハイマーのエドワード・ヤン氏は顧客向けメモの中で、ディープシークをスプートニク(ソ連が打ち上げた世界初の人工衛星)に例え、スプートニクの成功によって宇宙開発レースに注ぎ込まれる資金が減ることはなかったと指摘「競争の激化を受けて、その分野への投入資金の総額が減ることはめったにない」と説明した。

 また、
ニュー・ストリート・リサーチのピエール・フェラギュ氏は、より先進的な「最先端モデル」は技術面の優位性をさらに高めるため、最も先進的な演算リソースを活用する必要がある一方、より小規模な「低位」モデルはコスト効率の良いAI技術の開発に注力することになるとの見方を示した「ディープシークはゲームチェンジャーではなく、それどころか、過去3年間に業界が進化してきた流れに極めて合致したものだ」と同氏は指摘した。

 実際、
ディープシークの躍進はAIへの投資が再び活発になっているように思われるタイミングだった。メタのマーク・ザッカーバーグCEOは24日、設備投資をさらに増額し、今年だけで650億ドルにまで引き上げる計画を明らかにした。この直前にはオープンAI、ソフトバンクグループ、オラクルが関わる「スターゲート・プロジェクト」がAIインフラに5000億ドルを投じる計画を発表していた。

 
29日に四半期決算を発表するマイクロソフトは、ディープシークの躍進が投資計画に影響を与えるかどうかのシグナルをハイテク大手として最初に示す機会を得る。ビジブル・アルファがまとめたアナリストのコンセンサス予想によると、マイクロソフトの設備投資額は今期(2025年6月期)が約840億ドル、来期が940億ドルとみられている。これまでのところ、同社が野心的な投資計画を後退させる気配はない。

 
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは27日朝、「AIがもっと効率的で利用しやすくなれば利用が急激に増え、いくらあっても足りないほどの必需品になるだろう」とXに投稿した。

 AI投資競争はまさに、新たな段階に入ろうとしているのかもしれない。

---------------------------------------------------
ダンギャラガー
 The Wall Street Journal’s Heard on the Streetのコラムニストで、テクノロジーとメディア業界をカバーしています。ハードコラムでの彼の仕事は、人工知能、半導体、インターネット、ソフトウェア、ハードウェア、広告、テレビや映画のストリーミングのビジネスに及びます。
 スマートフォンがスマートになる前に、ニュースレポーター—としてテクノロジーをカバーする20年近く経った後、彼は2013年にコラムに参加しました。

 AIベースのクラウドコンピューティング・サービス提供で最前線に立っているとみられるマイクロソフトの株価は2%、グーグル親会社のアルファベットは4%それぞれ下落した。ハイテク株を中心に構成されるナスダック総合指数は3%下落したと、ダンギャラガー氏。
 こうした投げ売り状態は行き過ぎだと思われる。ディープシークの主張には依然、多くの不明な点があるとも。

 一部の半導体アナリストは27日、ディープシークが自ら主張しているような低コストで米国の先進モデルと同等のAIを作り上げたとの見方に疑問を呈したと、ダンギャラガー氏。

 重要な点は、こうした技術面での画期的成果がAI競争を沈静化させたり、さらには、この分野に大量に流れ込んでいる投資の抑制につながったりするとは考えにくいということだ。オッペンハイマーのエドワード・ヤン氏は顧客向けメモの中で、ディープシークをスプートニク(ソ連が打ち上げた世界初の人工衛星)に例え、スプートニクの成功によって宇宙開発レースに注ぎ込まれる資金が減ることはなかったと指摘。「競争の激化を受けて、その分野への投入資金の総額が減ることはめったにない」と説明したのだそうです。

 ニュー・ストリート・リサーチのピエール・フェラギュ氏は、より先進的な「最先端モデル」は技術面の優位性をさらに高めるため、最も先進的な演算リソースを活用する必要がある一方、より小規模な「低位」モデルはコスト効率の良いAI技術の開発に注力することになるとの見方を示した。「ディープシークはゲームチェンジャーではなく、それどころか、過去3年間に業界が進化してきた流れに極めて合致したものだ」と指摘。

 ディープシークの躍進はAIへの投資が再び活発になっているように思われるタイミングだった。メタのマーク・ザッカーバーグCEOは24日、設備投資をさらに増額し、今年だけで650億ドルにまで引き上げる計画を明らかにした。この直前には、オープンAI、ソフトバンクグループ、オラクルが関わる「スターゲート・プロジェクト」がAIインフラに5000億ドルを投じる計画を発表していたと、ダンギャラガー氏。

 29日に四半期決算を発表するマイクロソフトは、ディープシークの躍進が投資計画に影響を与えるかどうかのシグナルをハイテク大手として最初に示す機会を得ることになるとも。

 マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは27日朝、「AIがもっと効率的で利用しやすくなれば利用が急激に増え、いくらあっても足りないほどの必需品になるだろう」とXに投稿した。

 AI投資競争はまさに、新たな段階に入ろうとしているのかもしれないと、ダンギャラガー氏。


 # 冒頭の画像は、「ディープシーク(深度求索)」が開発した生成人工知能(AI)の操作画面
 中国AI企業ディープシークとは? 2023年設立、低価格化を加速(毎日新聞) - goo ニュース



 この花の名前は、ウンナンオウバイ


↓よろしかったら、お願いします。



遊爺さんの写真素材 - PIXTA

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 沖縄市長選、自公推薦の花城... | トップ | 文春最新号、誌面タイトルは... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

my notice」カテゴリの最新記事