18日午前10時ごろ、尖閣諸島周辺の領海に中国海警局の船3隻が相次いで侵入したのだそうです。
南シナ海の「九段線」が、仲裁裁判所で否定された中国の動向が注目されていますが、領海に侵入したのは、裁定前の7月5日以来で、今年に入って19日目なのだそうです。
裁定を無視し、日米への非難を強めている中国ですが、東シナ海でも力の誇示をステップアップさせています。
中国の戦闘機の危険な挑発行為について、織田元空将が実態を寄稿され話題になり、政府は否定するといったことがありましたが、海について、伊藤元海将が、産経の取材に答えておられます。
中国船3隻が領海侵入 沖縄・尖閣諸島 - 産経ニュース
軍艦の接続水域航行は、中国軍の明らかな示威の段階アップです。それを経験してしまうと、「海監」の行動は脅威に感じる度合いが、軍艦の接続水域航行に比べ、驚かなくなっているメディアや自分を感じます。が、事は領海侵入です。しかも相手は、尖閣は自分達中国の領土だと言い張っているのです。
伊藤元海将の言を待つまでもなく、領海侵入なのですから、毅然とした行動が必要です。戦闘機の挑発行為はなかったなどと政府が公言しているので、その姿勢に中国海軍がつけこんでいるのですね。
攻勢を強める中国への対応が、岸田大臣が率いる外務省他、政府の甘い対処のせいで、つけこむ攻勢のエスカレートを呼んでいるのですね。
嫌なものは見たくないという態度ではなく、現実に向き合うべきだと伊藤元海将が提言されています。
中国は、ジャブを慎重に繰り出し、相手や世論の反応を確かめつつ、攻勢を強めてくることは、諸兄がご承知の通りです。毅然とした対応をすることで、間違った理解を防ぐと共に、けん制にもなります。
事なかれ主義で先送りする、お役所仕事の、岸田大臣と外務省。中国は、日本に対し、脅せば委縮して抵抗しないと誤解をしてしまいます。
伊藤元海将が提言される、「海上警備行動をかける」と言っておくことや、他国との連携行動をすることが有効であることは、米国はもとより、インドやベトナムの行動への中国の反応が示しています。
外務省はじめ、政府の対応のメリハリを期待します。
# 冒頭の画像は、領海侵入した、海警2306 3,000トン級海警船(新建造船)
他の2隻は、海警2337 3,000トン級海警船(元海軍船)と、海警31239 2,000トン級江衛型フリゲート
中国海警局 - Wikipedia
この花の名前は、キクザキイチゲ
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南シナ海の「九段線」が、仲裁裁判所で否定された中国の動向が注目されていますが、領海に侵入したのは、裁定前の7月5日以来で、今年に入って19日目なのだそうです。
裁定を無視し、日米への非難を強めている中国ですが、東シナ海でも力の誇示をステップアップさせています。
中国の戦闘機の危険な挑発行為について、織田元空将が実態を寄稿され話題になり、政府は否定するといったことがありましたが、海について、伊藤元海将が、産経の取材に答えておられます。
中国船3隻が領海侵入 沖縄・尖閣諸島 - 産経ニュース
軍艦の領海侵入、中国は既成事実化 「武器使うぞ」…毅然と対処を 元海将・伊藤俊幸氏 (7/18 産経)
6月9日未明、中国海軍のフリゲート艦が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の久場島周辺の接続水域に入った。尖閣諸島周辺の接続水域で中国軍艦の航行が確認されたのは初めてだ。その後、別の水域でも中国軍艦の接続水域航行、領海侵入が相次いだ。エスカレートし続ける中国側の行動にいかに対処すべきか。元海将の伊藤俊幸氏に聞いた。(原川貴郎)
中国海警局の公船による尖閣諸島周辺の接続水域内入域や領海侵犯は今や常態化しているが、公船と軍艦では全く意味が異なる。海上保安庁の巡視船は公船には対応できるが、装備が全く異なる軍艦には近寄ることもできない。軍艦は武力を持った国家がそのまま動いているのと同じだ。軍艦を出したことは、中国側が完全にステージを上げたということだ。
◆漸進的膨張図る
彼らが描くのは、日本列島南端-台湾-フィリピンを結ぶ「第一列島線」の外で海軍が動き、内側は中国の海として「海警」という巡視船が守るという将来図だ。中国は南シナ海で少しずつ既成事実を積み重ね、欧米諸国が気づかない間に島を取ることに成功した。まさに「クリーピングエクスパンション」(漸進的な膨張)で匍匐(ほふく)前進し、いつの間にか相手の陣地を奪う手法だ。東シナ海でも同じことをやろうとしている。
日本政府は、同じ水域で軍艦を航行させたロシアには抗議しなかったが、これは、われわれが、一戸建ての家に住んでいると考えれば分かりやすい。家の目の前の道路を誰が歩こうと自由だが、あるときから、「この家は俺のものだ」と主張する人が急に家の前を行ったり来たりするようになる。法律上、何の問題もないが、決して気持ちがいいものではない。そのうち、その人物が庭にも入るようになり、ついにナイフを持って家の前を歩き出した。これが今回の事態だ。接続水域を外国の軍艦が航行するのは、国際法上問題はないが、中国の場合は当然、意味合いが異なる。
◆他国と共同巡視
尖閣諸島周辺での中国海軍の活動を常態化させてはならない。そのために、日本は常に毅然(きぜん)とした態度を示し続けるべきだ。
まずは海上保安庁と自衛隊が警戒監視を強化することだが、さらに必要なのは他国の海軍との共同パトロールだ。日米に限らず、日米韓、日米豪、日米印、あるいは4カ国、5カ国でもいい。「中国の行動は間違っている」とのメッセージを日本以外の国も共同で発信することになるからだ。
その上で、いざというときには、海上警備行動をかけて「武器を使用するぞ」とアナウンスしておくのも大事だ。海上警備行動が発令されれば、自衛隊の艦艇は「武器の使用」ができるようになる。「武力の行使」と異なり、「武器の使用」には警察官職務執行法を準用する制約があるものの、少なくとも不正な侵害への対処行動になる。「海上警備行動をかける」と言っておくことが抑止力になる。
日本の防衛費が横ばいの中、この10年間で軍事費を3・7倍に拡大し、今や日本の防衛費の2・7倍にしたのは中国側だ。こちらが何もしていなくても、中国は勝手にエスカレートしている。「米軍は沖縄から出て行け」と主張する人がいるが、もしも米軍が沖縄から撤退したら中国はすぐに尖閣を取りに来るだろう。
現に南シナ海では、米軍のみならず、古くはフランス、ソ連という大国のプレゼンスが弱まった間隙を突き、今回仲裁裁判所が「国際法違反」と裁定するに至った環礁などを奪った実例がある。これを証拠と言わずして何を証拠というのか。嫌なものは見たくないという態度ではなく、現実に向き合うべきだ。
6月9日未明、中国海軍のフリゲート艦が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の久場島周辺の接続水域に入った。尖閣諸島周辺の接続水域で中国軍艦の航行が確認されたのは初めてだ。その後、別の水域でも中国軍艦の接続水域航行、領海侵入が相次いだ。エスカレートし続ける中国側の行動にいかに対処すべきか。元海将の伊藤俊幸氏に聞いた。(原川貴郎)
中国海警局の公船による尖閣諸島周辺の接続水域内入域や領海侵犯は今や常態化しているが、公船と軍艦では全く意味が異なる。海上保安庁の巡視船は公船には対応できるが、装備が全く異なる軍艦には近寄ることもできない。軍艦は武力を持った国家がそのまま動いているのと同じだ。軍艦を出したことは、中国側が完全にステージを上げたということだ。
◆漸進的膨張図る
彼らが描くのは、日本列島南端-台湾-フィリピンを結ぶ「第一列島線」の外で海軍が動き、内側は中国の海として「海警」という巡視船が守るという将来図だ。中国は南シナ海で少しずつ既成事実を積み重ね、欧米諸国が気づかない間に島を取ることに成功した。まさに「クリーピングエクスパンション」(漸進的な膨張)で匍匐(ほふく)前進し、いつの間にか相手の陣地を奪う手法だ。東シナ海でも同じことをやろうとしている。
日本政府は、同じ水域で軍艦を航行させたロシアには抗議しなかったが、これは、われわれが、一戸建ての家に住んでいると考えれば分かりやすい。家の目の前の道路を誰が歩こうと自由だが、あるときから、「この家は俺のものだ」と主張する人が急に家の前を行ったり来たりするようになる。法律上、何の問題もないが、決して気持ちがいいものではない。そのうち、その人物が庭にも入るようになり、ついにナイフを持って家の前を歩き出した。これが今回の事態だ。接続水域を外国の軍艦が航行するのは、国際法上問題はないが、中国の場合は当然、意味合いが異なる。
◆他国と共同巡視
尖閣諸島周辺での中国海軍の活動を常態化させてはならない。そのために、日本は常に毅然(きぜん)とした態度を示し続けるべきだ。
まずは海上保安庁と自衛隊が警戒監視を強化することだが、さらに必要なのは他国の海軍との共同パトロールだ。日米に限らず、日米韓、日米豪、日米印、あるいは4カ国、5カ国でもいい。「中国の行動は間違っている」とのメッセージを日本以外の国も共同で発信することになるからだ。
その上で、いざというときには、海上警備行動をかけて「武器を使用するぞ」とアナウンスしておくのも大事だ。海上警備行動が発令されれば、自衛隊の艦艇は「武器の使用」ができるようになる。「武力の行使」と異なり、「武器の使用」には警察官職務執行法を準用する制約があるものの、少なくとも不正な侵害への対処行動になる。「海上警備行動をかける」と言っておくことが抑止力になる。
日本の防衛費が横ばいの中、この10年間で軍事費を3・7倍に拡大し、今や日本の防衛費の2・7倍にしたのは中国側だ。こちらが何もしていなくても、中国は勝手にエスカレートしている。「米軍は沖縄から出て行け」と主張する人がいるが、もしも米軍が沖縄から撤退したら中国はすぐに尖閣を取りに来るだろう。
現に南シナ海では、米軍のみならず、古くはフランス、ソ連という大国のプレゼンスが弱まった間隙を突き、今回仲裁裁判所が「国際法違反」と裁定するに至った環礁などを奪った実例がある。これを証拠と言わずして何を証拠というのか。嫌なものは見たくないという態度ではなく、現実に向き合うべきだ。
軍艦の接続水域航行は、中国軍の明らかな示威の段階アップです。それを経験してしまうと、「海監」の行動は脅威に感じる度合いが、軍艦の接続水域航行に比べ、驚かなくなっているメディアや自分を感じます。が、事は領海侵入です。しかも相手は、尖閣は自分達中国の領土だと言い張っているのです。
伊藤元海将の言を待つまでもなく、領海侵入なのですから、毅然とした行動が必要です。戦闘機の挑発行為はなかったなどと政府が公言しているので、その姿勢に中国海軍がつけこんでいるのですね。
攻勢を強める中国への対応が、岸田大臣が率いる外務省他、政府の甘い対処のせいで、つけこむ攻勢のエスカレートを呼んでいるのですね。
嫌なものは見たくないという態度ではなく、現実に向き合うべきだと伊藤元海将が提言されています。
中国は、ジャブを慎重に繰り出し、相手や世論の反応を確かめつつ、攻勢を強めてくることは、諸兄がご承知の通りです。毅然とした対応をすることで、間違った理解を防ぐと共に、けん制にもなります。
事なかれ主義で先送りする、お役所仕事の、岸田大臣と外務省。中国は、日本に対し、脅せば委縮して抵抗しないと誤解をしてしまいます。
伊藤元海将が提言される、「海上警備行動をかける」と言っておくことや、他国との連携行動をすることが有効であることは、米国はもとより、インドやベトナムの行動への中国の反応が示しています。
外務省はじめ、政府の対応のメリハリを期待します。
# 冒頭の画像は、領海侵入した、海警2306 3,000トン級海警船(新建造船)
他の2隻は、海警2337 3,000トン級海警船(元海軍船)と、海警31239 2,000トン級江衛型フリゲート
中国海警局 - Wikipedia
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