遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国、国際放送でも世界制覇戦略

2007-03-24 23:06:21 | 中国 全般
 南太平洋に浮かぶバヌアツ共和国。娯楽の少ない島の生活で、島民がテレビに釘付けなのです。
 もともと国営放送と、宗教放送があったのですが、中国の国際放送「CCTV9」を見ることが出来る様になり、俄然テレビの視聴が増えたのです。
 国中が中国一辺倒で、学校では中国人教師を招いて、中国語の授業まで始まってしまったのです。
 3月22日のNHK 放送記念日特集「国際情報発信が動き出す」の報道での、"国際放送"の世界の情勢、特に覇権拡大を戦略的にあらゆる角度から推進する中国が、ここでもありあまる資金を背景に徹底して進出していることに、改めて驚かされました。

 競い合うように強化する各国の国際放送
 NHK国際放送:どうなる 各国の取り組みなど紹介--放送記念日特集番組・22日-テレビ:MSN毎日インタラクティブ

 島民のお母さんは「CCTV9 なしでは、世界の情報を知ることが出来ない」。また、別の女性は、「中国のファッションは素晴らしい」。ついには、「中国は民主的な国」と...。
 テレビの威力は、日常身にしみて感じていますが、テレビを見るのが唯一の娯楽で、中国の国際放送しか見ていないとなると、ついには学校で中国語の授業が始まるまでになってしまうのですね。

 どうして、そんなことになったのか。
 中国の国家戦略に、 「走出去」(海外進出)戦略というものがあります。中国企業の海外進出や、海外投資を拡大しようというものです。

 南太平洋の島嶼国は、台湾との連携を維持する国と、中国の支援を受ける国とに分かれているのだそうですが、バヌアツ共和国は中国の支援を受けている国ですが、一時台湾との接近を試みたことがあるのだそうです。
 中国がプレッシャーを強めると共に、支援も強化し、被中国支援グループに留まっているのだそうですが、その支援(?)の一貫として、1,800万円で国のテレビで中国の国際放送を受信して、国内に放映出るよう設備投資したのです。

 中国の国際放送「CCTV9」は、世界46カ国をカバーしているのだそうですが、南太平洋の他に力を入れているのが、アフリカです。
 資源獲得、国連での票集めの為、国の戦略としてアフリカ外交と支援に力を入れている中国ですが、先の「中国アフリカ共同フォーラム」では、「CCTV9」で時期を合わせ、アフリカ各国首脳のインタビューを特集したり、胡錦濤主席のアフリカ各国訪問時期には、その特集をするなど、国家の戦略や施策に合わせた報道を徹底しているそうです。
 「中国の考え方は、世界から注目されている。だから、中国の考え方を、世界に伝えるのが使命。」「米国の中国批判に対抗する。」との、「CCTV9」首脳談話でした。

 番組では他に、アラブの貴族の資金投資で、欧米の有名スタッフや著名キャスターを集め、BBCの 4倍の800人のスタッフをそろえ、欧米とは一線を画した国際放送を目指して発足した、「アルジャジーラ・イングリッシュ」や、フランスの国費で米・英に対抗して発足した、「フランス24」の紹介もしていました。

 日本では、NHKが各種の国際放送をしているのですが、テレビは3台の衛星で世界をカバー出来ているのだそうです。
 ただし、衛星からの直接受信となり、巨大なパラボラアンテナを有する受信設備が必用で、30万万円以上かかるのだそうで、普及に限度が在るそうです。

 番組では、受信料で運営されるNHKとしては、国費の中国や、フランスには叶わない。
衛星で電波を発信するまでは、NHKで出来たので、受信への援助は国費でして欲しいと言っていると推測される説明がありました。
 ゲストの日本総研・寺島実朗会長、上智大学・音好宏教授等は、自由主義国家の日本は、政府に縛られないオープンな報道をして信頼を得るべきで、資金の調達には工夫すべきとし、BBCや、CNNに劣らない魅力ある番組造りをすべきと指摘されていました。

 21日の産経朝刊によれば、「特定失踪(しっそう)者問題調査会」(荒木和博代表)が海外の送信施設を使い、北朝鮮向けに流している短波ラジオ放送「しおかぜ」について、日本国内から放送できるよう新たに周波数を確保し、無線局の免許を交付するとのことです。
 
 国境の壁を越えて情報を届けられる電波。インターネットとは異なる広い層への情報伝達手段として、グローバル化が強まり、あらゆる角度での交流を必用とされる今また、"国際放送"という手段、わけても"テレビの国際放送"は、中国に遅れをとっているものの、NHK任せではなく、国の問題として考えなくてはならない重要な問題だと考えます。
 BBCは、受信料の他に広告料も採って事業を成立させています。
 NHKも、国際放送は別会社にして、広告料や企業の支援を受ける形にして資金調達するなど、考えて行くべきです。
 政府は、各国に"国際放送"の受信局や受信施設が広まるよう、支援すべきです。

「しおかぜ」の電波が、広く伝わり一人でも多くの人が救われる事を願っています。

 

 

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キャバ嬢とオッサン (やおよろず)
2007-03-28 23:30:15
 久しぶりにコメントさせていただきます。

 左派イデオローグの「友好」、つまり、日本が中国の希望する政策を取り、援助を行うことによって、反日機運が抑制され、日中友好が達成されるという考え方、それは、全くの間違いであることは明白です。
 私は、これに組することはできません。

 しかしながら、それに対抗する勢力が、アメリカへの「友好」、つまり、アメリカとの同盟の強化には、アメリカの希望する政策を決定すべきであり、それによって日米同盟は堅固になり、アメリカの政策が日本の国益に沿ったものになるというのも、また、同じように間違っているものと思われます。

 まず、日本がこれだけの誠意を見せれば、向こうは、これだけの誠意で子と答えてくれるというのは、大いなる誤りです。

 大雑把に言うと、アメリカの極東における選択肢は、①日本と共同で中国に当たるという戦略と②中国と共同で日本を毟るという戦略であるといえます。

 さて、台湾ですが、日本以上に厳しい立場にあるといえます。
 日本に潜在している問題が、台湾では顕在化しているといえます。
 つまり、台湾においては、アメリカの選択が明確に②であり、それは日増しに強まっているように思います。
 仮に、馬が次期総統に就任すれば、「台湾」は崩壊するでしょう。
 また、オーストラリア・アメリカ・フランスと合わせて、親中対日包囲網が完成します。
 そうであれば、日本は「核武装」に本格的に着手せねばならないでしょう。
 でなければ、台湾の二の舞です。
 また、日本の中国イデオローグであるマスコミが、「核武装は議論すら許さない」としたのをみれば、中国にとって最大の脅威が「日本の核」であることが伺えます。

 最大の敵国は中国なのであり、ロシアとの二正面は絶対に避けねばなりません。
 中ロの分断こそが、日本のとるべき道であると思います。 

 日本、台湾が、中国に比べて圧倒的に不利な分野は、情宣活動でしょう。
 日本・台湾だけでなく、自由主義陣営の弱点は、なにあろう自由なのです。
 中国の組織的情宣活動は、日本においても圧倒的に国内勢力を凌駕しているくらいなので、太平洋諸国において台湾を凌駕しているのは、当然といえば当然です。
 アメリカ国内でも、同様なのでしょう。
 「慰安婦=売春婦」「南京」
 前者の出所は、北朝鮮であろうことは容易に想像されます。
 これは、日韓の分断に大きく貢献しています。

 自由主義陣営は、圧制国家にはかなわないのでしょうか?
 中国の情宣活動は、自由主義の危機にあるといえると思います。
 自由主義を守るための、非自由主義という、一見すると矛盾した、「レッドパージ」は自由主義陣営の必要悪として、周知させていかねばならないのではないかなと思います。
 
 アメリカのメディア、わかりやすいところで言えばニューヨークタイムス、中の人は中国イデオローグです。
 大切なのは、メディアの本社所在地ではないのです。
 NHKの現体制で、国際放送が強化されれば、中国メディアの国際的能力が強化されるだけではないかと危惧しています。

 この記事を読むにつけ、対中国との情報戦争というだけでなく、自由主義の危機に直面しているのではなかろうかなと思います。


 長文すいません。 
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Re: キャバ嬢とオッサン (遊爺)
2007-04-01 22:24:24
やおよろずさん、こんにちは。

> 長文すいません。

  どういたしまして。やおよろずさんのお考えはよく理解できました。
 それと、コメントでここまでの長文が載るのだと知りました。(微笑)

>②中国と共同で日本を毟るという戦略であるといえます。

  結託しての共同かどうか? 民主党政権になれば、頭越し外交と、日本への負担増をもとめてたかってくることは想像できます。
 
>アメリカのメディア、わかりやすいところで言えばニューヨークタイムス、中の人は中国イデオローグです。

  おやまぁそうなのですか...。φ(._.)メモメモ
 リベラルとの売りですが...。

>この記事を読むにつけ、対中国との情報戦争というだけでなく、自由主義の危機に直面しているのではなかろうかなと思います。

  中国は、長期戦略でしかもグローバルな展開をしていますね。国防白書では、日米の離反を重要課題に挙げています。レームダック政権を生み出した米国の停滞があり、残念ながら中国の思い通りに諸々が進んでしまっています。

 インドも中露との共同軍事演習をしたり関係強化を進めていましたが、国防の重点課題に、中国の軍拡の脅威への備えを挙げてきましたね。豪との「安全保障協力に関する日豪共同宣言」を結びましたが、米国一辺倒でない国際連携の構築が必用ですね。
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