現役の最高指導者の名前が憲法に記されるのは毛沢東以来で、習氏の権威は一層高まることになるのだそうです。
中国共産党の2中全会閉幕、「習近平思想」の憲法明記を確認|au Webポータル国際ニュース
ただでさえ共産党の一党独裁体制である中国が、個人崇拝を進めるというのだろうか。
習近平国家主席の名を冠した「思想」を、国の指導理念として憲法に明記しようとしていることである。
集団指導制では飽きたらず、現役指導者に権威や権力を集中させるものだろう。
軍事、経済などあらゆる面で、覇権主義的に振る舞う21世紀の大国が、民主主義とかけ離れた政治体制を強化しようとしている。国際社会への多大な影響を懸念せざるを得ない。
憲法に記すのは、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」という文言である。
これが、昨秋の党大会で行動指針として規約に入れられたのに続き、このほど開かれた党中央委員会総会(2中総会)で憲法への明記が決議された。
14年ぶりの改憲案として、3月の全国人民代表大会で採択されることが確実視される。
習氏はこれまでも「反腐敗」を旗印とする汚職摘発の手法で政敵を排除し、権力集中を進めた。側近登用の動きも広がっている。
改憲案には、汚職摘発に強い力を持つ国家監察委員会の設置も含まれる。対象は共産党籍を持たない政府職員にも及ぶ。「重大な政治改革」という位置づけだ。
だが、かつて中国が唱えた政治改革は、たとえ建前でも、人権状況の改善を含む段階的な民主化を想定した言葉だったはずだ。実際にやろうとしているのは、習氏への強権付与ではないか。
毛沢東時代の大躍進運動では、数千万人の餓死者を出した。毛沢東独裁が招いた悲惨な教訓だ。その「毛沢東思想」ですら、憲法に登場したのは、毛の晩年である文化大革命末期の1975年だった。文革終了後は、個人独裁ではなく集団指導制が原則だった。今回の措置はそれを崩すものだ。
青少年期に農村への下放を経験した習氏は文革の被害者だ。その文革について、中学の歴史教科書で独立項目としての記述をなくす動きが伝えられる。文革の悲劇を伝えず、個人独裁の災禍を隠そうとしているのだろうか。
もとより、自由や民主主義などの価値観を共有できる相手ではない。個人独裁下では、さらにその溝は広がると日本は認識し、牽制(けんせい)していかねばなるまい。
14年振りとはいえ、改憲が行われるということは、日本より進んでいるとも言えますが、1954年9月20日、第1期全国人民代表大会で採択・交付されて以降、何度も改正されてきているのですね。
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毛沢東以来の現役指導者の名前の憲法への記載といいますが、その「毛沢東思想」ですら、憲法に登場したのは、毛の晩年である文化大革命末期。
その文化大革命で、習近平の父・習仲勲が失脚し、習近平は青少年期に農村への下放を経験したのでした。
文革後、独裁体制の弊害をなくそうと、鄧小平が現在の集団指導体制を構築したことは、諸兄がご承知の通りですが、習近平は再び独裁体制に復古しようとしているのですね。
「中華の夢」を追い求め、富国強兵を推進する習近平の中国は、軍事力での現状変更を推進し、札束外交で覇権を拡大し続けています。米国に追いつく「G2」を米国に提唱しつづけ、更には米国を追い越し、世界の覇権を握ろうという長期戦略を展開しているのですね。
鄧小平の集団指導体制と、改革開放政治経済でここまでの経済成長を遂げた中国。鄧小平の流れを継承する、共青団派は、習近平の独裁化に押されて、李克強首相の影は薄まり、ポスト習近平と目される、団派の胡春華は、さきの党大会での人事改選でチャイナセブン入り出来ませんでした。
定年制に挑戦して、トップの座に座り続けようとする習近平。定年破りの前例としての王岐山のチャイナセブン残留には失敗しましたが、定年ルールのない全人代の代表に選出させ、副主席か、新設する国家監察委員会に対する全人代の監督業務に就かせ、独裁体制の強化・維持を図ることに成功しています。
王岐山・元政治局常務委員が全人代代表に - 遊爺雑記帳
改革開放政策での独自の社会主義体制で今日の発展を遂げた中国。毛沢東の専制政治への復古でも経済成長が続けられ、富国強兵の「中華の夢」に向かってまい進できるのか。その柱となる「一帯一路」政策は成功するのか。
自由や民主主義などの価値観を尊重する諸国との共存は可能なのか。日本は、どう向き合うのか。世界の経済や、安全保障の枠組みが大きく変動し始めている今年。日本は与野党一致団結(政策議論を戦わせ)して、変動の荒波に対処せねばなりません。しかし、目先の政局にばかり時間を費やす野党。オールドメディアに騙されない世代や人々の支持は得ることが出来ず、分裂衰退の道を辿っています。
国難に立ち向かう与党内勢力や野党の健闘で、世界情勢の大きな変化の荒波を、日本が乗り越えてゆけることが必要で、その選択の目を国民が持つ必要が、今、迫られていますね。
# 冒頭の画像は、人民大会堂で記者の質問に答える胡春華広東省党委書記 (2017年10月)
「ポスト習近平」と呼ばれていた2人が登用されなかった理由とは? | ニッポン放送 ラジオAM1242 FM93
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