

この一週間、連日報道が絶えず(日経では、19,20,21日の3日連続EEZ重複部分の地図が載っていましたね。記事は、18日から22日まで連続で、23日も確実)、日韓の外交交渉も谷内正太郎外務次官の韓国派遣による、韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン)第1外務次官との21日からの交渉の結果、22日、韓国が6月の国際会議で海底地名の変更提案を行わない一方、日本側も調査を中止することで合意したそうです。
竹島問題、日韓が合意 日本は海洋調査中止 (朝日新聞) - goo ニュース
日韓協議合意…韓国は名称提案せず、日本は調査中止 (読売新聞) - goo ニュース
日本海南西部海洋調査について/平成1 8 年4 月2 2 日 海上保安庁
日本は、三段階のシナリオで臨んでいました。
第一段階は次官派遣で何とか接点を見いだす。第二段階は谷内次官の訪韓が不調に終わった場合、両国の主張が重複しない日本側EEZ内の調査を開始し交渉を継続しながら、問題となる重複部分に踏み込むかどうかを決める。第三段階が交渉がまとまらないまま調査開始に踏み切る。
韓国側は、国連のアナン事務総長に、国際司法機関による強制紛争解決手続きの適用は受け入れないと強硬姿勢を伝達したり、アレクサンダー・バーシュボウ在韓米大使などを通して対日圧迫をおこなったり(中央日報)、周辺海域に非常警戒令を発し、警備艇20隻の集中配備を完了させるなど、素早い行動を見せ、調査船が停船命令に従わなければ、船体の大きい警備艇をぶつけてEEZ外に押し戻す選択肢も念頭におくなど、強硬姿勢でした。
ただし、今回の特徴は、強硬姿勢の韓国がいつもの突っ張りだけでなく、外交交渉での解決を望んでいることを報道されていたことです。
来月末に統一地方選挙を控えていることで、国内向けに妥協は許されない状況にありましたが、竹島の不法実効支配がこれを機に国際世論の中で注目を浴びることの不利益(国際法に照らせば、日本の領土)を考えた結果です。
前回、今回の日本政府の行動は、国際会議に向け珍しく先手を打ったものと感心したことを書きましたが、実はやはり後手を踏んでの苦し紛れの行動なのでした。
韓国側は、4年前から竹島周辺での調査を、日本の抗議を無視して実施しており、18箇所に韓国名をつけていて、これを今回の国際会議に提出しようとしていたのでした。これ以上放置すれば、実効支配を強化・拡大させるとの危機感からの行動で、韓国の言うような日本の覇権拡大の復活などではなく、韓国の不法実効支配から、我が国を守るための当然の行動です。
それにしても、無視されて調査されていた抗議のしかた(抗議を取り上げない日本のマスコミ)にも、4年も放置して、会議直前で間違えば不測の事態も起きかねないギリギリの綱渡りをする政府にも、反省して頂かねばなりません。
振り上げた手のおろしどころが見つかって良かったのですが、補欠選挙に勢力を傾けている与野党政治家さんでは、後手後手で、戦争に流れるか、不法実効支配が認知された(日本が引いた場合)韓国支配下の日本海となってしまうところでした。
日本海南西部海洋調査について/平成18年4月21日 海上保安庁
ただ、中央日報では、韓国側の準備と備えが疎かだったし今回の日本政府の準備した一手一手に対応するのに忙しかったとの報道が観られます...?
中央日報/韓日EEZ談判…熾烈な争い
中央日報/【社説】外交で解決するが、原則破ってはいけない
とりあえずは収まりましたが、韓国は韓国名登録を延期しただけで時期を観て進めると明言しています。
今回、EEZの境界画定に関する交渉を5月中にも局長レベルで再開することも合意されていますが、油断無く、放置や先送り無く、しっかりとした交渉や行動を、政府にはお願いしたいし、マスコミの報道もきちんと取り上げていただきたいものです。

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