名護市長選まで片手で余るまでに近づいてきました。
選挙運動期間中のせいか、近況の報道は少ないですね。少ないながらにいくつか拾って、遊爺なりに考察してみました。
鳩山首相が自らの決断責任を、市長選に転嫁して逃げてしまっているので、この市長選の結果が日米同盟に影響を及ぼし、日本の安全保障の一大転換を迫られる可能性があるにしては、注目度が低いのは、小沢疑惑資金のせいだけなのでしょうか?
□各政党中央の動きが静か。
前回は、各党の重鎮が応援演説に出かけたりしていたと記憶していますが、今夏は民主も自民も靜観ですね。
鳩山首相は、選挙結果にかかわらず移設問題に「フリーハンド」で臨みたい意向だとかで、「中立」の立場を強調しています。与党幹部は「みんな本音では容認派が勝つほうがいいのかもしれない」と言っているひともいるのだとか。たしかにそうなれば、マニフェストとは異なるが、地元の要望に沿い現行案 or 現行修正案にしますと堂々と言え、沖縄(?)にも米国にも顔が立つ。
自民党は、衆院選の大敗結果で意趣替えし県外移設に転向した県連と、容認姿勢の党本部&現職候補者とのねじれ現象があることや、候補者が移転問題以外の政策にも力を入れていることなどから、党本部の鳴り物入りの応援を望んでいないことなどから、控えられている様子です。
「名護市長選 傍観する中央政党」:イザ!
□名護市地元の様子
『外交・防衛の課題を4度も市長選挙に委ねることへの市民の反発や厭戦(えんせん)感も強い。』【沖縄タイムス】という醒めた状況の報道が散見されます。
17日告示された沖縄県名護市長選は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設問題が最大の争点に据えられ、「決着したはずの問題」で名護市は再び二分化された形となっている。しかし、内情をみると、候補者のそれぞれバックに控える「反対派の非市民」と「賛成派の建設業界」との意地と思惑がからんだ戦いの構図が浮かび上がる。シャッターが下りた店の合間を街宣カーが行き交う中、一般市民の間では冷めた空気も漂っている。(高木桂一)
<中略>
約1500人の住民の多くが稲嶺氏の演説に耳を傾けに来ると予想されていた。ところが参加したのは10人足らず。50人超の報道陣だけが目立った。
「住民は基地問題は決着済みと受け止めている。基地に反対している人はごく少数だ」。遠巻きで眺(なが)めていた初老の男性住民は、「みんなの思いは、あのときをもう一度だよ」と言葉をつないだ。
ベトナム戦争当時、隣接する米海兵隊キャンプ・シュワブに県内各地から大勢の人が仕事を当てこんで辺野古に集まった。米兵は連日、120軒の飲食店に繰り出し、街は空前の活況を呈した。だが今ではすっかりさびれてしまった。
市中心部のタクシー運転手(62)は「稲嶺陣営で基地反対と声を上げているのは名護に住民票がない人が大半。市外からレンタカーで来ている」と話す。
<中略>
「カネはハコものばかりにつぎ込まれ、市民の生活は相変わらず厳しい。島袋氏の基地政策は一部業者が潤う土建政治にすぎない」(飲食店経営者)
「どちらが勝っても、さっさと基地移設を進めて、そろそろ景気や雇用の対策に本腰を入れてほしい」。前出のタクシー運転手はこう訴えた。
産経の沖縄支局長は最近短期間に2人交代されたのだそうですが、積極的な世論発掘をされているとの評判がありました。しっかり現場を回っておられ、記事も積極的に取り上げられているようです。
結果予測の世論調査を、沖縄タイムスと朝日が合同で、ほかに読売、琉球新報などが行っていて、読売、琉球新報は稲嶺氏優勢、沖縄タイムス+朝日は激戦との結果を報道していますね。
しかし、ここへ来て小沢疑惑資金問題の影響が出てきているとの報道もあります。
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件は、24日投開票の沖縄県名護市長選にも影を落としている。市長選は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設受け入れの是非が最大の争点。移設容認派の現職の陣営は、移設反対を訴える新人が推薦を受ける民主党の「体質」を批判し、選挙戦を有利に運びたい考えだ。
「小沢氏の側近がカネの問題で逮捕された。自民党を追及してきた政党とは思えないありさまだ」。自民党沖縄県連の照屋守之政調会長は19日、市内で行った現職の島袋吉和氏(63)の応援演説で、小沢氏の元秘書の衆院議員石川知裕容疑者らが逮捕された事件に触れ、こう断じた。
普天間移設をめぐって、島袋氏は同市辺野古への移設を条件付きで容認する立場だが、市内では県外移設への期待感が広がっており、陣営の危機感は募るばかり。このため、移設に反対する稲嶺進氏(64)のイメージダウンを狙い、折に触れて小沢氏の問題を取り上げる。
これに対し、稲嶺氏の陣営は「民主党は推薦を得た政党の一つに過ぎず、選挙への影響はない」と平静を装う。しかし、石川議員らが東京地検特捜部に逮捕されたのは告示2日前の15日。不安を隠し切れないのが実情だ。
鳩山由紀夫首相が昨年12月、辺野古以外の移設先を探る方針を打ち出した背景には、小沢氏の意向もあったとされる。稲嶺氏の陣営内には、小沢氏の影響力が今後低下すれば、現行計画で決着する流れが強まりかねないとの懸念もある。このため、ある関係者は「これ以上騒いでほしくない」と神経をとがらせている。
地元の方々の本音は、日本中だれでも同じでしょうが、自分たちの町には来て欲しくないはずです。しかし、普天間の危険性、日本の国防のためなどで苦渋の選択を、過去何度も答えてこられたのです。それを、鳩山氏が県外とか国外とか、辺野古いがいとかと煽ったのです。
24日の結果がどちらになろうとも、日本国としてどうするかの答えは、日米間のみならず、東南アジアや世界平和への影響を及ぼすものとして政府・与党が示さねばなりません。
ろくな対策も無く(=現状の迷走が証明)掲げたマニフェスト、明らかに混乱を産むと解っていた連立合意の詰めのなさから判断を二転三転させ同盟国の大統領や国務長官を欺いた鳩山氏の発言や行動は、政治生命を賭けて償うと共に、答えを出して頂かねばなりません。
勿論、どちらの結論になった場合でもそれぞれに応じてどうするかは、既に計画済みだとは思いますが...。
今後の展望についての沖縄タイムス記事を最後に転載しますが、社民党系に世論リードする新聞と言われる同紙のリードの様な事態にならないことを祈っています。
現行案より優れた代替案があると言うのなら別ですが、一歩でも、半歩でも前進し、先ず普天間の危険を取り除き、負担を段階的に削減し効果を出すことが必要だと考えるのですが...。
現行案回帰を困難視
普天間移設
政府見通し 小沢氏の意向重く
「まったく無縁だと言うつもりはない」。鳩山由紀夫首相は名護市長選が米軍普天間飛行場移設問題に影響するとの見方を示した。政府や県関係者は、県外、国外移設を求める新人が当選した場合、辺野古沿岸部へ移設する現行案の可能性はほぼ消え去ると見る。だが、沖合移動などを条件に容認する現職が当選した場合でも、現行案は「ゼロベース」(平野博文官房長官)という可能性の範囲にとどまるだけ。市長選の結果にかかわらず、現行案に回帰する道筋は困難視されている。
「沖縄のきれいな海を埋め立ててはだめだ」
民主党の小沢一郎幹事長の発言が、外務・防衛両省の官僚に重くのしかかる。現行案を推進してきた幹部は「市長続投でも、辺野古推進の動きが政権内で本格化するとは思えない」とため息交じりだ。
小沢氏は土地購入問題で追及を受けているが、続投の意向を示している。関係者は「日本の最高権力者。市長選の結果にかかわらず、小沢氏が首を縦に振らなければ辺野古は無理だ」と悲観的だ。
政府・与党は昨年12月15日、移設先決定の期限を5月まで延ばす一方、辺野古での環境影響評価(アセスメント)手続きは継続する方針を決めた。
現在の焦点の一つはアセス評価書の提出時期。防衛省内には市長選後から3月末までの間に提出したい意向もある。
だが、それも現職が勝った場合。「移設反対の新人が勝てば、もう評価書を出す必要はないのではないか。政治的に無理だ」。同省幹部はこう漏らした。
一方の県。仲井真弘多知事は総決起大会、出陣式出席と現職応援に熱心だ。だが同候補が基地問題を争点化しない選挙戦略を取るため、自らも普天間移設に言及していない。
県幹部は「辺野古はもう難しい。知事は政府に『県民が県外(移設)を望んでいる』と伝えている」と説明。「仮に辺野古案に戻ってくると言われても、政府は県民の理解を得る理由をどうつくるのか。混乱に陥るだろう」と指摘する。
冒頭の写真は、小沢氏が推奨する下地島空港です。
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