どちらの軍事パレードとも、欧米の主要国首脳は参加せず、中露両国の孤立化が浮き彫りになったのですが、両国間の連携も進展していないのだそうですね。
9日にロシアで対独戦勝70年式典 欧米首脳は軒並み欠席 ウクライナの溝なお深く - 産経ニュース
【チャイナ監視台】中国が、露の対独戦勝70年パレードを放映しなかったワケ… - 産経ニュース
【北京=緒方賢一、蒔田一彦】ロシアのプーチン大統領は2日、中国が3日に行う「抗日戦争勝利70年」の軍事パレードに出席するため北京に到着し、中国の李克強首相と会談した。中露は第2次大戦の「戦勝国」として連携し、欧米への対抗姿勢を鮮明にするなど政治的関係を強化。ただ、経済関係では貿易や投資が鈍り、エネルギー分野の協力も進まないなど停滞気味だ。中露は3日に首脳会談を行い、連携強化による事態打開を協議する構えだ。
■答礼
タス通信によると、プーチン氏は会談で、中露が5月の対ドイツ戦勝、9月の対日戦勝を一緒に祝うことで、「我々の第2次大戦の結果についての評価は共通しており、歴史をゆがめる試みに我々が反対であることを全世界に示す」と明言した。李氏も「第2次大戦の結果の歪曲に反対する」と強調した。
中露は戦後70年の節目で協調を演出してきた。
中国の習近平国家主席は5月、モスクワでの対独戦勝70年の軍事パレードに「主賓」として迎えられた。米欧首脳が欠席する中、破格の待遇を受け、習氏はモスクワで兵士の墓に花を手向けた。今回はプーチン氏が答礼で訪中し、歴史認識で足並みをそろえた形だ。
中露は海軍の合同軍事演習も実施。5月には地中海で実弾を使った訓練などを行い、8月には日本海で初めて上陸作戦の演習も行った。
「抗日戦争勝利70年」は、中国にとって、歴史認識や安全保障を巡り日本の安倍政権をけん制する意味合いが大きい。一方、ロシアにとっては、ウクライナ問題で対立する米欧に対し、米欧と一線を画す中国との接近を示す狙いがある。
■貿易28%減
一方、中露間の経済協力は減速気味だ。露大統領府の発表によると、今年1~6月の中露の貿易額は306億ドル(約3兆6720億円)で、前年同期より約28%落ち込んだ。2015年までに貿易額を1000億ドルに増やすとの両国の目標達成は難しくなった。
昨年5月にロシアが最大で年間380億立方メートルの天然ガスを30年にわたり中国に輸出することで合意した件では、新パイプライン「シベリアの力」の建設が始まったが、建設費用の負担で中国と折り合えず、ロシアが自前で調達した資金で建設を進めざるを得ない事態となっている。昨年11月には東シベリアの石油開発事業「バンコール油田」の権益の10%を中国企業に譲る枠組み合意も結ばれたが、中国側の支払額についての合意はできていない。
■中国減速
好調だった中国の経済は、実体経済を示す工業生産や小売り売上高などが軒並み低下し、株価が急落するなど減速傾向にあり、こうした事情がロシアとの経済協力に影響しているとの見方がある。一方のロシアもウクライナ情勢を巡る欧米の経済制裁が続く中、景気が冷え込んでいる。
中露は3日の首脳会談で、「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)や、習氏が提唱する巨大経済圏「一帯一路」構想など経済分野での協力を確認する見通しだが、具体的な協力がどこまで進むかは不透明だ。
ウクライナへの侵略で、G7から経済制裁を受け、G8から外され孤立化したロシアは、やむを得ず中国に接近し、天然ガスの価格を大幅譲歩して契約していました。そして、新パイプライン「シベリアの力」の建設を始めたのですが、建設費用の負担で中国と折り合えず、ロシアが自前の資金で建設を進めざるを得ない事態となっているのだそうです。東シベリアの石油開発事業「バンコール油田」の権益の一部売却についても、中国側の支払額についての合意はできていないと。突っぱねていた天然ガスの販売価格を叩かれて大幅譲歩したにも関わらず、苦しい台所を見透かされ、更に叩かれているのですね。強かな中国、可哀そうなロシアの姿です。
G7の制裁で減速するロシア経済。バブルが懸念される飽和状態で低成長期への転換を迎えた中国経済。失速する国同士の接近ですので、当然交易も失速。ふんだり蹴ったりの哀れなロシアです。
そして、「我々の第2次大戦の結果についての評価は共通しており、歴史をゆがめる試みに我々が反対であることを全世界に示す」と言わさせられている。プーチン大統領にすれば、戦後、ソ連の力で国共戦争を勝たせてやって、国民党から力で政権を横取りさせてやったのにと、歯ぎしりする思いを飲みこんで、怒りを抑えながらの発言だったでしょう。訪日が遡上に上がっている今、北方四島の領土問題の展開を有利にする対日けん制でもあるのでしょうが。
プライドの高いプーチン大統領が、ここまで耐えているのは、ロシアの経済状況が、それだけ逼迫しているという証ですね。
そして、北方領土へ、メドベージェフ首相他、要人の訪問頻度をこの時期に挙げているのは、日本の援助を受けようと真剣に考え始めて、その時の交渉を優位にするためのカード創りを始めているのですね。
訪日時のカバンの中のおみやげは、二島返還で、安倍政権が拒否しているので話が進まないと、青山繁晴氏が語っておられました。
2015年9月3日(木) ザ・ボイス そこまで言うか 青山繁晴
開始後 25分経過あたりからです。
言い続けていることですが、安倍政権は、優位に立っているのですから、習近平の戦術に習って、プーチン大統領の台所の苦しさを見据えた対露戦略・戦術の考案と実行をお願いします。
# 冒頭の画像は、「抗日戦争勝利70年」記念軍事パレードに出席した、胡錦濤、江沢民、習近平、プーチン、朴槿恵
この花の名前は、リキュウバイ
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