米大統領選と連邦議会選では、共和党のトランプ前大統領の返り咲きに加え、同党が上下両院で過半数を制する勝利を果たした。
次期政権発足に向けたトランプ氏の人事は、1期目で犯した失敗を繰り返さないよう細心の注意を払っている。
トランプ氏は今回、自身が知る忠誠心の高そうな人物を集中的に起用している。国防・安全保障分野では加えて、力強い人物を重視していると、E・ルトワック氏。
トランプ氏は国防長官にテレビ司会者のピート・ヘグセス氏を指名すると発表。これに疑問符を付ける人もいるが、彼は陸軍州兵としてイラクとアフガニスタンに派遣されたことがあり、国防総省や米軍の上層部の体質にも疑問を抱いている。私も知る人物だが、人選としては決して的外れではないと、E・ルトワック氏。
国務長官に指名されるマルコ・ルビオ上院議員は、かつてトランプ氏と共和党の大統領候補指名を争ったが、外交政策に長年取り組んできたとして評価された。国家安全保障問題担当の大統領補佐官に起用されるマイケル・ウォルツ下院議員も陸軍特殊部隊のグリーンベレー出身。
これら3人に共通するのは、いずれも筋金入りの対中国強硬派であることだと、E・ルトワック氏。
彼らはウクライナを侵略したロシアが本質的には弱体であることを見抜いており、トランプ氏と同様にウクライナ戦争を外交交渉を通じて終結させ、最大の懸案である中国への対抗に注力したいと考えていることで共通していると。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領に何らかの果実を与える形でウクライナでの戦いの幕引きを図るだろう。例えばウクライナ領クリミア半島をロシアに割譲する。同時に東部のドネツク、ルガンスク両州で国際管理の下で住民投票を実施し、両州の帰属を決めることを提案すると、E・ルトワック氏。
ウクライナ戦争でこれまで停戦が成立しなかったのは、バイデン米大統領がプーチン氏を公然と非難してきたことが原因。
その点、トランプ氏は公の場でプーチン氏を非難したことがなく、プーチン氏としても取引に応じる余地が生まれると、E・ルトワック氏。
ロシアはウクライナ戦争で「目に見えない損失」に苦しめられている。それはロシアの人材と技術、資金の流出で、国への被害は甚大だ。
ハイテクなどに長じた才能あふれる若者や富裕層は西欧諸国やイスラエル、ドバイなどに退避した。富裕層が海外の資産でロシアに投資することもなくなった。ウクライナ戦争が終わらない限り、彼らがロシアに戻ることはない。
ロシアの側にも戦争を終結させたいという強い動機があるのだと!
トランプ氏は来年1月に大統領に就任し次第、できるだけ早期にウクライナ戦争の収拾に着手するに違いないと、E・ルトワック氏。
次期政権で新設される政府効率化省(DOGE)を率いる見通しの実業家、イーロン・マスク氏が規制緩和を真剣に追求していけば、その範囲は産業界全体に広がっていく。経営不振に苦しむ航空宇宙大手ボーイングの分割に踏み切る可能性もあるだろうとも。
ロシアのウクライナ侵攻を早期に和解させ、対中対応に注力したいとうかがえるトランプとの見立てですね。
対イスラエルは、1期時同様に支援?
【米政権交代】 駐イスラエル大使と中東特使を指名 トランプ次期政権の中東政策を示唆 - BBCニュース
冒頭の画像は、ロシアのウクライナ侵略を巡る問題に対応する特使に就任予定のグレネル元国家情報長官代行
トランプ氏、戦闘終結に向けウクライナ特使新設か グレネル元国家情報長官代行の起用検討 - 産経ニュース
この花の名前は、ミニハボタン
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
次期政権発足に向けたトランプ氏の人事は、1期目で犯した失敗を繰り返さないよう細心の注意を払っている。
トランプ氏は今回、自身が知る忠誠心の高そうな人物を集中的に起用している。国防・安全保障分野では加えて、力強い人物を重視していると、E・ルトワック氏。
トランプ人事、対中国シフト鮮明に 露の苦境テコにウクライナ戦争早期収拾へ 世界を解く E・ルトワック 産経ニュース 2024/11/22
11月5日の米大統領選と連邦議会選では、共和党のトランプ前大統領の返り咲きに加え、同党が上下両院で過半数を制する勝利を果たした。
来年1月の次期政権発足に向けたトランプ氏の人事は、1期目で犯した失敗を繰り返さないよう細心の注意を払っているのが良く分かる。
当時のマティス国防長官やティラーソン国務長官といった1期目の重要閣僚はトランプ氏が周囲の党有力者の助言に従って起用したものだ。
マティス氏は基本的に民主党びいきだったし、実業家のティラーソン氏も国務省の言いなりで教条的な外交政策を進めた。必然的にトランプ氏との関係は悪化し、やがて解任された。
■1期目人事を反省
これらへの反省からトランプ氏は今回、自身が知る忠誠心の高そうな人物を集中的に起用している。国防・安全保障分野では加えて、力強い人物を重視している。
トランプ氏は国防長官にテレビ司会者のピート・ヘグセス氏を指名すると発表した。これに疑問符を付ける人もいるが、彼は陸軍州兵としてイラクとアフガニスタンに派遣されたことがあり、国防総省や米軍の上層部の体質にも疑問を抱いている。私も知る人物だが、人選としては決して的外れではない。
国務長官に指名されるマルコ・ルビオ上院議員は、かつてトランプ氏と共和党の大統領候補指名を争ったが、外交政策に長年取り組んできたとして評価された。国家安全保障問題担当の大統領補佐官に起用されるマイケル・ウォルツ下院議員も陸軍特殊部隊のグリーンベレー出身だ。
■プーチン氏への果実
これら3人に共通するのは、いずれも筋金入りの対中国強硬派であることだ。彼らはウクライナを侵略したロシアが本質的には弱体であることを見抜いており、トランプ氏と同様にウクライナ戦争を外交交渉を通じて終結させ、最大の懸案である中国への対抗に注力したいと考えていることで共通している。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領に何らかの果実を与える形でウクライナでの戦いの幕引きを図るだろう。例えばウクライナ領クリミア半島をロシアに割譲する。同時に東部のドネツク、ルガンスク両州で国際管理の下で住民投票を実施し、両州の帰属を決めることを提案するのだ。
■停戦不成立、バイデン氏が原因
ウクライナ戦争でこれまで停戦が成立しなかったのは、バイデン米大統領がプーチン氏を公然と非難してきたことが原因で、プーチン氏がいかなる形であれバイデン氏に譲歩したと受け取られるような行動は政治的に困難になっていたためだ。
その点、トランプ氏は公の場でプーチン氏を非難したことがなく、プーチン氏としても取引に応じる余地が生まれる。
ロシアはウクライナ戦争で「目に見えない損失」に苦しめられている。それはロシアの人材と技術、資金の流出で、国への被害は甚大だ。
ハイテクなどに長じた才能あふれる若者や富裕層は西欧諸国やイスラエル、ドバイなどに退避した。富裕層が海外の資産でロシアに投資することもなくなった。ウクライナ戦争が終わらない限り、彼らがロシアに戻ることはない。
ロシアの側にも戦争を終結させたいという強い動機があるのだ。
トランプ氏は来年1月に大統領に就任し次第、できるだけ早期にウクライナ戦争の収拾に着手するに違いない。
■ボーイング分割の可能性
経済・産業分野では、「米国の再生」の実現に向けて、規制緩和の大波が訪れる。バイデン政権下で課された各種の規制を撤廃し、大胆な規制緩和が実行されるのは必至といえる。
最初に手を付けるのは石油・天然ガス事業の規制緩和だ。天然ガスの採掘やパイプラインの整備に関する許認可手続きを迅速化して生産量を増やし、エネルギーのコスト低減に取り組んでいくはずだ。
次期政権で新設される政府効率化省(DOGE)を率いる見通しの実業家、イーロン・マスク氏が規制緩和を真剣に追求していけば、その範囲は産業界全体に広がっていく。経営不振に苦しむ航空宇宙大手ボーイングの分割に踏み切る可能性もあるだろう。(聞き手 黒瀬悦成)
--------------------------------------------
エドワード・ルトワック 米歴史学者。米国家安全保障会議(NSC)などでコンサルタントを務め、現在は政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)上級顧問。安倍晋三元首相に戦略に関して提言していた。1942年生まれ。
11月5日の米大統領選と連邦議会選では、共和党のトランプ前大統領の返り咲きに加え、同党が上下両院で過半数を制する勝利を果たした。
来年1月の次期政権発足に向けたトランプ氏の人事は、1期目で犯した失敗を繰り返さないよう細心の注意を払っているのが良く分かる。
当時のマティス国防長官やティラーソン国務長官といった1期目の重要閣僚はトランプ氏が周囲の党有力者の助言に従って起用したものだ。
マティス氏は基本的に民主党びいきだったし、実業家のティラーソン氏も国務省の言いなりで教条的な外交政策を進めた。必然的にトランプ氏との関係は悪化し、やがて解任された。
■1期目人事を反省
これらへの反省からトランプ氏は今回、自身が知る忠誠心の高そうな人物を集中的に起用している。国防・安全保障分野では加えて、力強い人物を重視している。
トランプ氏は国防長官にテレビ司会者のピート・ヘグセス氏を指名すると発表した。これに疑問符を付ける人もいるが、彼は陸軍州兵としてイラクとアフガニスタンに派遣されたことがあり、国防総省や米軍の上層部の体質にも疑問を抱いている。私も知る人物だが、人選としては決して的外れではない。
国務長官に指名されるマルコ・ルビオ上院議員は、かつてトランプ氏と共和党の大統領候補指名を争ったが、外交政策に長年取り組んできたとして評価された。国家安全保障問題担当の大統領補佐官に起用されるマイケル・ウォルツ下院議員も陸軍特殊部隊のグリーンベレー出身だ。
■プーチン氏への果実
これら3人に共通するのは、いずれも筋金入りの対中国強硬派であることだ。彼らはウクライナを侵略したロシアが本質的には弱体であることを見抜いており、トランプ氏と同様にウクライナ戦争を外交交渉を通じて終結させ、最大の懸案である中国への対抗に注力したいと考えていることで共通している。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領に何らかの果実を与える形でウクライナでの戦いの幕引きを図るだろう。例えばウクライナ領クリミア半島をロシアに割譲する。同時に東部のドネツク、ルガンスク両州で国際管理の下で住民投票を実施し、両州の帰属を決めることを提案するのだ。
■停戦不成立、バイデン氏が原因
ウクライナ戦争でこれまで停戦が成立しなかったのは、バイデン米大統領がプーチン氏を公然と非難してきたことが原因で、プーチン氏がいかなる形であれバイデン氏に譲歩したと受け取られるような行動は政治的に困難になっていたためだ。
その点、トランプ氏は公の場でプーチン氏を非難したことがなく、プーチン氏としても取引に応じる余地が生まれる。
ロシアはウクライナ戦争で「目に見えない損失」に苦しめられている。それはロシアの人材と技術、資金の流出で、国への被害は甚大だ。
ハイテクなどに長じた才能あふれる若者や富裕層は西欧諸国やイスラエル、ドバイなどに退避した。富裕層が海外の資産でロシアに投資することもなくなった。ウクライナ戦争が終わらない限り、彼らがロシアに戻ることはない。
ロシアの側にも戦争を終結させたいという強い動機があるのだ。
トランプ氏は来年1月に大統領に就任し次第、できるだけ早期にウクライナ戦争の収拾に着手するに違いない。
■ボーイング分割の可能性
経済・産業分野では、「米国の再生」の実現に向けて、規制緩和の大波が訪れる。バイデン政権下で課された各種の規制を撤廃し、大胆な規制緩和が実行されるのは必至といえる。
最初に手を付けるのは石油・天然ガス事業の規制緩和だ。天然ガスの採掘やパイプラインの整備に関する許認可手続きを迅速化して生産量を増やし、エネルギーのコスト低減に取り組んでいくはずだ。
次期政権で新設される政府効率化省(DOGE)を率いる見通しの実業家、イーロン・マスク氏が規制緩和を真剣に追求していけば、その範囲は産業界全体に広がっていく。経営不振に苦しむ航空宇宙大手ボーイングの分割に踏み切る可能性もあるだろう。(聞き手 黒瀬悦成)
--------------------------------------------
エドワード・ルトワック 米歴史学者。米国家安全保障会議(NSC)などでコンサルタントを務め、現在は政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)上級顧問。安倍晋三元首相に戦略に関して提言していた。1942年生まれ。
トランプ氏は国防長官にテレビ司会者のピート・ヘグセス氏を指名すると発表。これに疑問符を付ける人もいるが、彼は陸軍州兵としてイラクとアフガニスタンに派遣されたことがあり、国防総省や米軍の上層部の体質にも疑問を抱いている。私も知る人物だが、人選としては決して的外れではないと、E・ルトワック氏。
国務長官に指名されるマルコ・ルビオ上院議員は、かつてトランプ氏と共和党の大統領候補指名を争ったが、外交政策に長年取り組んできたとして評価された。国家安全保障問題担当の大統領補佐官に起用されるマイケル・ウォルツ下院議員も陸軍特殊部隊のグリーンベレー出身。
これら3人に共通するのは、いずれも筋金入りの対中国強硬派であることだと、E・ルトワック氏。
彼らはウクライナを侵略したロシアが本質的には弱体であることを見抜いており、トランプ氏と同様にウクライナ戦争を外交交渉を通じて終結させ、最大の懸案である中国への対抗に注力したいと考えていることで共通していると。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領に何らかの果実を与える形でウクライナでの戦いの幕引きを図るだろう。例えばウクライナ領クリミア半島をロシアに割譲する。同時に東部のドネツク、ルガンスク両州で国際管理の下で住民投票を実施し、両州の帰属を決めることを提案すると、E・ルトワック氏。
ウクライナ戦争でこれまで停戦が成立しなかったのは、バイデン米大統領がプーチン氏を公然と非難してきたことが原因。
その点、トランプ氏は公の場でプーチン氏を非難したことがなく、プーチン氏としても取引に応じる余地が生まれると、E・ルトワック氏。
ロシアはウクライナ戦争で「目に見えない損失」に苦しめられている。それはロシアの人材と技術、資金の流出で、国への被害は甚大だ。
ハイテクなどに長じた才能あふれる若者や富裕層は西欧諸国やイスラエル、ドバイなどに退避した。富裕層が海外の資産でロシアに投資することもなくなった。ウクライナ戦争が終わらない限り、彼らがロシアに戻ることはない。
ロシアの側にも戦争を終結させたいという強い動機があるのだと!
トランプ氏は来年1月に大統領に就任し次第、できるだけ早期にウクライナ戦争の収拾に着手するに違いないと、E・ルトワック氏。
次期政権で新設される政府効率化省(DOGE)を率いる見通しの実業家、イーロン・マスク氏が規制緩和を真剣に追求していけば、その範囲は産業界全体に広がっていく。経営不振に苦しむ航空宇宙大手ボーイングの分割に踏み切る可能性もあるだろうとも。
ロシアのウクライナ侵攻を早期に和解させ、対中対応に注力したいとうかがえるトランプとの見立てですね。
対イスラエルは、1期時同様に支援?
【米政権交代】 駐イスラエル大使と中東特使を指名 トランプ次期政権の中東政策を示唆 - BBCニュース
冒頭の画像は、ロシアのウクライナ侵略を巡る問題に対応する特使に就任予定のグレネル元国家情報長官代行
トランプ氏、戦闘終結に向けウクライナ特使新設か グレネル元国家情報長官代行の起用検討 - 産経ニュース
この花の名前は、ミニハボタン
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA