東京電力では、地下水が流れ込む前に吸い上げて海に流す方法で汚染地下水を減らす方法の地元への説明をしていますが、一部に「地下水」と「汚染水」を混同する漁業関係者もいることや、風評被害を恐れることから、地元の理解を得ることが出来ていません。
引き続き今日も説明会が行われている様子を、NHKニュースが伝えていましたが、国も関与して「地下水」の安全性を地元や世界に向けて説明・説得の信頼性を高めていただきたいものです。
東京電力福島第一原子力発電所に流れ込んでいる地下水は、安全性を確認したうえで海に放出するのが現実的だろう。
東電は、福島県漁業協同組合連合会の了解を得て、月内の実施を目指していた。
だが、東電による13日の県漁連への説明会では、安全性に十分な理解が得られていないとして、結論が持ち越しとなった。
福島第一原発では、1日400トンの地下水が、敷地の山側から壊れた原子炉に流れ込み、汚染水を増やしている。地下水対策は焦眉の急である。
地下水放出の安全性、重要性について、東電は粘り強く説明しなければならない。
東電の計画では、原子炉の手前に井戸を掘り、地下水をくみ上げて海に流す。これで1日の流入量を約100トン減らせる。
海に放出するのは、原子炉に流入する前の水だ。ところが、一部に「地下水」と「汚染水」を混同する漁業関係者もいるという。
東電の検査では、地下水には放射性水素(トリチウム)などが少量含まれる。地表の汚染物質が雨水とともに浸透したらしい。
ただ、1リットル当たり最大450べクレルで、世界保健機関(WHO)が定める飲料水の水質ガイドラインの同1万ベクレルよりはるかに低い。
安全性を示すデータについて、東電だけでなく、政府も情報発信に努めてもらいたい。原子力規制庁が地下水の水質を常時、監視して、水質に問題がないことを確認するのも有用ではないか。
漁協関係者からは、海への放出により、水産物などに対する風評被害が再燃することを懸念する声も出ている。
食品の放射性物質の検査は徹底されており、安全な食品しか出荷されない。消費者も、冷静に対応することが求められる。
消費者庁は今年度、放射性物質の正しい知識を持つ専門家を全国で2000人養成し、各地でミニ集会を重ねる方針という。こうした地道な側面支援も重要だ。
福島第一原発の長期的かつ総合的な汚染水対策も欠かせない。
汚染水は、敷地内の貯蔵タンクに保管中だが、汚染されたままでは漏出事故などが心配だ。いずれ保管場所も足りなくなる。
まずは、試運転中の汚染除去装置を完成させ、安全に「水」を保管できるようにしたい。
さらに、安全なレベルにまで処理した水については、海洋に放出する必要性も生じよう。今後の重要な検討課題である。
地下水が流れ込むことで、400トンの汚染水が毎日発生しているのです。廃炉完了まで40年=400 × 365 × 40 = 5,840,000トンの汚染水です。どのくらいか想像できません。
この日々発生する元を制御することが、最も重要な汚染水対策です。
ただ、現在の井戸でくみ上げる方法が採用されたとしても、400トンの内、100トンが減るにとどまります。日々300トンは発生し続けるのです。5,840,000トンが、4,380,000トンには減りますが、想像を絶する量に変わりはありません。
東電の対策は、これまでいつもそうですが、必ずと言っていいほど一つしか考えて実行されません。そのひとつが駄目ならようやく次を考え始める。金魚のうんこの様に、ダラダラ細長い時間が費やされるのです。
英知を集め、あらゆる対策案を出し尽くし、そのすべてを実施するのが通常の企業です。ボーイング787の電池火災対策がその例でしょう。もちろん、資源(人、物、金)の有無によって優先順位を付けねばならない場合はありますが。
その発想からすれば、100トンの発生を減じる方法と同時に、残りの300トンを減じる方法が置去りにされているのは、東電が発表していないだけなのでしょうか?マスメディアや国や規制委員会はその追及はなぜしないのでしょう?
遊爺は日本のトンネルや地下鉄、地下街の土木技術の知見を結集し、福島第一の冷却で汚染された水が溜まる区域を、孤島化すればよいと素人発想していました。
区域の地域の地下と側面を凹状に堀って、その中に孤島化するのです。そして堅牢な漏水対策を施す。孤島とその他の地域は隔絶されますから、地下水が流れ込んだり、冷却で発生する汚染水が漏れ出すこともありません。冷却の水は除染・循環させれば、汚染水の発生は大幅に削減されます。
対象の区域が、机上で言うほど簡単ではない広さがあるとしても、地下街や複数の地下鉄が交差する駅等の技術を活かせるのではと想像します。
既存設備の耐震の為の基礎などの既存設備を活かした建設の難しさも想像されます。でも、電車が走ったり、商店街が並んだりする必要はないのです。柱だらけでも隔絶される空間層が確保されればいいのです。
優秀な日本の土木技術を結集すれば、不可能ではないと考えるのですが。40年あるのですから、10年で完成できれば、1/4に減らせるのです。それまでの間は、井戸で凌ぐ。そういった、長く広い対策が必要です。
原発建設には、土木技術(言うまでもないことですが、建築技術とは別の世界)ももともと必要で、それなりに技術者の方々も揃っておられることとは思いますが、その筋の人に聞くと、随所にいわゆる土建屋さんの技術が狭小との声を耳にします。
遊爺の素人発想はさておいて、400トンの内の100トンは出来たとして、大勢に影響のある残りの300トンの対策を同時進行で急いで立案・実施されることを期待します。
本物の、親方日の丸ではない技術者なら、400トンの内の100トンの対策くらいでは、恥ずかしくて人前に顔は出せないはずです。
# 冒頭の画像は、地下水の汲み上げ放出イメージ
皇居のお堀に道路を隔てて隣接する、三井物産・カモ池に5年振りに誕生したカモの親子 子ガモの1日も早い成長を祈る様に見守る母ガモの優しい姿が逞しくみえました
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