遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

北朝鮮のICBMのエンジン ウクライナ製? ロシアが技術売却?

2017-08-16 23:58:58 | 北朝鮮 全般
 北朝鮮のICBM(火星12号、14号)に使用されているエンジンは、ウクライナ中部ドニプロの工場で製造されたとの見方を、米紙ニューヨーク・タイムズが報じたのだそうですね。
 これに対し、ウクライナ宇宙庁のラドチェンコ長官代行は、生産はしていたが、供給先はロシアだけだったと強調し、技術の流出源はロシアであることを示唆し、併せて液体燃料の生産技術も北朝鮮にはなく、ロシアや中国から調達したとの見方を示しているのだそうです。
 英シンクタンク国際戦略研究所(IISS)のミサイル専門家は、ウクライナ東部ドニプロにある企業「ユジマシ」の工場で生産されたRD250を、北朝鮮が、ロシアかウクライナの密輸業者を通じて入手しミサイル発射技術を飛躍的に向上させた可能性を指摘していたのだそうですね。

 
北ICBMエンジン、ウクライナ製か…米紙 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
 【北ミサイル】ロシアから北朝鮮へ技術流出とウクライナ示唆 - 産経ニュース
 
北に技術流出、消えぬ疑念 ウクライナ、旧ソの軍事産業集積地 (8/16 産経)

 
【モスクワ=黒川信雄】北朝鮮が7月に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)のロケットエンジンが、ウクライナの工場で製造された可能性があると米メディアが報じた問題をめぐり、ウクライナは「北朝鮮にいかなるロケットエンジンや技術も提供したことはない」(トゥルチノフ国家安全保障防衛会議書記)と強く否定している。
 ただ、ソ連時代に軍事産業の集積地だったウクライナからの兵器・技術流出の可能性が、かねて懸念されていた側面もある。

 
ソ連崩壊後、経済的苦境に陥った旧共産圏の国々は、外貨を得るために海外への軍事技術の売却を加速した。その動きが特に活発だったといわれるのが、ソ連時代に約700の軍事企業が存在したとされるウクライナ
だ。

 露メディアによると、ウクライナは1990年代には主に兵器を輸出していたが、兵器の需要が落ち込むと技術に関する情報の売却に力を入れた。ウクライナの兵器や技術に特に高い関心を示したとされるのが中国だといわれる。
 
中国はウクライナから空母や戦闘機、揚陸艦などを購入し、自国兵器の開発に活用していったとされる。2012年に就役した中国初の空母「遼寧」は、ウクライナから購入した空母「ワリヤーグ」を改修したもの
だ。

 そんな中、不透明な軍事技術の流出の可能性も指摘されはじめた。英国の国際戦略研究所(IISS)によると、12年には北朝鮮国籍の人物2人がウクライナからミサイルを調達しようとして同国当局に逮捕された。
露メディアによると14年には、今回北朝鮮が入手したとされるエンジンの製造元と指摘されたウクライナの工場が、ミサイル技術を秘密裏に売却しようとした疑いが浮上している

 同工場は、ウクライナ危機を背景に経営悪化に陥っていたとも報じられている。
工場はウクライナ独立以降も露国防省とのビジネスを維持していたが、米メディアによると14年のウクライナ危機以降、露側との取引が停止し、経営が行き詰まっていたという。

 一連の報道のなかで、注目すべき項目で不透明な重要ポイントがあります。
 エンジンは、ウクライナの工場で生産されて、闇業者を経て北朝鮮に納入されているものなのか、技術移転され、技術者の指導のもとで北朝鮮で生産されているのか。
 前者なら、エンジンを製造する高度な生産技術は未だ北朝鮮では確立されておらず、今後も闇ルートを通じたウクライナからの購入に依存せねばならず、北朝鮮独自の力で実戦配備は出来ない。つまり、闇ルートを抑えれば、北のICBMは継続して実戦配備や発射が出来ない事になります。
 後者であれば、部品の調達が北朝鮮国内でどこまで可能なのか。国内調達が不可能な部品とその調達ルートの解明と遮断が必要になります。
 前者の方であれば、未だ北朝鮮独自での生産技術・設備は確立されていない状況なので、闇ルートを断てば、北朝鮮がICBMを保有出来ないことになります。
 テレビのワイドショー番組で、北朝鮮の工作員(後に逮捕)が設計図を写真撮影している様子が流されていましたが、製造業に携わった方であればどなたでもご承知のことですが、生産設備(含部品)と生産技術(現場要員の教育・訓練)がなければものづくりは出来ません。生産設備は生産設備を造る為の生産設備と生産技術が必要です。

 ミサイル発射の成功率が急速に高まったのは、ロシアなどの技術援助が唱えられていましたが、エンジンが調達されていたとなれば、納得がゆく話ですね。

 当然闇ルートの摘発は進められていることでしょう。肝心のエンジンが外部調達となれば、そこを断てばよいことになり、当面の危機は回避できます。兵糧攻めで、調達ルートや調達資金ルートを断つ。これがもっとも被害を出さずに敵を陥落させる戦術であることは、古来実践されてきた作戦ですね。
 中国、ロシアの参加がなくしては出来ないことですが、日本はその国際世論の盛り上げと、中露への工作にあたる責任が、アジアの雄国の責任としても、隣国でもっとも被害を受ける自国を護るためにも必要ですね。国益より自分が相手に気に入られることを優先し失政を重ねてきた岸田大臣がようやく外れてくれた今。河野新大臣に期待しています。


 
 # 冒頭の画像は、記者会見に臨んだウクライナ宇宙庁のラドチェンコ長官代行




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