遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

トランプ大統領誕生で米露が接近 習近平はTPPへ逆襲

2016-11-22 23:58:58 | 日本を復活させる
 トランプ新大統領誕生の選挙結果後、いち早く会談実施した安倍首相。APECでは各国の注目の的となったのだそうですね。プーチン大統領とも面談し、日米露が新たな枠組みを構築するかとの期待も抱かせられました。
 他方、中国・習近平の動向も気がかりなところでしたが、案の定、トランプの反TPP姿勢に付け込んで、中国主導の経済圏構築に走っているとの報道がありました。
 更に、大統領選当選後、TPPへの言及をしていなかったトランプ氏は、改めて就任初日から取り組む施策として、TPPの離脱通告を挙げました。また、プーチン大統領は、ペルーでの安倍首相との会談で、北方領土でのロシアの主権を主張。
 トランプ氏との会談を、最初に実現した首脳として注目を浴びた安倍首相ですが、一転、露米からの突き離しと、中国からの逆襲に遭遇してしまいました。
 世界の最前線の外交の出る杭を打つというか、一寸先は闇の暗闘の凄まじさが再認識されます。

 
トランプ大統領誕生で、米露関係は変わるのか - 遊爺雑記帳
 トランプ氏、TPP「大統領就任初日に離脱通告」 :日本経済新聞
 【日露首脳会談】プーチン露大統領 北方領土「主権はロシアだ」 平和条約締結「簡単ではない」(1/2ページ) - 産経ニュース
 プーチン大統領が北方領土問題で日本をけん制 菅義偉長官が言及 - ライブドアニュース
 
APEC閉幕 習氏 経済連携巻き返し アジア太平洋主導権狙う (11/22 読売朝刊)

 【リマ=竹腰雅彦】中国の習近平国家主席は、20日までリマで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合を通じ、地域の経済・貿易秩序の構築を主導する意欲を鮮明にした。環太平洋経済連携協定(TPP)の発効がトランプ氏の米大統領当選で困難視される中、日本などTPP参加国も取り込み、中国を含む「アジア太平洋自由貿易圏」(FTAAP)の実現をリード
する構えだ。

■FTAAP
 「(異なる自由貿易の計画が表れ、地域がバラバラになる)地域貿易協定の『断片化現象』への有効な対応が肝心だ。閉鎖的で排他的な対応を防ぐべきだ」
 
習氏は20日の会議で、アジア太平洋地域の経済連携を巡り、中国抜きで進むTPPの枠組みをけん制し、「各国は行動を強め、一日も早くFTAAPを構築しなければならない」と訴えたTPP発効が失敗となれば、FTAAP実現の土台となる可能性が高いのは、中国が中心となって日韓や豪州、東南アジア諸国連合(ASEAN)などとともに合意を目指す米国抜きの「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)
だ。

■米中場外戦
 一方、
オバマ米大統領は20日の記者会見で、TPPほどの高い水準の自由化を目指していないRCEPを念頭に「より志の低い貿易協定を呼び掛ける声がすでに聞かれる」と指摘。「労働基準や環境保護の水準が低く、米国の労働者や企業は市場に参入できない」と批判的見解を示し、経済連携の枠組みを巡って米中の"場外戦"を繰り広げた

 中国は、昨年10月の日米主導のTPP大筋合意により、「世界経済の重要陣地」(習氏)と位置付けるアジア太平洋地域の経済統合で主導権を失うことに強い危機感を抱いてきた。
習氏が今回、TPPけん制などの主張を強めたのは、トランプ氏当選直後のAPECが「絶好の巻き返しの舞台
になる」(外交筋)ととらえたことがありそうだ。

■日本も
 習氏は今回の歴訪先で
TPP参加国のペルー、チリに対し、経済協力の底上げを通じた取り込みに余念がなかった。地元メディアによると、ペルーのクチンスキー大統領は「米国抜きでも中国やロシアなどが参加した新たな枠組み構築が可能
」との認識を示したという。
 
習氏は、20日にリマで短時間会談した安倍首相に対しても「関係改善」に前向きな立場を示した
。中国は、指導部の大幅交代が予想される来年の中国共産党大会に向けて一時的な緊張緩和を図っただけでなく、RCEPに加わる日本との協力強化や取り込みを図りたい思惑もあったとみられる。
 習氏は、ロシアのプーチン大統領との会談で、FTAAP構築のプロセス推進に向けて、APECの枠組みでの協力を強化することで一致した。中国主導の新たな経済秩序構築の土台となる巨大経済圏構想「一帯一路」推進に関連し、来年5月にプーチン氏が訪中することでも合意した。



 TPPが発効すれば、アジア・太平洋圏の一大経済圏が構築され、アジアからの追加参加国の動きも見られ、新たな国際取引ルールが確立されることになり、国内経済成長の行きづまりを、「一帯一路」で海外市場の取り込みで挽回しようとする習近平は窮地に立たされる状況でしたが、トランプ大統領の誕生で、TPP発効には赤信号が点滅し始めました。
 安倍首相がいち早くトランプ氏と会談し、日米同盟の絆を示し、プーチン大統領との会談を重ねる攻勢をかける中、すかさず中国主導の、RCEP、FTAAPへの流れ造りに動きだした習近平。敵ながらあっぱれといえます。

 トランプ氏、プーチン大統領の流れを断ち切る突き離し。習近平がひとりほくそ笑んでいる姿が眼に浮かびます。
 習近平、プーチン両氏の会談では、FTAAP構築のプロセス推進に向けて、APECの枠組みでの協力を強化することで一致し、「一帯一路」推進に関連し、来年5月にプーチン氏が訪中することでも合意したのだそうです。
 敵対し続けたオバマ大統領から、接近の可能性があるトランプ氏に代わったことで、プーチン大統領の頭から、日本接近は消えている様です。
 第二次大戦末期の大勢が見えた時点での、平和条約を無視した対日参戦での満州、北方領土侵入。サハリン1, 2の開発で、完成間際になっての横取り。ロシアにまたも裏切られる日本となりそうです。
 繰り返しになりますが、世界外交の最前線の凄まじさを再認識させられますね。
 そこで日本はどうするか。安倍首相は、米国抜きのTPPは効果がないと、未だトランプ氏の翻意への期待を表明しています。
 
安倍晋三首相「米国抜きのTPPは意味がない」 - 産経ニュース

 トランプ氏の、TPP離脱表明ビデオ放映前の発言ですから、自由貿易の重要性を共有したはずの会談を覆すトランプ氏のTPP離脱発言には、安倍首相も驚いておられることでしょう。
 引き続き、中国が利するだけと説得を続けるのか、米国抜きでの新TPP構築を有志国と進めるのか、「TPPが発効しなければ貿易協定の軸足はRCEPに移る」との安倍首相の発言を現実のものにせざるを得なくなるのか。岐路に立たされましたね。
 遊爺は、去る者は追わず。有志国で、新TPPを発効させることを優先し、その上で、当初の戦略通りに、RSEPを吸収統合する路線継続を推奨します。。



 # 冒頭の画像は、ペルーで会談した安倍首相とプーチン大統領
  安倍首相の、トランプ氏との会談後の笑顔と比較した苦い表情が、テレビ、ラジオで話題となっていましたね。




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中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日―一極主義 vs 多極主義
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